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 「光の道」

 「光の道」


 上を目指して

 スポットタイトの当たる

 一番美しい場所を目指して


 その少女は

 光の当たる一瞬を目指して

 与えられた時間に最高のモノを

 表現できるようにと


 上を見て 上に上がって

 そして 彼女は光の中にいた


 ずっと ずっとそこにいられるのだと

 彼女は信じていた


 そこにあったはずの階段が

 ゆっくり下り坂になっていることに気が付かず


 彼女が見えるころにはもう階段の一番上には

 自分以外の人がいた

 自分と同じように眩い光を浴びて


 彼女は涙を落した

 自分があの場所にいたはずなのに

 自分だけはそのまま居られると

 そう信じて歩いてきたはずなのに

 

 けれど ふと気が付く

 自分の影が見えることに


 目を上げてみると

 光の中にいる人 

 ライトがまぶしすぎて影などどこにもない


 影を見て

 周りを見て失ったものに気が付いて

 取り戻せないあきらめと

 影の中でも道があるはずだと

 歩き続ける


 そんなことは耐えられないと

 光に手を伸ばし続ける人々


 完全に人工の光を諦めて

 太陽の下を歩き始める人々


 女優はゆっくりと

 光と影の間を歩き出した


 きっと 誰もが歩く道を


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