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「ジョウ」

「ジョウ」


君が嫌いではない

君が好きだ、とは違う

好きだと言うほど知らないから

ただ嫌いではない

君の笑顔も

君の頑張っている感じも

君の決断力のゆっくりさも

君のおだやかな返事も

君の意外と早く歩くところも

君の真面目さも

嫌いではない


私の頭の片隅で

どこかで警報が鳴っていた

でもそれに対して向き合えるほど

君が好きだから心配だと言えるほど

そこまでの時間がなかった


増える無表情

暇そうな手元

会話の後は必ず外に出ていく

そして君は


風と共に去った

風の噂で体を壊したのだと

いや心を壊したのだと


心配はきっと無力なだけだろう

心配はきっと無駄だろう

彼は自分で決断して何も言わずに

去って行った

警報は解除された

もう彼はいない


泣いた私にできることは


残される人のことなど考えてはいけない

早く去って正解なのだ

そして早く体を治してほしい


いつか

いつか

いつかどこかで

笑顔で会える日を願いながら

私は「情」をゆっくりと鎮めている


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