「君の後ろにはいつも風」「私の敵は仕事」
「君の後ろにはいつも風」
優しくて、温かくて
ふわっとした君が
あっという間に去っていく
嬉しくて
楽しくて
それでも立ち止まることなく
ふわっと君は去っていく
突っ走るエネルギーはどこから来るのか
止まることなく、
私にちょっとだけ笑顔をくれて
去っていく
君のようになりたいと多くの人が
こっそり思っているけれど
そんなことは知らんというように
君は去っていく
ふわっ と
微笑みながら君は去っていく
風が今日も舞う
「私の敵は仕事」
あの人は仕事を愛している
私と仕事となんて言えないくらい
仕事を愛している
だからシャツにアイロンもかからない
だから髪も伸び放題
だから同じ色のシャツが続く
話しすぎて喉ががらがら
誰からも心配されず
誰からも飴玉も配られず
ぽつんと仕事を愛している
いつか
貴方は気が付くだろうか
そのうち親はいなくなり
友人は家族中心になっていく
同僚は転勤であっちこっちへ
部下はため息をつきながら去っていく
それでもあなたは幸せなのだろう
愛している仕事があるのだから
いまは
そしてあなたが気が付いたとき
貴方に恋した女は
違う誰かと家庭を持って
老婆になっているのだ
あの人は仕事を愛している
私と仕事となんて言えないくらい
仕事を愛している