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「白の姿」

「白の姿」


白いドレスの向こう側には


洗っても洗ってもやってくる食器

誰も洗わない食器

洗っても洗ってもやってくる洋服

誰も洗わない洗濯物


毎日消えていく卵と風呂の水

ため息も吸ってほしい掃除機

勝手に居座っているのは埃の粒


褒美もなく 賛辞もなく

太陽に当たるのは買い物のついで


ベランダの植物でさえ花が咲く

年を取らない本の世界

新しい洋服さえも紙の中

ほしい気持ちもどこかに行ってしまった


白い着物の向こう側には


誰も使わない食器

何処に何があるのかさえも

誰も洗わない洗濯物

服を変えるのも面倒で


毎日消えていくご飯はゴミ箱へ

ため息も吸ってほしい掃除機

居座るのは埃と菌類 

どうぞご自由に


笑顔もなく 怒りもなく

太陽さえも見たくない

ベランダの雑草でさえ草は伸びる

年を取らない本の世界

新しい洋服に目を向けるさえ面倒で

買いに行く気力もうせた


それでも

私よりも長生きするはずの君がいる

私を見ていてくれる君がいる

君のために生きよう

君の白い姿を見る日が来なくても


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