25/219
「君に友人はいない」
「君に友人はいない」
A君に友人はいない
君が問う
友人がいなくてなにが問題なのかと
私が答える
なにも問題はない
君が問う
友人は必ず必要なものだろうか
私が答える
強制的に必要なものではないけれど
そこに誰かが居れば
良くも悪くも支えになり足かせになる
君が問う
なぜ友人がいないだけで責められるのか
私が答える
人は話して理解しようとする
理解できても、できなくてもいい
だけど
話すことを放棄した人は怖いからだ
君が問う
友人がいなくて、彼は強いのか
友人がいなくて、彼は弱いのか
友人がいなくて、彼は寂しくないのか
私が答える
友人がいなくても、生きていける人はいる
それでも友人がいる楽しさも苦しみも嬉しさも寂しさも
知らないままよりかはいいだろう
その程度のものだ
A君が問う
なぜ僕に友人がいないと思うの?
君は言葉に詰まる
私が答える
君に友人はいない
私は君の心にしかいない
私は笑った