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後ろを向くと
後ろを向くと
ふと気づけば
好きだった音楽を聞かなくなった
ふと気づけば
時計は止まっている
ふと気づけば
誰もが歩いていて
足元を見れば
自分の歩数の少なさに
ため息をつく
前を見れば
友はもういない
振り返ったならば
キラキラしたその場所に自分はいない
後ろを向くと
宝石が転がっている
けれどそれは取に行けない
後ろを向いて
ため息を付いたら
ゆるりと前を向く
足元に道が見えなくても
時間が背中を押していく
その先に
自分など気にもしないで
微笑む友たちの姿が見えても
足元を見て
ちょっと進むしかないのだ