23/219
一人でご飯
一人でご飯
つまらさそうな世界に
現実が散らばっている
本の世界 音楽の世界
電子の世界 二人だけの世界
自分だけが
傍観者なのではなく、
没頭と陶酔の間に
転がっている会話の切れ端を
こっそり集めて
にやりと地味に笑う
怪しさをそっと隠す
無言のまま
相手がいることが
いつもいつも幸せとは
限らない
転がらない単語の切れ端見つけて、
一人で席を立つのだ
ああそれでも
味を覚えていないのは
一人だったせいだろうか
それとも
自分に集中させているようで
周りに集中していたせいだろうか
悟りの境地までは遠い