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「奇妙な夢を」
「奇妙な夢を」
誰かが聞いてきた
子供かしら
ママの夢は何だったの
おかしいわ
いつママになったのかしら
なぜ夢が過去形にされているのかしら
そうねぇ
ぼんやりと答える
誰もが顔で分かる名乗らないヒーローだったのか
きれいなドレスとティアラだけ見たお姫様だったのか
きらきらしたお菓子を作る人だったのか
ドラマで拳銃を撃ちまくる刑事だったのか
子供の頃の夢でも
自分の苦手な分野は夢でさえ無い
ちょっとだけ憧れて
現実の前に溜息をついて
ヒーローは夢の世界のまま
年をとっていくワタシ
もっと現実を見ろと言われたけれど
おかしいわ
高校生になって大学生になって
就職して結婚して子供を産んで
老人になって縁側でお茶を飲む現実が
いつから見えないのだろう
夢は夢のまま終わる
それでもたまに聞かれるのよ
あなたの夢は何だったの
なぜ
夢が過去形にされているのかしら
おかしいわ
いまでも現実のお姫様を見つめながら
菓子を食べている




