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「舞うお金」
「舞うお金」
400円の野菜に手をとる
400万の時計をしながら
199円の野菜の小ささに
溜息ついて手に取らない
199万の指輪はしたまま
今日の値段と明日の値段
過去価値と未来を見つつ
一喜一憂しながら
今日も進んでいく
天気を見つめながら
山火事をテレビで見つつ
水に浸った街
雨のない街に吹く風
雪に埋もれた土地
ただでさえ忙しい空なのに
飛行機もヘリコプターも
ミサイルも飛んでいる
花火を観ながら
かき氷の値段が上がったと呟く
明日も誰かが作ったものを
食べながら
一喜一憂しながら
今日も歩んでいく
米の粒はいくらだろうと
畑を見ながら
一喜一憂は今日も続く