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「~食事6~母と母」
「~食事6~母と母」
何が食べたいと問われなくても
好きな物を作るわ
母親は胸を張る
あなたの好みは知っているから
家を出て行った時のまま
更新されない好みの味と量
おかしいわ
自分の食べる量は減っているのに
子供の食べる量は変わらずに
ずっと食べられるものだと信じている
おかしいわ
あなたと暮らすよりも
他人の私との方が長くなったのに
あなたの好みはこの食材
この味でしょう
多いという言葉を自動的に排除
美味しい
なんども催促する
美味しいはずよ
だって食材が高価だわ
美味しいはずよ
恐ろしいほどの愛が入っているみたい
家に戻ったら
男でも女でも料理を教えるわ
自分の好みを自分で作れるように