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「物語の終了 2022」
2022年も後半!書かねば!と急に思い出しまして、書きました。
「物語の終了 2022」
扉を開いたものには
それを閉める義務がある
そう思っていた
動き始めた話を終わらせるために
名もなき花の様に唆きっぱなしにしてもいい
水を与えずとも
肥料が無くとも
咲き続ける話はいい
けれど
種を植え
囲いを作り
水をやり
光を与えてしてしまったのなら
枯れた花を処分するところまで
見なければならない
そう思っていたけれど
急にあの子の時間が止まった
話はもう進まない
答えはあの子の頭の中にしかないから
知っている者が誰もいない
咲いた花はそのまま止まる
誰の目にも触れなくなるまで
誰かが接ぎ木をした
ああ話は進むのだろうか
別の話になるのだろうか
誰も知らない世界は来ない