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「消える日常に」
「消える日常に」
だんだん畑
限界集落
美味しい食事
消えると誰もが残念がるけれど
誰もやる人はいない
消える位ならと思う人はいるだろう
けれど
教えたくない人もいる
継がせたくない人もいる
今日も主が亡くなり
畑が消える
作られなものは朽ちるまでに時間がかかり
そこにあり続けるけれど
人が増えても減っても
消える世界は有り続ける
何かを作っては
新しい
当り前
懐かしい
消える
そんなことを繰り返しながら
あの時はこうだったと
誰もが過去を振り返るけれど
消える世界に未来を与える人は
一握り
今日も主が消え
作り方も消え
おぼろげな記憶だけが浮かんでいる