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「短いユメ」
「短いユメ」
きれいなシャボン玉は目を離したら
消えてしまう
ずっと続くはずの友情も
毎日あるはずの親からの愛情も
窓から見える平和な風景も
シャボンのユメだ
キラキラして
摘まもうと手を伸ばしても
手からすり抜けて消えてしまう
今日楽しかった昼食も
可愛いと与えられた明るい色の服も
寝る時にいる側のヒツジも
シャボンのユメだ
子供のころの悲しいユメ
今日あっても明日は消えるユメ
明日はあっても未来は消えるユメ
大人になったらもう夢は見ない
そう思っていた
いつかは覚めて悲しい思いは
もうしたくない
大人の私にできることは
子供にシャボンの夢を見せないこと
世界は美しい
世界は楽しい
夢は消えないと教えること
シャボンのユメは悲しいから