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「梅とさようなら」
「梅とさようなら」
梅にも桜にも感動も関心も
彼方にないのは
彼方は残る人だから
ここにずっと
明日も明後日もいる人だから
どこにもいかない人だから
こちらは去る人だから
必ず去っていく人だから
明日か明後日か
いつかはわからないけれど
今日まで通っていた道を
明日も通るとは限らない
綺麗ね
今日も綺麗ね
白くても
赤くても
桃色でも
明日も綺麗なのでしょう
こちらがいてもいなくても
空が晴れていても
荒れていても
彼方には感心の低い事
ずっといるのだから
来年も咲くのでしょう
さ来年も咲くのでしょう
ずっと綺麗に咲くのでしょう
いつか彼方が梅を見る時
こちらは他の場所で違う梅を見るのです
綺麗ね
さようなら