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「カラー」
「カラー」
動物だった頃
白いモノが特別とされたのは
隠れられない世界のなかで
生き延びたから
仲間も去っていくなかで
人になったころ
黒い者が異端とされたのは
知られなかった世界で
生き延びたから
幸せのなかで
色も幸せも違えど
生き延びたから
これからも
生き延びていける
血の色は同じだから
誰もが特別だから
争いは起きるけれど
それだけでは生きていけないことを
もう知っているから
いろいろなカラーの中で
いろいろなカラーを見つめながら
生まれては
去っていき
誰にも知られないままのカラーもまだ
きっと眠っている
白くても黒くても
青くても緑でも
きっと生きていける
幸せになるために