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「壊すのか、壊れるのか、逃げるのか」
「壊すのか、壊れるのか、逃げるのか」
追い詰められている人と
追い詰められていることに気がつかない人と
両方に気がつかないふりをしている人がいる
そして去るか
壊れるかの砂時計がそばにある
時計のサイズは人それぞれ
砂の量の人それぞれ
細くなったり太くなったり
多くなったり少なくなったり
ゆっくり変化をしている
誰にも言えない砂時計
いいえ
自分の砂時計を知らない人のほうが多いかも
どんなサイズなのか
どれだけの砂が残っているのか
まだ大丈夫なのか
もう埋まっているのか
自分の砂時計
知っていても逃げ出せない人もいる
とっくに壊れているのに
砂は落ち続けていると信じている人もいる
誰もが持っている砂時計
今日も急激な変化をたまにして
誰かの砂時計の破片を見つける
ああ壊れてしまった
それに気が付かずに踏みつけて
去っていく人もいる
自分はまだ大丈夫と言い聞かせている
もう砂時計はないのに