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「フィクションのキラキラ」
「フィクションのキラキラ」
苦労したお姫様は
最後には幸せになれる
愛のしらないプレイボーイは
一途な女性と幸せになれる
そんなキラキラした世界だけを
見ていたいと願うのは
たぶん今の世界が穏やかな波だから
嵐のように悲しい現実はいつでも
隣を歩いている
甘くていい思いをしたことがある奴が
ご馳走並べて
同じ世界に引き込もうと手を招いている
守るはずの人だって招かれている
そして其の先で
いつも誰かが泣いている
ノンフィクションで転がっている世界を
フィクションにしてまで見たくないと思うのは
すぐ近くに嵐があることを知っているから
せめてフィクションの世界では
ワルイ奴が捕まって死んで
悲しい思いをしたらそれ以上
しあわせになれる世界がみたい
夢を見ていたい
いつだってフィクションは
綺麗事で終わるのが理想
だって夢の世界だから
現実はいつも悲しみが横で手招きしている