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追放された俺のスキル【回収係】、 同じく追放された悪役令嬢や騎士を拾ったら最強国家ができていた  作者: ピラビタ


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1/10

回収係(レオン)は捨てられる

――レオン=アルヴェイン。

 それが俺の名前だ。


 アルヴェイン伯爵家三男。

 長男は剣の天才、次男は魔法の申し子。

 そして俺は――何の期待もされていない、余り物。


 その事実が、今日ではっきり形になった。


「レオン。結果を見た。……話にならん」


 父、アルヴェイン伯爵は、鑑定書から目を離さずに言った。

 その声には怒りすらなく、ただ“処理”の響きだけがある。


「スキル名は――【回収係】?」


 母は困惑したように俺を見る。

 兄たちは、興味なさそうに視線を逸らした。


「……はい。神殿の神官からも、そう説明されました」


 俺がそう答えると、父は鼻で笑った。


「回収係だと?

 不要と判断された人材や物を引き取る……要はゴミ拾いだな」


「ち、父上……」


「貴族のスキルではない」


 ぴしゃり、と空気が切り替わる音がした。


「本日をもって、お前を廃嫡とする。

 名も、財も、後ろ盾も与えん。明日には屋敷を出ろ」


 その言葉を聞いた瞬間、

 胸に来るはずの衝撃は――なぜか、なかった。


(……ああ、やっぱり)


 納得の方が先に来たのだ。


「異議はあるか?」


 父が形式的にそう聞く。

 母は何か言いたそうだったが、結局口を閉ざした。


 俺は少し考えてから、口を開いた。


「一つだけ、確認してもいいですか?」


「何だ」


「【回収係】は、“不要と判断されたもの”を引き取れる。

 それだけで、間違いありませんね?」


「そうだが、それがどうした」


 俺は、思わず笑ってしまった。


「いえ。十分です」


「……何?」


「不要だと切り捨てられた人も、土地も、物も。

 全部、俺のところに来るってことでしょう?」


 兄の一人が、呆れたように言った。


「現実が見えてないな。

 そんなもの、誰も欲しがらない」


「そうかもしれません」


 でも、と俺は続ける。


「“今の価値観で”いらないだけですよね」


 その言葉に、誰も返さなかった。


 翌日。

 俺は小さな荷物だけを持って、屋敷を出た。


 行き先は、辺境。

 地図の端にある、誰も欲しがらなかった土地。


 護衛の兵が、気まずそうに言う。


「……本当に、よろしいのですか?」


「ええ。むしろ、楽しみです」


「楽しみ?」


「はい」


 馬車に揺られながら、俺は空を見上げた。


(捨てられた悪役令嬢。

 失敗作と呼ばれた英雄。

 価値ゼロ判定の土地……)


 それ全部、俺が“回収”できる。


「悪くないスタートだ」


 そう呟いた俺のスキルが、静かに反応した。


 ――【回収可能対象:未確定】

 ――最初の候補が、すでに存在します。


 その表示を見て、俺は確信した。


 この追放は、終わりじゃない。

 始まりだ。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


よければブックマークして、

続きを読んでいただけると嬉しいです。


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