表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/27

別れ

「エルドラ様? どうしたんですかその光は……」


 ラグの声が聞こえた。


「ここでお別れだ」


「ちょっと待ってください。どういうことですか? まさか!」


 ラグがアカシックリーダーを見て震えている。


「ねえ、どうなってるの? 何が起こっているの?」


 リリアが駆け寄ってくる。


「おいおい、やばくないかこれ。俺達どうなるんだよ」


 ユリウスも動揺している。


「心配するな、全て元通りになる。神様もそう言ってくれた」


「神様が直してくれるんなんて、良かった」

「でもなんでエルドラ様が光ってるんだ?」


「嫌です、ここでお別れなんて言わないで下さい。一緒に居るって言って下さい」


 ラグの目から涙が溢れている。


「ラグ、お前は見た目は幼いが、しっかりしている。皆を導いてくれ。頼む……」


「ちょっと待ってくれ、何を言ってるんだよ。何処に行くつもりなんだ? 俺達も連れて行ってくれよ」

「ねぇ! 何処に行くの? 置いていくなんて言わないで」


 ああ、駄目だ。


 引き離さないと。


 俺の事を諦めてもらわないと。


 でもどうすれば。


「ああ……俺が帰るべき所に帰るんだよ。お前たちは邪魔なんだ。付いてくるな」


「嫌です!」

「嫌っ!」

「ふざけるな!」


「くっ! ……見ろよ、俺のせいで世界が壊れちまった。俺は罰を受けるんだ」

「これから地獄に行くんだよ。お前らなんかに行ける所じゃないんだ!」


「嘘ですね。僕は騙せませんよ。本当のことを言って下さい」

「エルドラ様っ!」

「……」


 俺の体が崩れるように消えてゆく。


 世界に溶け込んでゆく。


 もう隠しきれない。


「俺の体を使って世界を修復する。もう戻れない。俺は集合意識へ帰るんだ」

「すまない、連れていってやれない。この世界でちゃんと生きてくれ」

「お前たちがそこへ行くのはまだ早いんだ」


「リリア、どうか幸せに生きてくれ。そんな体にしてゴメンな。いつか人間に戻れるといいな」


「嫌だぁ、エルドラ様! 行かないでぇ!」


 リリアが泣き叫ぶ。


「ユリウス、お前がリリアを守るんだ、頼んだぞ」


「……言われるまでもない」


 ユリウスが拳を握りしめる。


「ラグ! 皆のことを! たのん……」


 ついに体は崩壊し、光となって拡散する。


 同時に、体の中に取り込まれていた魂達が解放される。


 多くの魔獣や魔物たち。


 俺の魂からこぼれ落ちて広がってゆく。


 その中に一つ、強く光り輝く魂が寄り添ってきた。


 母さん……


 俺は空へと昇ってゆく。


 集合意識へと向かって。


 地上から泣き叫ぶ声が聞こえる。


 もう耳は無いのに、声が聞こえてくる。


 もう戻ることは出来ない。


 それは許されない。


 時間がさらに修復され、一気に世界が動き出す。


 世界の破片が落下してゆく。


 世界の崩壊はすぐには収まらない。


 しかし亀裂は狭くなってゆく。


 その隙間から岩のような断片が降り注いでいる。


 そして俺は、その隙間へと消えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ