第63話 メーター100%に達しました! +3000pt
これは再び、里に戻ってみんなにインタビューする必要があるぞということになった。
インビンシブル号は人竜族の里へとんぼ返り。
その途中で、みんなにブレスで因子がどれくらい消費されるかを聞くのだ。
「私は……フルパワーだと周辺一帯がしばらく魔法を使えなくなると思います」
そしてお腹ペコペコになるもんね。
そうか。
ブレスを使い続けられるよう、こちらでは人竜族の皆さんに食べ物を提供しないといけないな。
「クリカはねー、そんなブレス強くないなー。でも複合型だから、因子はたくさん使うぽい」
「複合型?」
「あれー? お兄さんクリカに興味ありあり? 外でてみてみるー?」
「見よう見よう」
そういうことになって、車を止めて一旦外へ。
クリカちゃんが「うーん!」と唸ると、角の間に炎が出現した。
いや、ドロっとした感じの炎はこれ、マグマだ。
そしてマグマから稲妻がほとばしる。
「あ、火山雷か!! じゃあもしかして、タリアさんのブレスってマグマ?」
「そお! お兄さん察しがいい~!」
「あっ、クリカ! どさくさに紛れてミアンに抱きつくんじゃありませーん!」
「いいじゃーん! お姉のけち!」
流石人竜族。
子供と言えどパワフルだぞクリカちゃん。
俺は彼女を正面に貼り付けたまま、ジュドクにも聞くことにした。
「ジュドクのブレスはどんなもん?」
「俺? 俺は結構因子使うよ。それに長期間連続使用できるタイプだから。こんな感じで!」
彼の黄色い角が光り輝くと、ジュドクの全身がパンプアップした。
そして、駆け出す。
速い速い!
時速80kmくらい出ている。
しかも、周囲の木々を駆け上がり、幹と幹の間を跳躍し、俺の眼の前に着地……というところでパンプアップが解けた。
「因子がなくなっちまった」
「あ、これでこの辺りの因子が枯れるのか」
因子は消費されても、すぐに充填される。
だけど人竜族が使い続ければ、その領域は一時的に因子の枯渇状態に持っていけるわけだ。
「つまりね、テアライは因子を吸収して存在している亜竜だから、あいつの周りの因子を全部なくしちゃおうって戦法なんだ。そして俺はテアライをテラフォーミングマシンでなるべく薄める。飢餓と薄めるの同時攻撃で、亜竜を極限まで薄めてなくしちゃおうという作戦」
「な、な、なんという頭の良さそうな作戦なんでしょう!」
「ん? ん? お兄さんが頭のいいこと言ってるの?」
「流石だなあ……。実力だけじゃなく、頭も切れるなんて。でもどうしてそんなこと思いついたんだい?」
それこそ、ジュドクの発言のお陰だ。
「族長のブレスが辺り一帯の因子を枯らしたから、デイダラボウはその場に存在できなくなって撃破されたんだと思う。同じ事をテアライで引き起こすわけだ。誰も犠牲にしないためにみんなで力を合わせて、こっちも全力でテアライを薄めるからより少ない労力でいけるはず」
俺の提案に、大いに盛り上がるみんななのだった。
「わしもそれでいいと思う!」
「わっ! またヨルカが喋った!」
その度に驚くクリカちゃんなのだ。
さて、人竜族の里にて、集落の人々を集めて説明する。
「テアライの周囲を、ちょっとスペースを開けながら取り囲みます。そしてみんなでブレスを使ってください。人竜族じゃない方は、アノンガロスに乗ってパトロールして、皆さんに近づく怪物を追い払ってください。あ、これ音波砲です。お得用セットで多めに買いました」
簡単な説明でご理解いただけた様子。
族長もふむふむ頷きながら、
「確かに……わしのアークサンダーでデイダラボウを倒したと思っておったが、奴の体には稲妻を受けても焦げ跡一つ残らんかった。考えてみればあまりにもデイダラボウは大きく、わしの稲妻でも僅かな傷しか与えられていなかったのだろうな。だが……ブレスが因子を著しく消費した、か。ふむ、ふむふむ……! それは実に面白い真実だ!」
彼は自らデイダラボウと向き合って、因子の枯渇を実現させた人だ。
能力を失うくらいまで自分を追い込んで使ったことで、たった一人で辺り一帯の因子を枯らした。
「さらに俺が、このテラフォーミングマシンでテアライを構成する大気を大量に蘇生して、あいつの中に送り込みます。そうするとテアライは体積がとても増えるので……」
「なるほど! でかくなった分、因子が多く必要になる! だが周囲の因子はない。実体化しようにも、婿殿が言う竜ではない成分が多すぎる……! これならやれる。テアライを倒せるぞ!」
うおーっ! と盛り上がる人竜族の皆さん。
その中から、メギドアが進み出た。
なんかずっと悩んでいたようで、目の下に隈ができている。
「正面は俺にやらせろ! 俺のブレスは大量に因子を消費する! それに俺なら、危険にも対処できる!」
「メギドア、頼み方というものがあると思いますけど!」
マキナが間に入ってきて、どーんと胸を張る。
「うぐぐ、た、頼む! やらせてくれ!」
メギドアが頭を下げた。
このプライドの高い人がここまでやるなら、任せてみたいなあ。
「分かった。頼むよメギドア。一人、因子の消費が大きい人がいる方が安定するんだ。テアライの目がそっちに向くからね」
「お、俺があいつの注目を集めるわけか……!! やる気になってきたぜ……!!」
元々は強い戦士なんだから、そう言うプライドがある。
だからこそ一番重要なところを任せるわけだ。
「私はなんか不満ですけど……でも、メギドアが信頼できる最強の戦士であることは間違いないですし」
不承不承ながら、マキナも認める腕前。
族長も満足げだ。
「里が一つになった。誰もが同じ方向を向いている。これはとても素晴らしきことだぞ婿殿」
『ウグワーッ! 次の族長を託したい人になりました! 実績・次代のニューリーダー候補、解除! 1000pt獲得!』
「やりませんやりません」
俺はポイントを稼ぎながら、悠々自適で暮らしていたいのだ!
いや、今回はとんでもない事態に巻き込まれてるんだけど。
ただまあ、この非常時を納める算段がついた。
あとは実行するだけ。
テアライは俺がぶち込んだテラフォーミングマシンのせいで、しばらくは活発に動けないだろうし。
「それじゃあ皆さん、早速やりましょー!」
俺の言葉に、集まった数百人の皆さんがうおーっと応じるのだった。
『ウグワーッ! メーター100%に達しました! 実績・ファースト・ミッションコンプリート、解除! 3000pt獲得!』
◎現在のポイント:60397pt
貢献ポイント :75855ポイント
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