第62話 クリティカルな気付きを得ました! +1500pt
『結果が出ました! 結論から言うと半分大気です!』
「やはり」
非実体化しているテアライを分析したら、竜の因子みたいなものと大気の成分が混じり合っている。
あれだけ大きいのに存在できるのは、中身がスカスカだからだったのだ。
元になったテラフォーミングマシンどこいったの?
その答えは恐らく、そういう要素だけ取り入れて独立行動できるようになったのがテアライということなのでは無いだろうか。
「それにしたって、ミアンはよくテアライの中を通過しようと思いましたね……! 私は怖くてできないですよ!」
「いつ実体化するか分からないもんね。だけど、もしこいつが実体化するとしたら、ゆっくりそれが進行すると思うよ。じゃなきゃ突き立った脚の中に生えてる草木が腕と混じっちゃうんじゃない? それに普通に動物が歩き回ってて危機感がない感じだったし」
「そ、そこまで観察していたのですか!?」
俺はポイントプログラムを触ることしかやることがないので、他は状況観察に意識を割いているのだ!
異世界にやってきて、俺も責任感みたいなものが芽生えているからね。
少なくとも、マキナと出会った時に助けて、今後はちゃんと責任持っていかないとなと思ったのは確かなのだ。
『ウグワーッ! テアライの成分解析を完了しました! 実績・メーター70%、解除! 1000pt獲得!』
「じゃあさお兄さん! どうやってこのおっきい怪物とやり合うの? 今のところ、これがなんなのか分かっただけじゃん?」
「分かったってことは、成分を真似したりできるってことだよ。例えばテアライの半分を構成する大気と同じ成分を作り出せる機械を購入して……」
『パカパーン! テラフォーミングマシン・ミニのご購入ありがとうございます!』
「うおお、20000ptもした……!! いや、それだけの効果があると信じたい。さっきの解析結果をThe・探索から流し込んで……」
『データをインポートしています。できました!』
超速だ。
それで、機械を起動して大気をたくさん作ってやると……。
というところで、俺達の背後でテアライの脚がゴゴゴゴゴ……と唸りだした。
だんだん、色が濃くなっていく。
「あっ、実体化する! ポチョ、退避! 退避~!!」
『ポッピー!』
テアライの脚を大きく回避し、しかし谷底からは離れながら疾走するインビンシブル号。
窓から見える光景はとんでもないものだった。
突如出現した、巨大なテアライの腕。
それが谷底に突っ込まれて、深く深く掘り返す。
両手をすり合わせる動きは、なるほど手を洗っているかのようだ。
規模が大きすぎて、近くで見ると谷を掘削しているようにしか感じない。
水がダバダバと溢れているのが分かる。
これは洪水が起こるぞ……!
「このままだと里が危ないので! テラフォーミングマシンを起動! 実体化したテアライにも通用する?」
『とてもいい質問ですね! 実体化しようが非実体化だろうが、あの亜竜を構成する成分は同じです! 竜の性質が表に出て固めているだけで、中身は大気です!』
「オッケー! じゃあ……ウォータランス使用! 行くぞポチョ!」
『ポピー!!』
高圧水流を槍にして叩き込む近接武器だ。
これをインビンシブル号の先に搭載して、テアライの脚に突っ込む。
竜の因子が表に出ている表皮は堅いが……。
傷がつかないわけではない。
「ウォーターランスのオプション機能を購入! 水流の中を空洞に! そこにテラフォーミングマシンを接続! よっしゃー! 大気を送り込むぞーっ!!」
稼働を始めるテラフォーミングマシン・ミニ。
実際の性能的には、香川県くらいの範囲の気候を変化させられるくらい。
しかもオープンな環境では一週間くらいしか持たないそうなのだが……。
それが災害竜テアライ相手なら、十分な性能なのだ。
もりもりと作成される、テアライ内部と同質の大気。
それがこの災害竜の中で、成分バランスを崩していく……!!
谷をもりもりと掘る動きが緩やかになり……。
やがて止まった。
頭上から、ウゴゴゴゴゴ……と雷鳴のような唸り声が響く。
テアライの顔が、目を見開いたり閉じたりと忙しい。
徐々にその色合いが薄くなっていっている。
「ミアン! 実体化していたテアライが!」
「ああ、また非実体化する」
スウーッと薄くなるテアライなのだった。
よーし!
これで実体化による被害をまずは抑えた。
ウォーターランスを格納し、今はテラフォーミングマシンを直接突っ込んで、中に大気を送り込んでいる。
非実体の色合いも、最初の頃よりもずっと薄い。
「これで当分は実体化しないと思うけど……」
「だったら解決? お兄さんさっすがー!」
「うーん、私はまだ分からないと思います。だってテアライは今、食事を邪魔されたわけじゃないですか」
「マキナ、鋭い」
「はい。私だったら、なんとしても食べるぞーってなります! 邪魔されても、無理やり食事するぞってなったら……妨害とか無視して動くと思うんですよね」
「確かに……!! 今回のは対処療法で、根本的な対策にはならない! じゃあ、対策は何があるか……。例えば、大気中の因子を大量に消費する行動でテアライに因子の摂取をさせず、さらに中でテラフォーミングマシンを使って猛烈に薄めていく……。そうするとお腹が減って力が出ない上に存在が薄くなるから、消えちゃうと思うんだ」
「なるほどです。因子……因子を使うこと……うーん」
ここで、後ろに接続したエレベーターユニット上のジュドクがやって来て、扉を叩いた。
彼を招き入れると、開口一番。
「いやあ、凄いね!! どれだけ腕利きの人竜族が、ブレスを全開で使ってもびくともしなかったんだ! デイダラボウですら、族長が周囲一帯の因子を枯らしながらブレスぶっ放してようやく倒したんだよ。それを、良くわからない道具でやっちゃうなんて……!」
「ん!? 周囲一帯の因子を枯らす……!?」
『ウグワーッ! クリティカルな気付きを得ました! 実績・答えに結びつく一言、解除! 1500pt獲得! 実績・メーター90%、解除! 1500pt獲得!』
「それだ!! 人竜族のみんなでテアライを囲んで、一斉にブレスを使いまくるんだ! テラフォーミングマシンと合わせて、これでテアライを倒すぞ!」
◎現在のポイント:56397pt
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