第56話 災害竜テアライを確認しました! +1000pt
走り出したインビンシブル号。
人竜族の野次馬たちがわあわあと声援を送ってくれるのだ。
思ったより多いなー。
何人いるんだろう。
「集落全体で大体千人いますね」
「多い!」
人竜族の数は七百人くらいらしいんだが、それでも一人ひとりが冒険者で言えばシルバー級からゴールド級に当たるわけだから、一大戦力ではないか。
さらにこの集落の外にも人竜族はいるそうだし。
遥か西の地と南の地にいるそうだ。
こんな集落があと二つも!!
「もっとありますよ! 私はあそこで生まれ育ちましたけど、父は多くの仲間を連れて西からこっちへ旅をしてきたそうですし」
人竜族が増えすぎると、狩りをする際に競合が発生するし、その土地の獲物が枯渇してしまう危険がある。
なので集落を割って、数が少ない方が移動するんだそうだ。
「ただ、西にあった集落の一つが、災害竜デイダラボウに襲撃されて全滅したと聞いています。それが私達の集落まで来たのを、父が撃退したんです」
「やっつけたってこと?」
「はい! でも、デイダラボウは死んではいないかも知れないそうです。また出てきたら……。ミアンがやっつける事になりますね!」
「お兄さんやるう。クリカ期待しちゃう」
「うわーっ、期待の目が重い!」
姉妹からキラキラした目で見られているぞ!
そんなわけで、今は正面側の座席に俺とマキナで並び、補助席を展開してそこにクリカちゃん。
マキナの妹である彼女は、膝の上にヨルカを乗せてナデナデし続けている。
すっかり気に入ってしまった。
『ポピー』
「お、どうしたポチョ? 人竜族の人が並走してくる?」
走竜に乗って後ろを走ってくるのは、メギドアに率いられた若者たち。
そのうちの一人が飛び出てきて、インビンシブル号に並んだらしい。
「なんだろう、用事かな?」
扉を開けて顔を出してみる。
すると、二足の黄色い竜にまたがった青年がいて、手を振ってきた。
彼のツノや尻尾も黄色いなあ。
そして脚が長い気がする。
「ミアンさーん! 俺が先導しまーす!」
「あ、どうもどうもー」
いきなりそんな事を言われても、誰だ? と混乱する俺。
そこにマキナが出てきて説明してくれた。
「彼は集落一の俊足のジュドクですよ。彼のブレスは外に影響を及ぼすのではなくて、ジュドクの体を強化するんです。本気になると走竜よりも速いんですよ!」
「すごい」
「いやあ、スタミナが続きませんけどね! で、俺がテアライを発見して集落に報告した本人なんです! えーとですね! 目印をあちこちに作ってるんで、教えますから! ついてきて下さい!」
なんだかんだ、礼儀正しい人だなあ!
「ポチョ! 彼をナビゲーターに設定して後をついてって!」
『ポピー!』
『ウグワーッ! 初めてナビをしてもらいました! 実績・案内よろしくお願いします、解除! 200pt獲得!』
案内してもらっただけでもポイントになった。
山間を駆け抜けるジュドク。
その後ろを走るインビンシブル号。
おっと、道幅が狭くなってきた!
「ちょっと上を移動します! ゆっくりになりまーす!」
「? 了解です!」
ジュドクの返答をもらってから、モンキーウォークユニットに換装!
いきなりキャンピングカーが異形のシルエットになり、ジュドクが「うわーっ!!」と悲鳴を上げた。
ごめんね!
これにはクリカちゃんも大喜びで、
「すごいすごーい!! この大きいの、木登りもできるの!? うわーっ! 木の上の風景初めて見たー!!」
俺達が上に行っても、ポチョがジュドクをナビゲーターとして登録している。
なので追跡ができるのだ。
彼にはどんどん走ってもらい、こっちは樹上をのしのし歩く。
おっと、谷を飛び越えていった。
「よし、モンキーウォークユニット、ジャーンプ!!」
『ポピー!』
インビンシブル号の巨体が……飛ぶ!!
クリカちゃんがキャキャキャと喜んだ。
そして椅子から転げ落ちそうになる。
これをマキナが「あぶなーい!!」とキャッチ!
補助席は固定が甘いからね!
マキナがクリカちゃんとヨルカをまとめて抱え、膝の上に乗せた。
おお、素晴らしい安定感。
その間に、跳躍したインビンシブル号は谷を超えた!
向こう岸にある樹木をキャッチ!
わっしわっしとまた登っていく。
『ウグワーッ! 渓谷を飛び越えました! 実績・大ジャンプ解除! 500pt獲得!』
「そろそろ見えてきます! 向こうに……! リコマ山を超えた先にいます!」
ポチョがジュドクの声を拾って大きくしてくれる。
ありがたい機能だ!
どーれどれ……?
「大きい竜なんでしょ? 姿が見えないなあ」
「見えてますよー! あれですよ、あれ!」
「あれ……? 青い色をした半透明の柱みたいなのしか見えない……」
「あっ」
「ひぃっ」
マキナが驚きの声を、クリカちゃんが怯える声をあげた。
なんだなんだ!?
リコマ山の後ろに突き立った青い柱が……動いた。
その上には、低く垂れ込める雲があり。
雲の合間から巨大な顔が覗く。
でけえーっ!
あの柱、脚だ!
高さ千メートルにもなる足を持つ、信じられないほど巨大な怪物が立っていたのだ。
雲の合間に見えるのは、牙を剥き出しにした人間に近い怪物の顔。
目が四つもある。
一瞬、地上をギョロギョロと見回したかと思うと、またそれは雲の中に消えた。
「グググール! 検索!」
『災害竜テアライ。災害竜デイダラボウと同種の最大級の亜竜です。全長は二千メートルにも及び、身動ぎ一つで災厄を引き起こします。大気に満ちる因子を食べて存在しているため、山や川を崩し、地中に眠る因子を掘り起こして吸収しています』
『ウグワーッ! 災害竜テアライを確認しました! 1000pt獲得!』
うおおお!
あんなん、どうやって退治すればいいんだ!?
◎現在のポイント:57152pt
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