第49話 人竜族と接触しました! +1000pt
どうにか誘惑多き夜を乗り切った!
なぜ手出ししないのか……?
一回手を出してそういう関係になってしまうと、以後はずっとそういう関係が選択肢に入ってしまうので、活動しにくくなるからだ!
もっと色々やりまくって、満足してからにしたい……!!
と、自分に言い訳しておく。
「浮気しない限りは待ちますけどね! ミアンが浮気したら私は大変ですよ!」
マキナの大変ですよは本当に大変そうだから怖い。
というか、浮気と判断されるくらいには俺はマキナのもの判定になっているんだな……!!
朝食はご飯にした。
ベーコンエッグと海苔と醤油と味噌汁。
マキナはスプーンとフォークを使って食べている。
「この食事も味わい深いですねえ。お腹に優しい気がします!」
「丼飯がお腹に優しい系女子……」
スポーツしてる成人男性の倍くらい食べるもんな、彼女。
「ところで、午前の内に人竜族の集落につくけど、里帰りする感想は?」
「集落はいいところですよ! 変化がなくて退屈ですけど。あそこにいると、強い殿方と番わなければいけないんですけど、私の好みではなかったんですよね」
おっと、結婚関係の話が出てきたぞ。
集落では里長が結婚相手を決めて、そして子供が生まれ、里全体で育てて大きくなるというシステムを取っていたらしい。
力のある男なら、相手を選べるし、女子からも選ばれるんだとか。
「でも、本決定前に飛び出してきました! それに集落としても里の中で全部完結していると血が濃くなってしまうので、外から相手を連れてくるのは歓迎なんですよ。実力を試されますけど」
「最後に不穏な話が混じったぞー」
『ウグワーッ! 婿候補として試練に立ち向かいます! 実績・ここから始まる婿レース解除! 1000pt獲得!』
「まだ決まってないでしょ!? ってか確定事項なの!?」
マキナはニコニコしているだけでそれ以上何も教えてくれないのだ!
教えてくれ~!?
仕方ない。
俺は到着までの間、お買い物サービスを見ながら今後の動きをシミュレーションした。
妄想するのは昔から得意だったからな。
そして必要な物品をすぐ買えるようブックマーク。
確か人竜族の男は、肉体能力に優れてたんだよな。
「手を借りるぞポチョ」
『ポッピポポー!』
勇ましい返事!
では、気を取り直して人竜族の集落へコ゚ー!
森を抜けて、モンキーウォークシステムがわっしわっしと巨木を降りていく。
そうしたら下の方に角の生えた男が何人かいて、わあわあ叫んでる。
うおっ、バカでっかい剣とかバカでっかい槍と盾とかバカでっかい金槌とかバカでっかい弓を構えているぞ!
狩りゲームかよ!? というサイズだ。
あんなもんを振り回せるの、人間ではない。
マキナ同様、ツノと尻尾も生えてるし。
「あっ! 里のみんなですよ! ちょっと挨拶しますね!」
マキナがいそいそと外に出ていった。
入口から飛び出すと、装甲板に掴まりながら手を振るマキナ。
「おーい! おーい! 私でーす! 一旦帰って来ましたよー!!」
そうすると、男たちの手が止まるのだ。
「あれえ、マキナだ!」「なんであんな怪物に乗り込んでるんだ!?」「飼いならしたんじゃないか?」「流石マキナだなあ」
納得してしまったようだった。
さて、地面に降りたインビンシブル号の移動ユニットを、元の車輪に戻す。
キャンピングカーのシルエットがいきなり変わったので、人竜族の人たちは大いに驚いたようだ。
「なんだなんだ!?」「変身した!」「凄い怪物だなあ……。こんなの見たことがない」
マキナが降りていって、彼らに説明するのだ。
「これはミアンが呼び出した乗り物なんですよ! ミアンは凄いんです!」
「あのお転婆なマキナが恋する乙女の目になっている」「そのミアンというやつがマキナの心を射止めた男か!」「さぞや凄い豪傑に違いない」
嫌な勘違いをされてるぞ!!
出ていきにくくなるでしょ!
「ミアーン! 出てきて皆さんに顔を見せて上げてくださーい!」
「呼ばれてる!!」
「ポポー」
「あ、おいヨルカ! 勝手に外出たら食べられるかも知れないぞ!」
『ピピー』
「あー、ポチョも出ていったらキャンピングカー動かないでしょ」
俺も仕方なく外に出た。
すると、人竜族の皆さんと目が合う。
でかい人ばかりだなあ!
平均身長190センチあるだろ。
しかも現実世界で見たことがあるような、ヒョロっとしたモデル体型とかではない。
この長身にガッツリ筋肉を付け、実戦で鍛え上げた体を持つムッキムキの精悍な男たちが四人くらいいるのだ。
「えっ」「えっ」「えっ」「えっ」
四人がきょとんとした。
「こんにちは! ミアンです!」
俺はヤケクソで元気に挨拶する!!
なんかチャットボットが空気を呼んでか、実績を口にしない。
「あっ、こんにちは!」「こんにちはー!」「こんにちは! 挨拶が元気なのはいいな!」「こんにちは~」
おっ!
思ったよりもいい人たちじゃん。
俺がインビンシブル号から降りてくると、四人がわいわいと集まってきた。
ちょっと屈んで目線を合わせてくれるぞ。
「見た目は弱そうだが、こういうのは見た目じゃわからないんだよな」「そうそう。マキナが選んだんだぜ。それに、このでかい怪物は彼が呼び出したんだろ?」「俺達とは方向の違う強さを持ってるんだな」「なんか足元にちっちゃいのが二匹いるし」
「ポポー」
『ピポー』
カカポとポチョがトコトコ歩き回っている。
四人は、「集落の女や子供が好きそうだなあ」とか感想を呟くのだった。
「全然話が通じる人たちだった」
「そうですよ! 人竜族は生まれながらにして強大な肉体を持っていますから、他種族が私達より肉体で劣っていることは当然なんです。ですから見下しの対象にはなりません。むしろ、私達が持っていない力を持っていることを尊敬したりもするんですよ! まあ、ミアンは立場的に集落に入ってからが本番ですけど!」
「なんだなんだ!? 凄く気になる言い方するじゃん!」
「私にも、決められた結婚相手がいるんですよ! 本決定前でしたけど、私が飛び出してきたんで怒ってるんじゃないでしょうか」
「怒ってる怒ってる」「ずっとマキナを探し回ってたぞ!」「ケスタイン王国の近くまで行ったりしたらしいが、追っ払われたらしい」
自力であそこまで来たの!?
婚約者の人、凄い実力者なのでは?
「じゃあミアン、集落まで行きましょう! そしてミアンの凄さを見せつけて、里のみんなとメギドアに分かってもらうんです! ゴーゴー!」
な、な、なんだってー!!
波乱の予感しかしないぞ!!
『ウグワーッ! 人竜族と接触しました! 実績・嫁の実家に顔見せ解除! 1000pt獲得!』
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