第48話 人竜族の集落を発見しました! +1000pt
「わっしわっしと大木を掴みながら移動していく……。モンキーウォーカーセットの威力は凄い」
樹上に生息するらしい怪物で、全身が口みたいな猿みたいなやつがワーッと駆け寄ってきたのを、手の甲みたいな部分でペチペチ叩いて追っ払っている。
器用~!
『ポッピポピ』
「あー、戦闘能力がないのねこのフォーム。その代わり器用なんだ。ミニガンは? 樹上だと体勢が崩れるから空にしか撃てないのか」
「ミアンはいつも研究してるんですねえ」
「俺は肉体的には凡人未満なので、常に工夫をしていかないといけないからね。観察も頑張ってる! ええとチャットボット、もしかして……エレベーターユニットを後ろに繋げて、上にミニガンを設置して遠隔操作できたり?」
『大変いい質問ですね! できまぁす!』
「よっしゃー!」
マキナに護衛してもらいながらちょっと外に出て、装甲板の上を歩きつつ……。
インビンシブル号の後ろにエレベーターユニットを設置。
金属板の横に昆虫めいたメタル節足がついた構造で、これがキャンピングカーに接続されると、わしわし動き出す。
さらにその上にミニガンを設置!
「これで空と左右、後ろからの攻撃は完封できそうだ」
「そうですねえ! 動物って死角を狙って攻撃してきますもんね! これってそういう相手に対して反撃できる装備なわけですね?」
「そうそう。ポチョがこっちも操作してくれるから便利だね」
車内に戻ると、早速後ろから全身口の猿モンスターが近寄ってくるところだった。
バイトエイプというらしい。
本来なら、森の中を通過する相手に樹上から襲いかかり、丸呑みにしてしまう怪物なのだとか。
だけど今回は、彼らも見慣れないキャンピングカーが、樹上をわっしわっしと歩いているのでびっくりしている。
一応縄張りがあるっぽく、キイキイ威嚇しながら接近してきた。
「よし、こっちも威嚇のミニガンだ」
『ポピー!』
バラララララッ! と弾がばらまかれる。
バイトエイプの足元がミニガンでえぐられ、葉っぱが、枝が宙を舞う。
バイトエイプがウキキーッ!?と驚き、慌てて逃げ出した。
わからないものから逃げられるのは大事だぞ!
「よーし、無駄な殺生は避けた」
「いいことだと思います! この車が怖いって学習してくれれば、安全に移動できますものね。食べないし毛皮を利用しない生き物を殺すのは良くないことですから」
うんうん。
狩りの経験があるマキナも分かってらっしゃる。
『ウグワーッ! 生態系バランスを考慮しました! 実績・強者の余裕解除! 500pt獲得!』
さらに、空から襲ってくる鳥みたいなのは群れかつ敵対的だったので、何羽か落としておいた。
これで他の鳥は危険さを学習してくれるとありがたい。
というかミニガンがとにかく強い。
弾数無限大だし。
『ポピピ』
無双な活躍をして、ポチョはすっかりご満悦らしい。
いやあ、ほんとポチョのお陰で助かってるよ。
「遠くに山が見えてきてる」
「リコマ山ですね。あの山が吹き上げる溶岩とガスを求めて亜竜が集まってくるんですよ」
「そんな危ないものを求めてるのか! 亜竜ってそもそもなんだろう?」
『とてもいい質問ですね! 亜竜は星渡りの竜から剥がれ落ちた鱗や糞などから発生した生物です。星渡りの竜の、遥かに劣ったクローンと言えますね。今はそれぞれ独自の変化をしていますが、普通の生物とは違い、熱や炎と言った直接的エネルギーを吸収して蓄える習性があります。ですから、彼らを素材とした武器は因子に反応して魔法のような効果をもたらすわけです』
「なるほどー。じゃあマキナにとってはずっと昔に分かれた親戚みたいな?」
「それ、集落で言うと殿方が怒りますよー。でも、そんなもんだと思います」
ふむふむ、人竜族にも地雷があるんだな……。
その後はポチョの自動運転に任せつつ、のんびり過ごすことに……。
「お風呂しましょう! 久しぶりに一緒のお風呂!」
「な、なんですって」
旅をしてる時は三人娘でお風呂してたし、最近もデリアが家に来た時にマキナが一緒に入っておしゃべりの相手をしてたので、俺はのんびり一人風呂だったのだ。
うおお、マキナと一緒だと色々劣情みたいなものがですね。
「いいじゃないですか! 私とミアンの仲ですよ? 私の故郷を訪れて、私達の間はさらに深まるんですし、なんならここでしてしまっても、ね?」
甘い誘惑であった!
俺は頭がショートして、導かれるままにお風呂に入ることになった。
うーむ!
何度見ても凄い……凄い凄さだ。
語彙が吹っ飛んでいく。
うおお、湯船に浮いた!
「やっぱり壁画より、窓になっている方がいいですね! ミアンにお願いして変えてもらった甲斐がありました!」
「あえ? あ、ああ! そうだね!」
大浴場は、富士山の壁画があまり好評ではなかったので、外部の風景を映し出す巨大モニターにしてあるのだ。
これが窓みたいな役割を果たしているわけだね。
なるほど、空を赤く染めながら、太陽が沈みゆく樹上の光景を眺めつつ入る風呂。
最高かもしれない。
リコマ山も遠巻きに眺めるだけなら、絵になるなあ。
「あっ、見て下さい! 向こうで点々と光り始めたものがあるでしょう! あれが私の故郷です!」
「あそこか」
思ったよりも近いかも。
暗くなっていく山間の平野に、灯る文明の輝き。
人竜族の集落まではあと少しというところ。
明日の朝には到着するだろうか。
それはそうと、マキナが見せつけつつペタペタ接触してくる!
た、大変だー!
『ウグワーッ! 人竜族の集落を発見しました! 実績・車よ、あれが文明の灯だ解除! 1000pt獲得! ウグワーッ! デイリー実績イチャイチャを解除! 200pt獲得!』
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