第44話 世界は繋がれるって報告しました! +500pt
酔っ払いどもをキングサイズベッドに転がし、俺はソファでのんびり寝て……。
夜を疾走するインビンシブル号。
ポチョが一晩でやってくれました!
『ポッピー!』
「おはよう。えーっ! もうケスタイン王国の近くまで走ったの!?」
リクス・タカードからケスタイン王国まで、道無き道を走って一昼夜で到着できるんだなあ。
確か10kmくらいだもんな。
「おはようございます!! 目覚めたらデリアさんとアイラさんが横にいたので大変びっくりしましたが、ミアンはソファで寝ていたのですね!」
「マキナおはよー! あと全裸だから服着てね!」
『ウグワーッ! 元気に挨拶をしました! デイリー実績・元気な挨拶解除! 200pt獲得!』
挨拶はしまくってても減るもんじゃありませんからね。
というか、うんうん唸りながらベッドの上で身悶えている二人に対し、マキナは全く酒なんか残ってない様子で元気元気。
「人竜族は毒を分解する力がとても強いんです。人間が持っていた毒への抵抗力が、竜の力を得ることでさらに強くなっているんですよ!」
「人間由来だったんだ」
どうも昨晩のヨルカの話では、人類、という区分では絶滅しておらず、人間という区分では彼女が観測できる限りでは絶滅しているということだった。
つまり俺はラストマンなわけなんだが、どこから俺が現れたのか、ヨルカはずっと不思議そうだった。
厄災が来た時に、普通の人間はみんな死に、生き残ったのは研究されていた様々な因子と混ざりあった実験体たちだったと。
その実験体の子孫が今の人類なわけだ。
「俺に全く魔力的なものが無いというのはつまりそういうことか! 大気に満ちている因子と何ら関わりがない存在だからなあ」
『大変良い気付きですね! ちなみに当プログラムも、基本的に人間以外には扱えないようになっております!』
そうだったのかー!
「朝食が欲しいですミアン!」
「おっと、キラキラした目でマキナが見つめてくる。では本日の朝食は、焼き立てバゲットにたっぷりスクランブルエッグとサラダとカリカリベーコンを挟んだサンドイッチで……」
「うわーっ! 絶対に美味しいやつです!! ミアン大好きー!」
俺達が元気な声を上げていると、ベッドに寝転がった女子二名が「ううあああああ」「頭が割れるぅぅぅ」とか呻いているのだった。
人類、進化しても二日酔いは克服できなかったか。
正午近くにケスタイン王国へ到着。
起きてきた女子二名も素っ裸だったので、なにか服を着てもらう。
そして卵入り雑炊としじみの味噌汁を摂取してもらった。
「麦粥とは少し違うようだが……。おお、優しい味でこれなら食べられる……」
「このしょっぱいスープも染み渡ります……。なんですかこのゴロゴロした白い肉は? 不思議な味がしますが美味しいなあ」
好評好評。
ようやく人心地がついた騎士と受付嬢は、運転席から見える光景がケスタイン王国の正門だったので、
「い、いつの間にー!!」「一晩で!? 早すぎる!」
と驚くのだった。
さて、この正門だが、大変危険な外の世界と繋がっている。
そのために、三時間くらいごとにちょっとだけ覗き穴が開き、外に人がやって来ていないかを確認するのだそうだ。
それ待ちだ。
おっ、覗き穴が開いた。
そろーっと覗いた兵士らしき人が、インビンシブル号を見てビクッとする。
そりゃあ驚く。
なお、近くにシェイプシフターも来ていたが、インビンシブル号を見ると慌てて逃げていった。
うちの車の強さが共有されている!
「いかん! 早く準備せねば……! アイラも急げ! 殿下が来るぞ! あの方はとてもフットワークが軽い!」
「ええーっ!? ま、まだ頭が痛いのに……!」
慌てて正装になる二人。
マキナは普段着のまま、バナナをもぐもぐやりながらその光景を眺めている。
「立場がある人というのは大変ですねえ」
「何を言っている! お前だってこの旅から帰還した時点で、ゴールド級昇格が確実なのだぞ! ミアンはジュエル級だ。冒険者ギルド秘蔵のトップランク冒険者として登録されることになる。私人から公人のような扱いになるのだぞ!」
「ええーっ! めんどくさいです! 私は遠慮しておきます」
「俺もそうだなー」
いらん責任は持ちたくない!
こう、責任はマキナ一人分でいい。
『ウグワーッ! 背負うものを自覚しました! 実績・こちらからも距離を詰めていく解除! 1500pt獲得!』
扉が開き、デリアの予想通り王子がいた。
「よくぞ帰ってきた、冒険者ミアンよ! 旅の成果を報告してもらいたい!!」
「あっはい」
俺は車から降りて王子と正対し、状況を説明した。
説得力を持たせるために、The・探索に内蔵されている映像アプリを用いて、リクス・タカードを発見、復活させ、ケスタイン王国と繋げる事を報告。
今は、向こうのサーバーが地下を伝い、ケスタイン王国に連絡網を伸ばしているところだ。
そのうち繋がるんじゃないかな。
「な、な、なんと!! 北の地に都市があり、まだその機能が生きていたというのか!!」
王子だけではなく、その場に集まった人々全員が驚く。
なんだなんだ!?
「これまではな、人は南方にしか生きていないと言われていたのだ。それが北方には人はおらずとも、まだ生きている都市があったと言う事実が判明した。常識を覆す一大事だということだ。私の手柄にしていいか?」
デリアが説明した後、なんか手柄を欲しそうな事を口走るのだった。
うんうん、それでいいよ。
「冒険者ミアンよ! よくぞやってくれた! 新たな都市の発見は、我ら人類の生息域を広げることに繋がる! より多くの民が暮らせるようになり、ケスタイン王国はさらに強く豊かになるであろう! 後に感謝状を送るので待っているように」
それだけ告げて、王子はシュンッと消えた。
あっ、立体映像!?
「殿下はああやってあらゆる場所に即座に現れるのだ」
「ははあ、なるほど」
『ケスタイン王国の王族は人類ではありません。この都市で稼働している都市管理AIです。先代のAIが稼働限界を迎えたので、新たなAIとして彼が機能しているのです』
「本当に立体映像だった!!」
なお、ケスタイン王国における王族と貴族は、全て人間ではなくコンピューターであるとのこと。
それが長い時間を経て自我を持ち、人のような挙動を行うようになったそうなのだ。
驚きの事実!
『そして忘れていましたが……。ウグワーッ! 世界は繋がれるって報告しました! 実績・新たな展開を迎える世界解除! 500pt獲得です!』
「ポイントやすぅーい!!」
『特にあなたの人生には大きな影響がありませんので』
なんて恣意的なポイントシステムなんだ!
◎現在のポイント:39002pt
貢献ポイント :75855ポイント(重大な連絡による褒章ポイント)
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