第34話 外での狩りを成功させました! +1000pt
インビンシブル号が出た後で、ゴーレムが何体もわらわら出てきて、ワーッと扉を閉じる。
その途中で、入ってこようとする怪物みたいなのを、ゴーレムが棒でペチペチ叩いて追い返していた。
「ドワーフたちから買い上げたっぽいゴーレム、大活躍してるじゃん」
「うむ、あれで門を開ける安全性が高まった。裏門は比較的安全なのだが、森に面しているからな……。どうしても集団で外に出ようとすると正門になり、そこは開けているから怪物どもが集まっている。だからこそ、お前が成した物作りドワーフたちとの和解は大きな成果だったな。国はこれを高く評価している」
「なるほど……! 世の中はなんでも繋がっているんだなあ」
『ウグワーッ! 世の理をちょっと理解しました! 実績・人生ピタゴ◯スイッチ解除! 1000pt獲得!』
俺がちょっと世の中のことを知っただけで、ポイントプログラムが甘やかしてくる。
なお、このインビンシブル号も平穏無事ではない。
ケスタイン王国を出て、眼の前には獣道くらいしかない草原が広がっている。
そこここに、裸の虎みたいなでっかい怪物がいてこっちを睨んでいるのだ。
「あれはなんだろう。さっきポチョがミンチにしたけど」
「あれは人里の近くに生息する恐ろしいモンスターだ。シェイプシフターと言ってな。人間に化けて人里に入り込み、人を食う」
「ひえーっ」
「まあ頭の中まではコピーできないので話せばすぐ分かるが」
どうりで、門が開いた瞬間に飛び込んでこようとしたわけだ。
あいつにとって、人間の都市は食べ放題のビュッフェなんだな。
「怖いから一掃しとこう。ポチョー」
『ピポポー!』
運転席に設置されたポチョが、勇ましく返事をする。
ミニガンが動いて、バラララララララララッ!と弾をばらまき、
「ウグワーッ!?」「ウグワーッ!?」「ウグワーッ!?」
シェイプシフターたちをミンチにしたのだった。
これで安全、安心。
しかし、人間と同じ声で悲鳴をあげるなあ。
怖い怖い。
「ミアーン! アイラさんがトイレに行きたいそうです!」
「ちょ、ちょっとマキナさん!! デリカシィィィィ」
アイラがもじもじしているではないか。
インビンシブル号のトイレに案内してあげるのもいいのだが、ここは最高のトイレ体験をプレゼントしたい。
そして緊張をほぐしたい。
「ちょっと待っててね。基本トイレを、ストレージの高級タンクレストイレと置換! よいしょーっ!!」
一瞬で空間が拡張され、基本のトイレが自宅に設置していたトイレに入れ替わった。
「ま、ま、また眼の前で凄まじいことが起きてるしーっ!! ミアンさん、あなたさらに腕を上げてるんじゃないの!? あ、あ、漏れるぅ」
「じゃあ私が使い方を教えますんで、まずは用を足してきて下さい。外から大きな声で指示しますから」
「トイレの外から大きな声出すのやめて~!」
なんとも不可思議な女子の人間関係よ。
『ウグワーッ! おもてなしの心を発揮しました! 実績・我がトイレを見よ解除! 500pt獲得!』
「実績の名前おかしくない? よし、この隙に、シャワールームも大浴場にしちゃおう。おりゃーっ!」
シャワールームの空間が拡張され、銭湯風の巨大な浴場になった。
これでよし。
すぐにデリアが駆け寄ってきて、
「むおおおお! この自動馬車の中でもあの風呂に入れるのか!? ああ、ついてきて良かった……!! 本当に良かった……!」
なんか感動しているのだ。
お風呂大好きハーフエルフ過ぎる。
「いいですかアイラさん! 横のボタンを押すんです! 押さないと自動的にお尻とかを噴水が洗ってきますから! あと音楽はサービスなんで! 風が吹いて乾かして来ますけどびっくりしないで下さい!!」
マキナの声が大きいなあ!
まるで我が家にいるみたいだ。
全く旅立った気がしない。
『ポピッピー』
「おっと、ポチョが呼んでる!」
運転席に戻った。
ここは、本来ドライバーが座るところが機械仕掛けのスタンドになっており、そこにポチョが設置されている。
彼と接続して、キャンピングカーインビンシブル号は自在に動き回るわけだ。
それとは別に、助手席がある。
そこに腰掛けて、風景を楽しめるようになっているわけだ。
「どうしたの? あっ、なんか草原の一部がまるごと起き上がって襲いかかってくる! 擬態してた怪物だったのか!」
『ポッピー!』
だが、これは装甲化されたインビンシブル号が体当たりにより突破。
草原を背中に生やしていたのは、巨大なカニみたいな怪物だったのだが……インビンシブル号のアタックでひっくり返り、足をジタバタさせて泡を吹いている。
「壁の外の世界、あまりにも魔境過ぎる。……待てよ。カニ……? グググールで検索だ。あれは美味しい?」
『ジャイアント・グラスクラブ。平時は土の中に潜み、近くを獲物が通りかかるのを待ち伏せます。肉食のカニであり、その甲羅は凸凹が多くて土が大量にまとわりつき、そこから草が生えています。肉は濃厚な旨味があり、大変美味です。必ず火を通して食べて下さい』
「美味しいらしい」
「美味しいんですか!?」
マキナが飛んできた。
「あのカニ美味しいって。狩ろう」
「狩りましょう! ショット薙刀貸して下さい!」
「はいどうぞ」
ということで、俺とマキナで狩りに出てくる。
グラスクラブが起き上がる前に、俺が音波砲で大きな音をぶつける!
びっくりしたグラスクラブが、一瞬気絶した。
そこにマキナが飛びかかり、飛び出した眼と眼の間を薙刀で叩き割る!
あそこにグラスクラブの脳があるらしい。
すぐにカニは動かなくなった。
大きさにして、甲羅だけで縦横2メートル。
足を広げると6メートルくらいある化け物カニなのだ。
つまり、食べるところがたくさんある。
マキナがホクホクしながらカニを解体して、俺がこれをストレージに放り込む。
ストレージに収まっている限り、腐敗はしないのだ。
よーし、今夜はカニだぞ!!
『ウグワーッ! 外の世界での狩りを成功させました! 実績・今日の糧を得る解除! 1000pt獲得!』
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