第31話 キャンピングカーを買いました! +5000pt
「壁の外へ行きたいな。そろそろキャンピングカーをゲットすべきではないだろうか」
「ついに旅立つんですか!? 楽しみです!」
俺の決断に、マキナが大いに喜ぶ。
ヨルカもカカポモードのまま「ポッポー」と羽を広げた。
あれは頭カカポのままだから、何も分かってないな……。
一応、国に連絡を取っておこう。
まさかケスタイン王国の門を正面突破して行くわけにはいかないからね。
きちんと段取りを踏んで、みんなから祝福されながら旅立ちたい!
まずは冒険者ギルドに行き、外にちょっと出ていく用事があると伝える。
「な、な、なんですってーっ!?」
受付嬢のアイラが、椅子に座ったまま飛び上がった。
器用なことをするなあ!
あまりに驚きすぎて、緑の髪の毛の中からポーンと蕾が出てきた。
ドライアドは幸福を感じると髪に花が咲くっぽい。
これは蕾だからまだびっくりしただけだ。
ギルドの偉い人もやって来て、どうしたこうした、と話し合いが始まる。
「我々としては、国内で仕事をしてもらわねば困る。それに壁の外はとても危険だ。ミアン、君はまだブロンズ級冒険者なのだから、外に行くのは自殺行為だぞ。きちんとやれるという証明をしてもらいたいものだ」
そんな事を言われてしまった。
なるほど納得。
「分かりました。ちょっと見てて下さい。おーい、マキナ!」
「はーい!」
「キャンピングカーを買うので、一緒に選ぼう。予算は……20000pt!!」
これまでで最大の買い物だぞ!!
俺とマキナが顔を寄せ合って、なにか虚空を見始めたので、ギルドの人々が首を傾げている。
「あっ、魔法のようなもんです。ええと……居住性も大事だけど、今回は堅牢さで選ぼうか。あー、これはカスタムできるんだ? じゃあ後から居住性を追加するとして、まずは基本の基本で……」
「中にお風呂もトイレも移動できるんですよね? 私は広いのもいいですけど、実は狭いのも好きなんです。このカワイイのはどうですか?」
「あー、それだとデリアが乗り込めなくなる……」
「あっ、そう言えばあの人も来るんでしたね。じゃあこれとか」
「おっ、半二階建てのマイクロバスタイプ! いいね、これにしようか」
決定!
本体は15000ptに、ここに2000ptで装甲オプションと3000ptでミニガンオプションを付ける。
このお買い物サービス、ミニガンが好きだなあ。
「では外の通りにキャンピングカーを出しますんで、みんなスペースを空けて下さい」
野次馬をしていた冒険者たちが、なんだなんだと通りのスペースを空けてくれる。
道行く人々も、なんだろう、と覗き込む。
「よーし、これくらいのスペースがあれば大丈夫でしょ。購入!!」
購入決定ボタンを押す!
「おいおい、何が起こるってんだ? あっ! あいつじゃねえか!」
我が家に押しかけてきたシルバー級パーティだ。
彼らの前の何も無い空間に……。
突如、マイクロバスタイプのキャンピングカーが出現する!
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「うわーっ!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
その場にいる全員が驚愕した!
ギルドの人たちも、通行人も!
冒険者も、シルバー級パーティも腰を抜かさんばかりに驚く!
「な、な、何の前触れもなく大きな構造物が出現した!!」
「何が起きたんだってばよ……!!」
「これが……これがあの男の能力だと言うのか……!?」
『ウグワーッ! キャンピングカーを買いました! 実績・ここより始まる解除! 5000pt獲得! 外の世界へ向かう準備ができました。新たな世界でポイントを稼ぎ、人生を切り開きましょう!』
『ウグワーッ! みんなをビックリさせました! 実績・サプラーイズ!解除! 200pt獲得!』
「中に入りましょうミアン! 私、なんだかワクワクします!」
「俺もだよー! どれどれー?」
二人とポチョとヨルカで、キャンピングカーに入ってみる。
マイクロバスサイズというのは、実はかなり広い。
眼の前にはリビングがあり、キッチンがあり。左手には運転席、右奥にはシャワールームとトイレと寝室だ。ここはオプションによって、我が家にあるお風呂とトイレに置き換えができる。その場合は空間が歪み、やたら広い風呂場と上質なトイレが設置されるわけだ。
で、寝室は底面側とロフトタイプの二つ。
デリアはパイプベッドでも設置して、底面に送り込めばいいだろう。
今は装甲もミニガンも取り付けていないから、比較的穏健な見た目。
これをオプションで武装させたらどんなことになってしまうのか……。
今から楽しみなのだ。
「おーい、ミアンくん!! ちょっと……ちょっと待ってくれ!! わ、我々は判断できない! 今は何も判断できない!!」
冒険者ギルドの偉い人が、窓の外で両手を振り回しているではないか。
大混乱に陥るのも仕方ない。
このサイズの置き配は常識外だろうからね。
「ポッポー」
ヨルカがトコトコ歩いていき、リビングのソファーの上でストンと腰を下ろした。
カカポのオブジェみたいに安定した座りだな。
こうして俺達は冒険者ギルドの対応を待つことになるのだった。
「多分、ここでギルドから国に連絡が行くだろ? そうしたらデリアが出てくると思う。みんながちゃんと、俺達の出国を認めてくれるまで待とう」
「そうですね! でも、もし認めてくれなかったら?」
「壁を強行突破して外に出るしかないなあ。そうなったらもう、ケスタイン王国には戻ってこれなくなるけど」
「私はそれでもいいですねー。最近、この国も少し好きになってきたところですけれども」
「ね。俺はポイントが溜まる、波乱万丈の世界ならどこでもいいし……」
ギルドや国が、賢明な判断をしてくれることを望むばかりだ!
俺は外に出ると、キャンピングカーをストレージにしまった。
ヨルカが放り出されて、地面にコロンと転がっている。
巨大な構造物が突然消えたので、これにも人々が「うわーっ!!」と驚く。
まるで目の前で大魔法が使われたみたいな反応するじゃないか!
『ウグワーッ! 新たな評判を得ました! 実績・謎の召喚術師を解除! 500pt獲得!』
「誰も何も言ってないのに称号みたいなのが増えた!! そうか、外部からは俺の評判はそうなっていくわけね……」
◎現在のポイント:10380pt
貢献ポイント :3055ポイント
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