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第20話 これからの計画を立てました! +1000pt

「いかんいかん……仕事中なのだった……。お前の様子を見てから、移民管理局に報告すれば仕事は終わるから、まあ仕事の締めと言っていいのだが……」


 肩まで湯船に浸かりつつ、ぶつぶつ言う騎士デリアなのだった。

 浮いている……。

 すごい。


「人間の世界はそういう良くわからない仕事がたくさんあるんですね。私にはとても無理ですよ。仕事というのはもっと自分がやってることの成果がしっかり見えないとですね」


「私はハーフエルフだがな。それによく分からないのは人竜族の里が原始的なシステムで動いているからだろう」


「原始的とはなんですか」


「つまりだな。人間社会は複雑なシステムが出来上がってしまっていて、自分が行ったことで何が発生しているのかが全く分からないようになっているのだ……。私もできることなら仕事したくない。人竜族は違うのだろう? 己が成した事でどう貢献できるかが分かりやすい」


「ああ、確かにそうですねえ。私もこちらに来て、貢献ポイントというのを聞いて驚きました」


 あーっ。

 気付いたら二人の美女が、俺を挟み込むような体勢になっているではないか!


 左手のデリア、右手にはマキナ!

 マキナは特に、体も大きいので大きいものも大きい。

 うおおおおおお、なんという状況なのだ!


『ウグワーッ! 女の子たちに囲まれました! 実績・もしかしてハーレム?解除! 1500pt獲得!』


「ハーレムじゃねえよ! でもポイント凄いな!? うわあーっ、精神的健康に悪い。いや、いいんだけど悪い」


 俺は湯船の中でもじもじした。

 そろそろのぼせそうなので、勇気を振り絞って立ち上がる!

 股間はどうにか隠す……いや、隠しきれないが隠す。

 気合で。


「ほう。お前、私の裸を見て……そうかそうか……フフフ」


「何を言ってるんですか。ミアンは私を見て興奮したに決まっています」


 やめてくれーっ。

 恐ろしい女子たちだ……。

 俺は洗い場で息を整えつつ、心を落ち着ける。


「それでだな。私が来た理由だが、私は移民管理局所属の騎士だ。そこに、昨日担当したお前が大いに活躍したという情報が回ってきた。しかも、おかしな力を使うそうではないか」


「は、はあ。ポイントプログラムですね」


「名は知らんが、一見頼りないお前が、たった二日で移民認定されるに至った理由が分かった。いわゆる異能と呼ばれるものだ。そこで、お前の監視任務を私が請け負ったというわけだ」


「はあ……監視……?」


「そうだ。個人への監視は私のプライベートが少なくなるので、あまりいい仕事ではないのだが……。このような風呂があるならば話は別だ! こうやってたまに来るから風呂に入らせるようにな」


 デリアはそれだけ言うと、存分に風呂を堪能し、鼻歌交じりに帰っていったのだった。


「なんという人なんでしょう! 私とミアンの間にドカドカ入ってくるなんて、失礼千万です!」


 プリプリ怒るマキナだが、ぷくっと頬を膨らませる怒り方がかわいい。


『ポピー』


 ポチョが歩み寄ってきて、着替え中のマキナの足をぺちぺちした。

 これは怒りを鎮め給えーとか言ってるな。


「大丈夫ですよー。もう怒ってませんよー」


 マキナがポチョを抱き上げて、ほっぺをすりすりしているようだ。

 彼女の裸を見ないように背中を向けているから見えないんだが。


「着替え終わった?」


「終わりました! このパジャマっていう服、ゆったりしていていいですね。でも私、別に裸のままでもいいのですが」


「俺が大変困るので、着ていて下さい……」


 振り返ると、ピンクのゆったりしたパジャマ姿のマキナ。

 ちゃんと尻尾用の穴が空いたやつだ。


「えー、では、今後の計画を立てたいと思います」


 ここで俺は改まり、これからやっていくことについてマキナに話すことにした。

 色々な施設を家に加えていくが、ここに定住する気は無いということ。

 ポイントをより稼ぎ、旅を行う予定であるということ。


「まず、俺は今はアイアン級だけど、暫定でブロンズ級にはしてもらえそう。そうすると受けられる仕事の種類が増える。そうなるとよりポイントを稼げるようになる。つまり……俺がランクアップすることで旅立ちが近づくんだ」


「なるほどです! まだ冒険者としては始まってもいないのに、ミアンはそのポイントとか言うものをたくさん得ていますもんね。もっともっとポイントが手に入ったら、どうなるんですか? 今だってこんなに凄いのに!」


「うん、もっと凄いものが買える! でも今日はひとまず……トイレとお風呂に壁を作っておこうね……」


 屋内が湯気で大変なことにー!

 窓と扉を開けて蒸気を逃がしつつ、壁を購入した。


 これでトイレと浴室が完成だ。


『ウグワーッ! 部屋を作りました! 実績・自宅デザイン始めました解除! 1000pt獲得!』


「いちいちポイントが多いな……!?」


『それはそれぞれの実績が、人生において重要な選択を行ったことや、出来事に相当するからです!』


 チャットボットからのアドバイス!

 なるほど……。

 じゃああの風呂のハーレム状態は、人生にとって重要な出来事だったのか。

 本当~?


「ということで、明日からは一緒に行動しよう! まず仕事を受けてみて、俺が早くランクアップできるように頑張るということでひとつ……」


「やりましょうやりましょう! うーん、私、ミアンと一緒に冒険とやらができるの、楽しみです!」


『ポピピ!』


 ぴょんぴょん飛び跳ねるマキナ。

 ツノが天井にガンガンぶつかって、削れていってる!

 で、マキナのマネをしてポチョも跳ねる。


 落ち着きたまえ、落ち着きたまえ!


 その後俺は、大きなベッドを購入。

 そんな凄くいいものでなくていいだろう。

 俺のベッドに対する期待値は極めて低くなってるから、標準タイプでも天国の寝心地だぞ。

 今夜は寝ることにするのだった。


「ミアン、やっぱり裸の方が寝やすい気がするんですけど」


「だめーっ! 俺の精神的健康に悪い……! あと人竜族はお腹冷やしたりしないの?」


「お腹を冷やすって良くわからない概念ですねえ」


 異種族は身体構造が違うのだなあ。

 とにかく!

 まだ友人関係なんだから、そこは一線引かせてもらいたい。


 さあ、明日から心機一転、頑張るぞ。


『ウグワーッ! これからの計画を立てました! 実績・人生設計第一歩目解除! 1000pt獲得!』


◎現在のポイント:16296pt

 貢献ポイント :655ポイント


お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
いや、ハーレム状態は人生にとって重要な状態だろうw
独占欲つよめのマキナさんかわいい でもデリアと一度勝負したらあっさり認めあって二人で包囲網形成しそうでもあるw 「もしかして?」で実績解除されたら次の実績は「やっぱり」か「夢じゃない!」かな?
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