第137話 大地母神像マキナが完成しました! +5000pt
「あっ、なんか像を作っている!!」
「はい! この辺りの町の設計は同じ形を連続させるので、あとはカノンとサーラに任せることになるんですよ。で、僕が暇になるので設計で遊びを入れようと……!」
「……にしてはでかいな。噴水と並ぶ、この都市の中心になるものではないか。何をモデルにしてるんだ……?」
「私です!」
「あっ、マキナ!」
マキナが椅子に座って、モデルをやっているのだった。
お腹はもうかなり大きくて、いつ生まれてもおかしくない。
あの大柄なマキナをして大きなお腹とは!
我が子はかなりデカそうだ。
「大事な体なんだから無理しないでな」
「大丈夫ですよー。座ってのんびりしているだけでいいんですから」
「そう? 大丈夫ならいいんだ。何かあったら言ってくれよ。すぐに駆けつけるからな」
「はい! 頼りにしてます!」
マキナの横の空中に、まさに彼女をモデルとした巨大な女性の像が生まれつつあるのだった。
豪奢な椅子に腰掛けた、お腹の大きな女性の像だ。
「ありがとうございます! これでラフ終わりです! あとは清書していきます!」
「もういいの? うふふ、完成楽しみにしてますね」
「は、はいー!」
なんかアベル、マキナに微笑みかけられてガチガチになっているではないか。
マキナは俺の奥さんだからな?
惚れるなよ?
「で、これはなんなんだ?」
「大地母神の像です。今までは僕のオリジナルの美少女キャラ、女神ちゃんを描いてたんですが……」
「一日中設計し続けているのに、暇な時間にお絵かきしてたのか。すげえなあ……」
「ミアン師匠の周りの女性達を見るに、お姉さん気質の方が多いじゃないですか! 僕の中の性癖がメリメリと音を立てて曲がっていき……母性を持ったヒロインを作る方向に……」
「おお、一人の男の性癖が変化してしまった」
歪んだとは言うまい。
お姉さんタイプの女性はいいものだぞ。
マキナなんか俺より年下だが、お姉さんタイプだからな。
緻密な設計は夜まで続き、途中でアベルがぶっ倒れたので風呂に放り込んだ。
こいつをテントに運んだのだが、テントの中にアベルの落書きした女神ちゃんの絵が大量にあるではないか!
どことなくマキナに似た、金髪でポニーテールで頭身の低い女の子だ。
ふうーむ。
これはどこかに活かせないものか……。
『女神ですか! そう言えばかつて、私もこの世界ではそう呼ばれることもありましたね! 人類があまりにもアホアホになりすぎたのでちょっと見放していたら滅びてしまって』
「チャットボット! あんた女神だったのか!!」
今明かされる事実!!
よく考えたら、この世界、ファールディアが乗ったユグドラシルの枝の一つなのだ。
神様であることは自然と言えよう。
『この世界では神という概念は完全に失われました。似たようなものはありますが、それはこの世界を滅ぼした災厄、マロングラーセを荒御魂として祀るものですね。まあ、私は全然構わないんですが!』
「なるほどなあ……」
『ウグワーッ! 真実の一つを知りましたね? とりあえず2000ptあげます!』
「こりゃどうも。……ってことは、もしかするとマキナ像が完成すると、マキナの姿が女神として語り伝えられる可能性があるってことか」
『ありえますね! 楽しみですねー!』
それはそれとして、チャットボット用に動き回れる女神ちゃんボディを作ってやってもいいだろう。
なんだかんだで世話になっているからなあ。
そして、アベルがデザインする大地母神の像は俺が作るつもりだ。
マキナへのプレゼントというやつだな。
翌日。
アベルはデザインをやりきった後、またぶっ倒れた。
よくやった。
あとは俺の仕事だ。
「異次元造形師に仕事を依頼! おいでませ!」
真夜中の新都市に、光り輝く何者かが出現した。
『ご依頼を賜りただいま見参。造形の魔王クリームフレンである』
「迅速! 実はお願いしたい造形がありまして」
『うむ。報酬のポイントは既に受け取っている。これか。なるほど……素晴らしき曲線美なり』
クリームフレンを名乗る何者かは、半分が光、半分が闇で形作られた視認できない存在だった。
だが、にやりと笑ったのが分かる。
『報酬にしては多すぎる。貴様のこの対象への愛情というわけか。良かろう。造形の魔王がこの腕を振るおう……!!』
光と闇の腕が持ち上がる。
あらかじめ、その場には俺が像を作るための資材を積み上げておいた。
これをクリームフレンが超能力的なもので浮かび上がらせ……。
『はーッ!!』
空中の資材が次々、大地母神像の設計図に重なるように降り注ぐ!
破砕され、溶け崩れ、融合し、隆起し、持ち上がっていく。
恐らく、このクリームフレンという人物が、ポイントプログラムで呼べる造形師の中で頂点と言える存在なのだろう。
そんな彼が、夜明けまで掛かった。
デイブレイクの輝きが背後から昇ってきた時、像の姿がはっきりと見えた。
白磁の肌が輝く。
そこには、見上げるほど大きな大地母神が微笑みをたたえながら、お腹の中に宿る命をを見つめている姿があった。
『うむ……良い仕事をした。貴様が払ったポイントを用い、エターナルコートを施しておいた』
「エターナルコートってなんですか」
『世界が破壊されるほどの衝撃が無ければ、傷つくことも劣化することもない呪いである。視点を変えれば祝福とも言えよう』
「いやあ、ありがとうございます! 素晴らしい仕事でした! 本当に感謝感激ですよ。あ、これチップです」
『追加でのポイント、ありがたく受け取ろう。ではさらばだ』
空間に解けるように、クリームフレンは消えていった。
凄い造形家がいるものだ。
いつもの工務店の人達とは毛色が違うが、彼らが実務の存在ならクリームフレンは趣味の存在だからな……。
『おっ、できてますねー! よくあのクリームフレンがホイホイ言う事聞いてくれましたね? ともあれ……ウグワーッ! 大地母神像マキナが完成しました! 実績・新たなる女神のアイコンが誕生した、解除! +5000pt獲得! しかしポイント使いましたねー』
「いやあ、使い所だろここ」
徹夜でクリームフレンの仕事を眺めてしまった。
だが、いいものができたという満足感が凄い。
さて、そろそろ寝るとするか……。
「たいへーん!!」
そこに!
クリカちゃんが走ってくる!
寝起きで頭がボサボサだが、そんなこと構ってられないとでも言いたげだ。
「どうしたのクリカちゃん」
「お兄さーん!! お姉が! お姉が! 赤ちゃん生まれるー!!」
「なななななななな、なんだってーっ!!」
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