第136話 ミアンタワーをみんなに見せました! +1500pt
道路を作るために来た作業員たちが、うちの弟子たちの働きを見て目を丸くしている。
「な……なんだいありゃあ」「おかしなものに乗っかって、バリバリ音を立てて地面を掘り返してる!」「何も無いとこに光で絵を描いとるぞ」「絵と合うように建材が組み合わされて、あっという間に公園ができていく……」
まあ、割と時間は掛かっているんだが、現実の作業スピードと比べるとおよそ数十倍。
今日一日で、中央公園は完成してしまうことだろう。
我が弟子たち、過集中のクセがあるらしく、命を削って仕事に邁進する。
俺が夕方に無理やり止めねばいかんな。
「ぷう! 花畑、こんなもんかなー」
クリカちゃんが納得できるところまで作業を終えたようだ。
割と広めな花壇に、しっかりと種を植えたね。
『ウグワーッ! 種植え終了です! 実績・種植えっていうとなんか別のも想像しますよね、解除! 500pt獲得!』
おい変な想像するなチャットボット。
「クリカちゃんいい仕事するなー」
「お兄さんありがとー! むふふ、今からお花が咲くのが楽しみだなー」
「騎士爵が尻尾のついた女の子と仲良くしてる」「親子かな?」「微笑ましい」
「お! く! さ! ん! ですぅーっ!!」
クリカちゃんが怒った!
まあね、見た目的にはそれくらい年齢差があるからね。
本当にこの子、四年でマキナくらいのボンキュッボンになるのかな……?
今はどこに出しても恥ずかしくないちびっこ女子だが……。
「お兄さんあのねー。クリカって学校でも超モテるんだけど」
「へー、そうなんだ! クリカちゃんかわいいもんねえ」
「でしょぉー? クリカったらたくさんの男子の心をもてあそぶ小悪魔かもー!」
「学校の男の子たちが大変だー!」
俺が驚いてみせると、クリカちゃんがキャキャキャとはしゃいだ。
これを作業員たちがほっこりしながら眺めているのである。
可愛い盛りのお嬢さんですなあ、くらいに思われてるな?
クリカちゃんには言わんとこう。
さて、弟子たちは見事に夕方までに公園を完成させた。
でかい公園だ。
中央に噴水があり、真っ白なタイルで囲まれている。
花壇があるが、ここは今のところ土が敷き詰められているだけ。
遊具があるタイプの公園ではなく、欧州で人が集まるようなそんな公園だね。
なお、この噴水から吹き出る水は亜空間から取り出されており、亜空間に流れ込んでいっている。
俺がいつも使ってる風呂やトイレと一緒だ。
トイレに関しては、貴重な資源を消滅させていっている可能性があるな。
あれは再生可能なシステムに繋ぎたいなーと思っているところ。
「はいはい。お休みする時間ですよー。降りて降りてー」
マキナがのしのし出てきて、三人の弟子を機械からひっぺがしていく。
彼らはポテンと地面に落ちた後、よろよろと風呂に向かっていくのだ。
風呂上がりに飯を食ったらしっかり寝るんだぞ!
「騎士爵が新たに開発している街では、とんでもない作業が行われていた」「こりゃ、地元に戻ったら噂を伝えねば」「たった三人で街を作ってるのか?」「とんでもないな」「しかも見ろよ、あのバカでかい塔を!」
『ウグワーッ! ミアンタワーをみんなに見せました! 実績・見なよ俺の塔を、解除! 1500pt獲得!』
なんか勘違いさせるような実績名ばっかりじゃない?
作業員たちはわいわいと盛り上がりながら、通路街に出ていくのだった。
きっと、通路街で宿を取り、今夜は酒盛りでもするのだろう。
それくらい貢献ポイントを払ったからな。
ドロドロになって、男も女も関係なく風呂に入り、ちょっと復活して上がってきて、俺の用意したエネルギーフードをガツガツ喰らい、歯磨きをしてからテントに潜り込む弟子たち。
うーむ!
シンプルライフ!
「ううう、私が仕事ばかりしていた頃を思い出して胸が苦しい」
「デリアが本当に辛そうじゃん。じゃあ今日は通路街に繰り出して飲み食いするか」
そういうことになった。
マキナとデリアとヨルカとアイラとクリカちゃん、それにポチョとビナスを連れて、通路街の屋台を冷やかすことにした。
『ウグワーッ! 家族の時間を楽しみます! ウィークリー実績・家族でのひとときって特別ですよね、解除! 1000pt獲得!』
弟子たちを誘ってもいいのだが、あいつらはこういう人間が多い場所が苦手なのだ。
己の能力を十二分に発揮できる仕事に、ひたすら邁進する彼ら。
テントでぶっ倒れている顔は実に満足げであったのを思い出す。
「子供が生まれるまで、お酒は控えないとですねえ……。まあ私、お酒なしでも全然大丈夫なんですが」
「私は正直物足りんが……! 我慢する……! くうー、己の中にもう一つの命があると、色々自由が縛られるのだな……。だが、自室で寝ていても一人という気がしない。不思議なものだ」
「ほほー」
「ふーん」
ヨルカとアイラが、デリアの独白に耳をそばだてているのだ。
「なんかこう……面白そうじゃな」
「面白い面白くないで子供を作ります? 私はもうちょっとお酒を楽しみたいんで、後にしますねー」
冒険者ギルドを退職した解放感からか、アイラがカパカパ酒杯を干している。
一時間もすると、真っ赤になって俺に絡んできた。
「んもー、ミアンさんはれすねー。女心というものがあー、わかってないんれすよー。私らって、女としてー! 言いたいことがー! えーっと! なんらっけー! あはははは!」
「アイラがふにゃふにゃになってしまった」
「こいつ酒癖が悪かったんだな。食べ終わったし、酒も飲めないし、私がこいつを運んでいこう」
「デリア頼む~」
デリアはアイラに肩を貸して、ミアンタワーに戻って行ったのだった。
クリカちゃんはマキナと並んで、もりもりと料理を食べている。
肉肉、野菜、パン肉野菜。
なんでも食べる!
「クリカはびゃーっと大きくなって、早くお兄さんの奥さんになるんだからね!」
「もうちょっと子供の時代を楽しんでも良くない?」
「よくないのー!」
さいですか。
このやり取りを見て、マキナが妙に嬉しそうなのだった。
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