第127話 セダインを後にしました! +1500pt
魔将ラングラッド、散る!!
セダイン帝国の人々は、ラングラッドに操られていたわけではない。
なんかすごい力を見せつけられて、そしてラングラッドのすごいプレゼンを見せつけられ、純朴だった人々が熱に当てられてしまった形なのだ。
遠くで、皇帝がラングラッドの死を見て腰を抜かしている。
「あー、皇帝。我々は旅の一団だが魔将ラングラッドは討ち取った。もはやセダインはケスタイン王国に勝てない。因子暴走弾も俺が持っている」
プラスチックの弾を見せると、皇帝と護衛たちがざわついた。
明らかに恐怖している。
「ということで、我々は去る! もしケスタイン王国に攻めてきたらこんなもんじゃないからな! 兵力としてやって来た男たちが全滅して、セダイン帝国はまともに食糧生産も出来なくなるからな?」
皇帝が青い顔で頷いた。
よし、分かってもらえたことだろう。
「ではみんな、撤収~!」
俺の宣言に、みんながうおーっと応えた。
城門に向かう途中で、密偵、魔道士、司教、吟遊詩人が合流する。
ウイレアと双子、水棲種の彼女も一緒で、これで勢揃い。
最後にフェーリアとアイラがやって来た。
「さて、これから帰還するわけですが」
俺は仲間たちを見回す。
城門は俺達を恐れて、ガバーッと開いているのだ。
外から中を伺っている怪物たちは、ビナスがトコトコ歩いていってグワーッと大きくなって威嚇している。
開けっ放しでもこの国に悪いから、一旦外に出て相談しよう。
「人数が増えてしまって、帰るのも大変になった。どうしよう」
「ああ、それなら大丈夫です」
戦士長が微笑んだ。
「こうなるだろうなと思って、ミアンさんの奥様に一声掛けておいたんですよ」
「な、なんだってー!」
噂をしたら影が差す。
向こうから、インビンシブル号のあげる土煙が見えてきた。
おお、今まで出したことがない速度で爆走してくる!
「ミアーン!!」
車の上にマキナがいて、両手を振っている。
「おにいさーん!!」
クリカちゃんまでいる!!
勢揃いで迎えに来てしまったではないか。
これを見て、アイラがすっかり安心したらしく、へなへな腰砕けになった。
「ああ~、き、緊張が一気に抜けて……。もう安心だあ……」
あくまで日常の人であったアイラ、ずっと気を張って頑張ったのである。
今夜はお肉パーティーしてあげるからな。
なお、インビンシブル号がこんな速度で走ってこれた理由は、今まで装着していた装甲部分をパージしたからなのだ。
本来の速度なら、半日でケスタイン~セダイン間を駆け抜けるわけだ。
マキナが、クリカちゃんを背中にくっつけたままぴょーんとジャンプ。
着地して、俺に向かって駆け寄ってきた。
「ミアン、無事でしたかー!」
「無事だぞー!」
「よかったー!!」
むぎゅーっと抱きしめられた。
愛を感じる~!
インビンシブル号からは、デリアとヨルカがヒョコッと顔を出す。
「随分大人数で任務をこなしたんだな……」
「客車を引っ張ってきて正解じゃったのう!」
こうして、大人数で帰る算段はついたのだった。
小型キャンピングカーも取り出し、これを客車の後ろにつなぐ。
『ポピ?』
外に出てきたポチョが、これを見て不思議そうな仕草をした。
「おう、新しいキャンピングカーだ」
『ポッピピ?』
「名前はまだないなー。そうだな、エンタープライズ号と呼ぼう」
『ポピー!』
そこへトコトコやって来るビナス。
『ピポ!』
驚くポチョと、ちょっとびっくりしたジェスチャーをするビナス。
二人は見つめ合い、間合いを取りながらぐるぐる回った。
俺を中心に回る。
何をやっているんだ。
『ウグワーッ! 二匹のペットが出会いました! 実績・相性とかあるから、色々考えてあげてくださいね、解除! 1000pt獲得!』
「アイラさんへたってるじゃないですか」
「アイラを外に連れ出したのか? なんという無茶な」
マキナの横にデリアもやってきて、二人でへたれたアイラをわっしょいわっしょい運んでいく。
お風呂に入ってゆっくりして復活してくれ。
そしてヨルカがエンタープライズ号に気づき……。
「……これ、面白いのう」
「でしょ。人力で漕いでいくキャンピングカー。風呂とトイレとベッドでぎゅうぎゅうのやつ」
「いいのう! わし、こういう狭いの大好き!」
「おっ、じゃあ帰り一緒に漕いで行ってみる?」
「それも楽しそうじゃのうー」
「はいはーい! クリカもやる!!」
「よし、では帰りはヨルカとクリカちゃんの二人が漕ぐを俺が後ろから監督する……! そして力尽きた方と交代する」
そういうことになったのだった。
では、みんなで車に乗り込み……。
「撤収しまーす。皆さんお疲れ様でした!」
俺の宣言で、今回の仕事は終わりとなったのだった。
『ウグワーッ! セダインを後にしました! 実績・ストップザウォー! 解除! +1500pt獲得!』
『ポピポピ』
ポチョがインビンシブル号に戻っていき、何故かビナスもその後に続いた。
ペット同士で謎の友情が生まれたか……?
まあ、アイラに懐いていたからアイラの後を追ったのかも知れないが。
インビンシブル号が動き出したので、エンタープライズ号もあとに続く。
「さあ二人とも、ガンガン漕いでいこう! 途中で飲み物や食べ物が欲しくなったら言ってね。用意するから。あとギブアップしたら、客車にロープで繋いで引っ張ってもらうからね」
「なあに! 最近ランニングで鍛えたわしの体力を舐めるでないわ!」
「クリカだって頑張れるよ! やるぞー! おー!」
「よーし、二人とも頑張れ頑張れ!!」
俺は応援に徹しつつ、バックミラー越しに遠ざかるセダインの城壁を眺めるのだった。
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