第124話 戦争解決への布石を打ちました! +1500pt
アイラを連れて猛スピードで退避!
移動ボードは、言うなればエレベーターユニットのちっちゃいやつ。
俺とアイラがくっついて乗ってぎゅうぎゅうになるサイズで、横から六本の足が生えている。
これでワシャワシャ走るのだ。
なお、消音機能が一番の売りで、最高時速40kmで走っても全く音がしない。
疾走する音を瞬時に逆位相効果で消滅させているわけだ。
ここにカモフラージュシートを被っているのだから完璧。
「ひいい、死ぬかと思ったあ……」
アイラが俺にしがみつきながら、だばだば涙とか鼻水とか流している。
死ぬのが凄く怖い系の女子だ!
新鮮だなあ。
覚悟決まった女子ばっかりだったからなあ。
ラングラッドから離れて、気が緩んでドバーッと溜め込んでたものが吹き出したらしい。
ハンカチで顔を拭いてあげた。
「もう大丈夫じゃない? 中枢地区からは離れたし、それに背中側にシールドを用意してあるから」
「それもですよ! 明らかに、無詠唱でとんでもない威力の魔法が使われました。因子がぶるぶる震えたんです。なのに、それをいとも容易く弾くミアンさん! どうなってるんですか……」
「えーと、商品解説によると、これは戦艦大和の主砲の直撃を食らっても、その衝撃とダメージをゼロにできるショックキャンセラー付きのシールドで、理論上は小規模な噴火の直撃までなら耐えられるものらしい」
「な、何を言ってるんだか全く分かりません……」
「なんか凄い盾がセール中だったんだ。驚きの90%オフ」
「よく分かりませんが凄いんですね……? お、お陰で助かりました。あんな化け物が帝国にいたなんて。あれが皇帝なんでしょうか?」
「いや、多分周りでうろうろしてたのが皇帝と一族だと思う。ラングラッドはすっかり皇帝たちを洗脳して、一番偉いところに収まってるな」
政治的にも、情報的にも、セダイン帝国は魔将ラングラッドの手に落ちていると見ていいだろう。
いやあ、まさか中枢区をぶらつくだけの予定だった俺達が、本命にぶち当たってしまうとは。
つまりユニ蔵チームも、密偵チームも、どちらもヤバいのには当たっていないということになる。
俺はここで通信することにした。
「魔将ラングラッドと遭遇したよ。攻撃を受けたんで撤退した」
『なんと!? ミアン殿無事でござるか!?』
「買い物速度が遅ければやられていたな……」
『無事で何よりだ。どうやら兵士がそちらに大勢動員されたせいか、こちらは中枢区の地下に潜入できた』
「おお、凄い進展!」
密偵氏、優秀だ。
『ここは怪物どもの巣窟だぞ。奴らがおかしな儀式をやっている。もしかすると、あの爆弾とやらはこの儀式で呼び出されたものかも知れない……! ラングラッドだけではない。ここも破壊せねばならないぞ……!』
「分かった! 危なそうだから、程よいところで戻ってきてくれー。警戒されてると思うから、速攻で暗殺計画を立てたい!」
『了解した』
ということで通信終わり。
『ウグワーッ! 通信機能を一定回数使用しましたので、新たな機能が解放されました! 1500pt進呈! そしてこれが、通信機能を持つ同士の位置が表示される機能です!』
「あ、便利ー! あと、ユニ蔵こっちに来れる? そちらにも位置情報は行ってるはずだけど」
『おー、見えたでござる! 便利でござるなあ……。フェーリアいわく、全く因子を使ってないみたいでござるぞ? ではすぐに』
通信が終わって、アイラが息を整えた頃合いにユニ蔵がやって来た。
フェーリアを背負って、建物の上を駆けてくる。
跳躍して着地だ。
「お待たせしたでござる」
「いやあ全然早い! ていうか人一人背負った速度ではなかった」
「うふふ、うちの男、いいでしょぉ」
ユニ蔵の背中から自慢してくるフェーリアなのだった。
「密偵氏の話、聞いた? この地下、爆弾工場というか爆弾召喚会場」
「聞いたでござるよー。とんでもないでござるな……。一体どうしたものか」
「ラングラッドやっつけ担当と、地下無力化担当が必要になるんだが、明らかにこのメンバーだと手が足りないんだ」
「足りぬでござるな……」
「俺がポイント纏めて使って凄いのを買うという手段もあるけど、多分凄い数の人が死ぬ。これはこれでよろしくない」
「うむ、ミアン殿は善性の人でござるなあ。仮にも敵国の人間の命を心配するとは」
「彼らも騙されてるだけだからね。じゃあどうしようという感じなんだが……」
うーむと唸る俺。
この様子を眺めていたアイラが、
「つまり、ゴールド級の皆さんがこっちに来られれば話は解決するんですよね? ミアンさん、遠くから仲間を呼び寄せる魔法か何か無いんですか」
そんな事を言うのだ!
「いや、そんな都合のいいものは……」
仲間呼び寄せ、で検索すると……。
ヒットしたわ。
使い捨てのアポートシステム。
使い捨てなのに一万ポイントも使う!
だが、これがあると任意の人間を一度だけこちらに引き寄せることができるようだ。
その数は十名まで。
ほう……。
ちょうどゴールド級とパートナーの人竜族娘の数がぴったり合うではないか。
「あっ、ミアンさんが凄く悪そうな笑みを……!! でも頼りになりそうな予感がしますね……」
「頼りにして欲しい。どちらにせよ、ここで即断して動かないとケスタインもセダインも壊滅だ。速攻で決着を付けるぞ!」
俺はアポートシステムを購入するのだった。
なんだこれは、大きなフラフープではないか。
まさかこの穴を通ってみんながやって来るというのか……!
『ウグワーッ! 戦争解決への布石を打ちました! 実績・もう頭の中では地上班と地下班決まってるんでしょ? 解除! 1500pt獲得!』
まあね……!
◎現在のポイント:157110pt
貢献ポイント :320755ポイント
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