第121話 セダイン帝国の命令書を確認しました! +1500pt
森の中で一晩を過ごした。
ユニ蔵たちと密偵たちも一緒だ。
それぞれいい感じの隙間を寝床にすることにした。
その前に、交代交代で風呂に入る……。
なにっ、密偵氏、ウイレアと一緒に入る!?
狭いお風呂に!?
イチャイチャしてるなあ。
「まあ気持ちは分かりますね」
「アイラさんは分かるんだ」
「そりゃあもう。恋人になりたてというのは、ああやって四六時中一緒にいたくなるものですから」
うんうんと頷くアイラなのだった。
これはデリアとは違い、耳年増ではないな……!
『ウグワーッ! パートナー候補の恋愛経験を確認しました! 実績・まあ最後のお相手は酸いも甘いも噛み分けた人ってのはバランスいいんじゃないでしょうか、解除! 1500pt獲得!』
「あ、私の番ですね。ビナスおいでー」
アイラに呼ばれて、ビナスもお風呂に行ってしまった。
いつの間に仲良しに……。
植物系同士、相性がいいんだろうか。
「敵地の真ん中だから、最低限しかイチャイチャできないのが残念だな……」
「ほんとー。今頃みんな、パートナーと子作りとかしてるんだろうなあー。ボク羨ましいなあ……」
おお、密偵氏とウイレアが同意見だ。
なお、ユニ蔵は別に焦るつもりはないらしく。
「なに、ここで焦らせば焦らすほど、後で燃え上がる炎は大きくなるでござるよ」
「ダーリン分かってる~! お楽しみは後に取っておくほどいいものねえ?」
この二人も良いカップルだなあ。
「じゃあ明日についてなんだけど、全員揃ったことだし、一旦俺とユニ蔵と密偵氏の三人で、深いところまで潜入してみよう。俺はカモフラージュシートがあるので、これを体に巻いていけばいいし」
完全偽装のシートを体に巻いてみせると、一同が「おーっ」と声を漏らした。
「ど……どういう構造でござるか? シートを纏ったミアン殿が全く視認できなくなったでござる」
「周囲の風景とのズレもないし、足元に靴跡もない……。こりゃあ、音を聞き分けるかニオイを辿らないと発見できないぞ」
「やっぱりミアンさんって凄いのねえ……」
「この能力はヤバいよー! ……それで、残ったボクらはどうすればいいの?」
「俺達が潜入しやすいように手伝ってくれると嬉しいな。フェーリアさんの魅了のブレスで兵士を惑わせて、ウイレアさんの隠身のブレスで姿を隠して音を立てたりして気を引いて。アイラさんは色々便利なことができるようなんで、おまかせして……」
『ウグワーッ! 明日の予定を立てました! 実績・作戦会議は万全! 解除! 1000pt獲得!』
「あれ? 私がお風呂に入ってる間に話が進んだんですか? まあミアンさんのことだから、私に臨機応変に支援してとか言うんでしょうけど……」
バスタオル一枚のアイラが出てきたのだった。
うーん、俺という人間を良く分かっている。
「その通りって顔ですね。まあいいですけど。その分、お肉を出してくれれば……」
「ではそう言う感じで一つよろしく!」
明日の予定は、これでバッチリ。
三組とも今夜の寝床に分かれることにするのだった。
翌朝。
本日潜入するのは、セダインの兵舎。
ここで何が起きているのか……なんかの情報を調べるわけだ。
兵舎前は、見張りが立っていて警備が厳重。
普通のやり方では入り込むのが難しいだろう。
「ふむ、拙者と密偵殿ならば問題はあるまいが……」
「ああ、俺は一人で行ってみる。もうすぐみんなが騒ぎを起こしてくれるから……」
そう言った矢先に、見張りの一人の頭上に石が落ちてきた。
「いてっ! ……あれ? どこから落ちてきたんだ……?」
そんな見張りの眼の前に、また石が落ちる。
「お……?」「どうした?」「何もないところから石が……」「なんだって?」
姿を消したウイレアが、空から石を落っことしているのだ。
兵舎の周囲を周回している兵士は、フェーリアとすれ違った途端にへなへなと膝から崩れ落ちた。
骨抜きにしてしまったわけだな。
そして見張り塔のようなところで目を光らせていた兵士が、ふらふらっとしてへたり込んだ。
寝てしまったようだ。
よし、完璧。
俺はカモフラージュシートに身を包み、堂々と兵舎に向かって歩き出した。
なお、懐にビナスを入れてあるぞ。
兵士たちの合間を塗って、兵舎に潜入してみる。
うーむ、近くを通る時はドキドキするが、こちらを全く視認してないのは確かだ。
全然気付かれない。
「ちょっとお邪魔しますよ……。どれどれ? ははーん。立派な兵舎だ」
石造りの建物で、大きさはかなりのもの。
こうやって潜入してても、たくさんの兵士たちが行き交っている。
「ケスタイン王国進軍の準備はどうだ?」「はっ! 備蓄はある程度。あとは現地で接収する前提で……」「そうか。かつての戦争とはそのようにして食料を得たらしいからな」
現地で食料を略奪する話をしているな。
良くないなー。
偉そうな兵士は、自分の部屋に引っ込んでいくようだ。
俺も後を追跡した。
扉が閉められる前に滑り込む。
ざざっと音がしたので、偉い兵士が不思議そうな顔をした。
だが、目だけでは俺を捉えることができないのだ。
誰もいないと判断した兵士は、扉を締めた。
そして机に向かう。
どれどれ?
何らかの書類を見ているな。
セダインで使われている文字は、微妙にケスタインとは違う。
だが、俺がこの世界で生きていくために得た翻訳能力は、これも問題なく解読できるようになるのだ。
命令書だな。
『ウグワーッ! セダイン帝国の命令書を確認しました! 実績・黒幕への手がかり、解除! 1500pt獲得!』
やっぱり黒幕がいるわけね。
「ふーむ……内通者たちと連絡が取れなくなって久しいというのに、ラングラッド様は本当に勝算があるのだろうか……。戦争なんて、歴史書でしか行われたことがない事だぞ……!」
ラングラッドねえ……。
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