第117話 ドライアドの好みを完璧に把握しました! +1500pt
アイラが風呂から上がり、バスタオル一丁でほこほこになっている。
『ウグワーッ! 結構好みな感じのスタイルですね? 実績・堪能! 割と好みど真ん中の女子! 解除! 1500pt獲得!』
いやあ……でっかい女子と小さめ女子しかいなかったので、中くらいの背丈が新鮮で新鮮で……。
「いや、出るところはかなり出てて引っ込むところは引っ込んでいるから、でっかいとも言える……」
「聞かなかったことにします! それにもう……私は意地でも仕事しませんからね……。ご飯食べて寝ます……! あと、私は寝る時に裸で寝る主義です……!!」
「マキナと同じだ……!」
「まあ、ドライアドも人竜族も、本来は服を着ていない存在から分化した種族ですからね……。あっ、お風呂に入っている間に、色々な設備が増えていませんか!? 狭い空間だと思っていましたが、こんなにも詰め込めるのですね……」
ほほーん、と感心するアイラ。
あちこち覗き込むのだが、あなた湯船で浮くくらいのサイズなんだから、今にもこぼれそうだぞ!!
背丈の話をするのだが、マキナが一番長身でガタイも良く、つぎにデリアがデカい。
言うなればアイラは三番目くらいで、ここでようやく普通くらいの身長になる。
前はヒールのある靴を履いていたから俺より背が高かったが、実際は俺よりちょっと低いらしい。
「むむーっ」
俺が唸りながらアイラを後ろから見ていたら、彼女はお尻を軽く振りながらちらっと振り向いた。
「……そうか。ここまでやれる人なら、いっそこの人とくっついて厄介事や面倒な仕事から守ってもらう手があるのか……」
ぶつぶつ言ってる。
なんか俺の周りの女子は最初からアイラを狙っていたぞ!
『ウグワーッ! 完全に脈アリです! いけーっ! 実績・誘われてるぞおい! 解除! 1500pt獲得!』
「さっきから私について好き勝手言ってますよね、この音声!? それで……ミアンさん。お夕飯は何を用意して下さるんですか!」
「おっ、それ聞いちゃう?」
「もちろんです。この危険な任務をやらなくてはいけなくなった時、心の救いはミアンさんが用意してくれるアクティビティだったんですから! お風呂とベッドとご飯! それが揃わないと私の心が死んでしまいます!」
「ではアイラのために美味しい食事を用意しよう……。お肉系とお野菜系どっちがお好き? お野菜?」
「お肉です!!」
「なんと!!」
「植物は死骸を分解して養分にするから、肉食なんですよ!」
なるほどー。
それは盲点だった。
ということで、デリバリーで分厚いステーキを購入したのだった。
熱された鉄板に乗ったまま到着!
ベッドになるソファを使って、中央に折りたたみテーブルを広げていただくことにする。
「植物性の飲み物だとあれでしょ。なのでミネラルたっぷりの冷えた水を用意しました!」
「さ、最高~!!」
大喜びのアイラ。
『ウグワーッ! ドライアドの好みを完璧に把握しました! 実績・気遣いができる男! 解除! 1500pt獲得!』
なお、俺のステーキは栄養バランスを考えて、付け合せに温野菜サラダなんかを付けてある。
アイラはエネルギーやビタミン系を光合成で作り出せるので、タンパク質とミネラルだけ食べてればいいそうだ。
「うまっ……!! こんな、美味しい肉……! 脂も口の中でとろける……! 分厚いのに中までちゃんと火が通って、なのに柔らかくて……」
「俺の世界ではそれなりにランクの高い熟成肉なんだ」
実際に買うとなったらかなりの価格なのに、ポイント制だと安いんだよなあ!
アイラは胸周りと腰回りはボリュームがあっても、お腹周りは細い。
なのに分厚いステーキがどんどん入っていく。
おお、腹が膨らんでいく……!
胃下垂タイプか!!
ステーキを三枚平らげて、アイラがソファーに倒れ込んだ。
「ああ~っ。も、もう動けないーっ。こんなご馳走、お給料日にしか食べられないし、それだってこんな上等なお肉食べられないのに……! 幸せ……! この幸せのまま……寝る……」
ソファをベッドにしないまま、寝始めてしまった。
彼女の快楽とは、風呂、飯、寝る、だったのだ!
うーん原始的欲求!
その時、キャンピングカーの周りにクリーピングジャイアントがやって来た。
明かりを放っている車に気付き、ペタペタ触ってくる。
軽く揺れるキャンピングカー。
ビナスがトコトコやって来て、じーっとクリーピングジャイアントを見た。
「ビナス、因子食べてくる?」
コクコク頷くビナス。
では、ちょっと外に出してやろう。
こんな状況で、アイラは爆睡したまま目覚めない。
食べてすぐ寝ると太りそうだが、ドライアドだし太らないのかもなあ……。
さて、ビナスはクリーピングジャイアントの近くまで歩いていくと、近くで因子をキューッと吸い取った。
おお、ビナスの姿がボーンっと膨れ上がる。
立ち上がったクリーピングジャイアントに近い姿になる。
『ウグワーッ! 二つ目の因子を獲得しました! 実績・今度は大きくなるスナーク! 解除! 1000pt獲得!』
『~!!』
これにびっくりしたのはクリーピングジャイアントだ。
いきなり目の前に巨大な同族が出てきたんだもんな。
しかもその腹部がガバっと開いて、シェイプシフターの牙が生えてくる。
思わず掴みかかったクリーピングジャイアントは、その腕を牙でがぶりと噛みちぎられた。
『~~!!』
クリーピングジャイアントが、バタバタと逃げていく。
ビナスはすぐに元の小ささに戻った。
トコトコやってくる。
「お疲れー。お前、なかなか強いなあ」
ちょっと褒めたら、得意げにナスビに似た体を反り返らせるビナスなのだった。
「ビナスのステータスって確認できたり?」
『しますよ! どうぞ!』
チャットボットに見せてもらったビナスのステータス。
ええと、シェイプシフターの牙と、クリーピングジャイアントの体を手に入れてるわけね。
シェイプシフターの変身はスナークの下位互換だから、その能力は取り込まないらしい。
「なるほどなるほど、クリーピングジャイアントの力で、平たくなってどんな隙間からも入り込めるわけか。これは強い」
ビナスを抱っこして車内に戻ってくると、爆睡中のアイラがタオルを開けて素っ裸になっているではないか。
いかーん。
大きい女体とスレンダーな女体しか見ていなかったので、普通の感じのサイズのボディにはぐっと来るものがある。
だがそれはそれとして、風邪でも引かれたら大変である。
俺は素早くベッドを展開し、アイラをそっち側に移動させ、上から毛布を掛けるのだった。
「うーん、むにゃむにゃ……あったかい……」
『ウグワーッ! サラリと気遣いをしました! ウィークリー実績・心配りは人間関係の潤滑油、解除! 500pt獲得!』
これでよし。
おお、さっきまで口の表面についていた脂の跡が無くなっている。
体表から栄養を吸収してしまうみたいだな。
人間にそっくりでも、ドライアドは人間と全く生態が違うのだ。
「本当にドライアドと子供を作ったりできるんです?」
『できまあす!! では寝るまでは早いと思いますので、入浴中にこのチャットボットがドライアドの体についてレクチャーしましょう』
「ほんと? それはちょっと楽しみかも知れない……」
こうして一日目の夜は更けていくのだった。
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