第111話 人竜族の里を離れます! +1500pt
メギドアがライバル視してくる割に、勝負を挑んでこないのだ。
なぜなのか。
「お前のブレスは意味が分からない。災害竜にすら通用する理解できん力を相手に、真っ向から当たるバカがどこにいる」
なんか言い訳をして、俺との再戦をする気がないようなのだった。
「これについてはクリカちゃんとしてはどう思うんだい」
「んー?」
俺に寄りかかってまったりしていたクリカちゃん。
ちょっと首を傾げてから……。
「もともとメギドアってクリカの好みじゃなかったしー。クリカ、もっと知的で底知れないタイプが好きっていうかー。だからお兄さんなんだけど」
「クリカちゃんこそメギドアが眼中になかった」
「むむう、クリカくらい小さいと寄りかかれるんですね。私の背丈だとミアンを潰してしまいます」
「なんとか踏ん張るからどんと来い」
「本当ですか!? えいっ!」
「うおおーっ!!」
寄りかかってきたマキナを支えるのだ!
最近、彼女に付き合ってランニングしているからな。
鍛え上げたパワーが火を吹くぞ!
「はっはっは、いちゃいちゃしているようでござるな。結構結構」
ユニ蔵がセクシーな人竜族女子と一緒に通りかかった。
俺のいちゃいちゃを見ても嫉妬パワーを発揮しないとは!
すっかり心の隙間が埋まったのだな。
こうして三日間を人竜族の里で過ごした俺達一行。
デリアはずーっと温泉におり、たくさんの人竜族の男に口説かれたらしい。
だが、人竜族は経済的に貧しいため、デリアの心には響かなかった。
「私は大きな風呂と経済的な援助ができる男が好きなのだ……! なあミアン」
「おお、現実的スタンス! まあ、デリアは文化のある土地で生きていたから、それから離れては生きられまい……」
そして三日間の温泉を通じて、デリアの肌がかなりつやつやになった。
口説かれるのが面倒くさいのを除けば、大変幸福な三日間だったらしい。
ヨルカは人竜族の長老や義父と色々お喋りをしてきたようだ。
「わしのデータベースにはない情報が記録できたぞ! 良いか、この世界には三頭の星渡りの竜が降り立ち、うち一頭が人と子を成して人竜族が生まれた。もう一頭は再び宇宙へ飛び立ち、最後の一頭は異なる世界へと去っていったようじゃ」
「壮大な話だ!」
『ウグワーッ! ファールディアのドラゴンサーガを聞きました! 実績・大いなる存在の記録、解除! 1500pt獲得!』
マキナは地元の仲間たちと旧交を温め……。
「子供を産んだらいつ連れて帰ってくるんだって聞かれました!」
「あー、そっか。一般的には相手を見つけて連れ帰るものなのね」
「そうなんですけど、人竜族はパートナーとともに里を離れて旅をしてもいいんです。現に、父はそうやって仲間たちを引き連れ、より大きな集団から離れてこの里を作ったんですから」
「なるほどなるほど……。そうやって人竜族は生息域を広げてきたのだ。今回、人竜族のお嬢さんを七人も連れて行ってしまうしな。あ、水棲種の人用に移動できる湧水バスタブをプレゼントしないと……」
帰宅するために、まずは客車をもう一台購入!
さらに、そこに水棲種専用のバスタブを設置!
このバスタブは自走式で、指示を下すと移動してくれるからね。
「いや、本当に助かりますよ。ありがたい……!」
水棲種の女性のパートナーである吟遊詩人には、大変感謝されてしまった。
俺達が帰る時になって、人竜族の里の人々がワッと集まってきた。
見送ってくれるようだ。
「族長、たくさん連れてっちゃって済みません」
「いやいや構わぬのだよ、婿殿。こうして我らの血族は世界に広がっていく。人と交わり、人に混じり、人竜族は繁栄していくのだ。それに……我が里もまだまだ子供が生まれるからな。新たな道を見つけた者が外に出ていけば、それだけ新しい命の座る場所ができるというものだ」
「ああ、なーるほど!」
限られた資源の中で仲間を食べさせていくために、ハッピーな口減らしという意味もあるんだな。
それに、恐らくジュドクがそのうち帰って来るだろうし。
「では遠慮なく! うちの七人のお相手、ケスタイン王国に連れて帰ります! じゃあ、子供が生まれたら見せに来ますから」
「ああ、楽しみにしているぞ!」
「絶対に見せに来てね! ああー、私もお婆ちゃんなんですねえ。孫と同い年の娘ができるのに」
タリアさんもニコニコだ。
で、遠くではメギドアがずっとしかめっ面をしている。
俺がいるとでかい顔できないだろうからな。
ということで。
インビンシブル号は帰還を開始するのだった。
今回購入した客車は、ゴールド級の人々が乗った客車と連結し、行き来ができるようになっている。
交流を存分に楽しんで欲しい。
遠ざかっていく里に、女子たちはいつまでも手を振っていたようだ。
今、新たなる旅立ち!
『ウグワーッ! 人竜族の里を離れます! 実績・再びの別れ! 解除! 1500pt獲得!』
身も心も満たされた冒険者たちは、王国に帰還したらさらにしっかりと働いてくれることだろう。
忙しい最中に彼らを連れ出したことは、これでチャラにして欲しいものだ。
戻ったら戻ったで、俺の仕事はまだまだありそうだし。
おっと、大樹林が見えてきた。
俺は車内放送を開始する。
「えー、これから当キャンピングカーは大樹林を登ります。角度が90度変わりますので、客車から落っこちないようにご注意下さい」
一言添えた後……。
「ポチョ、ゴー!」
『ポピピー!』
インビンシブル号が樹林をわっしわっしと垂直に登り始める。
客車からはきゃあきゃあとはしゃぐ声が聞こえてくるのだった。
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