第104話 人望を大いに集めました! +1000pt
作業員たちのモチベーションは、そりゃあもうとんでもなくぶち上がった。
作業が進む進む。
とりあえず通行できる状態まで、高速で準備が完了だ。
居住区を設置したり、施設を誘致したりできる状態ではないが……。
荷馬車が行き来できる程度にはなった。
作業員たちが急ピッチで仮の壁を立てている後ろを、大量の荷馬車が駆け抜けていく。
これはロッペルフス子爵が工場で生産した、リクス・タカード側の工場を作るための資材だ。
それと一緒に、組み立て要員も乗り込んでいる。
「みんなー! 仮設通路壁を張ったら、そこから職場はリクス・タカードになる! 工場を作ったら、そこから資材が送られてくるようになるからね!」
ウオーッと元気な返事が帰って来る。
「この仕事が終わっちまうのは残念だけど、ミアンの旦那がガンガン話を進めてくれてるもんなあ!」「まさか、殿下や貴族の方々まで動かしちまうとは……」「旦那すげえぜ!」「みんなー! 俺達で旦那の男をさらに上げてやろうぜーっ!!」
おおーっ、俺のために頑張ってくれている。
これは嬉しい。
『ウグワーッ! 人望を大いに集めました! 実績・盛り立てられる大将、解除! 1000pt獲得!』
さて、本来ならば工場で生産された壁をしっかり立てていくのだが。
今回はサクサクと立てられる仮設通路壁を使っている。
これは、一旦通路としての体裁を整えた後、リクス・タカードと連結して向こう側から建設を進めるためなのだ。
リクス・タカードが拠点たり得るようになれば、通路街建設も楽になるしね。
なので、設備や施設を向こうに運び込む。
第三目標地点にある倉庫と、リクス・タカードの工場から同時に資材を持ち出して挟み込むように建築を進め……。
迅速に通路街を完成させてしまおうという寸法なのだ。
というのも、俺はユニ蔵とゴールド級の人々を人竜族の里に連れて行かねばならなくなったので……。
「ではミアンが手伝って、ガンガン進めればいいと思うのじゃが!」
「そうすると工期が短くなり過ぎて、作業員のみんなの手取りが減るんだ」
「ああー、ままならんのう……!!」
俺はと言うと、インビンシブル号で通路外のあちこちに中継機を設置している。
貴族の方々が自由に通行できるようにするためだ。
どうやらお偉い方々は、通路街を気に入ったらしい。
リクス・タカードを訪れるためにも、そして私用で通路街に来るためにも、中継機をたっぷり設置してくれと依頼されてしまった。
大変すぎる。
前回はインビンシブル号に特大のを積み込んでいたから良かったけど、あんなのは通常の通路街では不可能だ。
人の手が届かず、十分なスペースがあり、その上で中継機が十分に稼働できるほどの因子がある場所である必要がある。
ということで、より小型の中継機をたくさん置くことになるわけだ。
コツコツ、コツコツと作業を進める。
第一目標地点までのルートは狭すぎてとても設置できない……ので、ここは裏技を使う。
荷馬車用通路と通路街の間に、どこでもないスペースが存在するのだ。
ここに中継機を点在させていく。
幸い、昼の間はここを荷馬車が通らない。
その間に作業を終わらせてしまうのだ。
「マキナ、壁をどんどん持ち上げて行って!」
「はーい! どんどん!」
ロボットアームを操作するマキナが、荷馬車用通路の壁を持ち上げる。
それと同時に、俺は中継機を放り込むのだ。
3kmの道のりを、100m間隔で一個ずつ。
いやあ、中継機の設置って大変なものだなあ……。
近すぎるとお互いの因子を食い合うし、かと言って大きいとこのスペースに収まらない。
ちょうどいい大きさで、最低限の数で済み……と条件を並べていった結果がこれなのだ。
三十個の中継機を設置したところで、作業は終了!
『ウグワーッ! 第一目標地点の作業を終えました! 実績・コツコツ、コツコツ、解除! 1000pt獲得!』
「なるほど……これは確かに、わしらしかできぬ作業じゃな。……あれ? デリアがおらんが」
「デリアなら王国の騎士団に行ってるよ。書類仕事してる」
「あやつ、こっちにいるとポンコツじゃが多くの仕事を抱える高い地位の騎士でもあるのじゃったな……」
「職場で頑張ってる分、こっちで気を抜いてるんだと思うよ。まったりさせてあげよう」
「何気にミアンは女を甘やかすタイプよなあ……」
「他に付き合い方がよく分かってないんだと思うなあ」
ヨルカとお喋りをしながら、単純作業を続けていく。
第二目標地点は、一旦壁の外に飛び出す。
作業中の護衛用に、デスワームに出てきてもらった。
ポチョの声をスピーカーに繋いでいるから、お喋りしながら見張っててくれると嬉しい。
「ここからはどうするんですか?」
「中継機を外に設置していくよ。ただ、剥き出しだと怪物たちに壊される可能性もある。だからこう、壁に袋状のユニットを取り付けてそこに投げ込んでいく」
壁の中間より上に、中継機をちょうど納められるサイズの袋ユニットを設置。
これは、ロッペルフス子爵に特注で作ってもらったものだ。
壁をぐいーっと曲げたもので、これをロボットアームのパワーでギュッと壁に差し込む。
そこにロボットアームで中継機をポンと放り込む。
「むむっ、ここは私の独壇場!!」
「ロボットアームでしか作業できないからね。頼むぞマキナ! ここも三十箇所やる!」
「本当に、コツコツとした仕事なんですねえ……。これで今日一日終わっちゃいません?」
「終わるねえ」
「終わったらどうしましょ?」
「仕事の疲れをお風呂で癒そうか。第二目標地点で待ってれば、デリアがやってくるよ」
こうして、俺達の裏方仕事は続くのだった。
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