第103話 叙勲式を開催する役割を果たしました! +2500pt
リクス・タカード管理AIがアリスとなり、この街の中を自由に動けるようになった。
セントラルタワーから彼女を連れて出てくると、ゴールド級の人々が「あっ!」と驚くのだった。
「この都市にも貴族がいたのか……!」
「しかも可愛いぞ」
「我が国の貴族は可愛くないからな」
「男爵夫人に聞かれたら大変だぞ!」
「いかんいかん……」
ざわざわする男たちだが、基本的に可愛い女の子をチヤホヤする。
危ないからおじさんたちが護衛してあげるね、とか言いながら、アリスを連れて行ってしまった。
安全になったリクス・タカードを練り歩くんだろうなあ。
アリスはアリスで、久々の俺以外の人間に会えて嬉しいのか、ずっとニコニコしている。
「よーし、じゃあ俺は俺で、色々準備しなくちゃな」
「何をするでござるか?」
「新しい貴族が増えたでしょ。ということは……王族と貴族で顔合わせが必要だと思うんですよ」
「なるほどー!」
「なるほどでござる!」
「ミアンが舞台を作るんですね! うーん、やっぱり私の旦那様はすごいなあ」
ふふふ。
「だとすると、爵位はどうなるんじゃろうな? 一通り爵位は使われておるんじゃろ?」
ヨルカの質問に、俺は答える。
「一つ、いい感じの称号が残ってるんだよ。それは……」
※
『アリス辺境伯。君にリクス・タカードの管理を任せることにする』
王太子殿下がそう告げると、その場に集まった兵士と作業員達からワーッと歓声が上がる!
大事になった!
というのも……。
中継装置を王国まで調達に行ったら、子爵がこれを見て他の貴族たちに連絡。
すぐに、公爵と侯爵と伯爵と男爵夫人、そして王太子殿下が集まってきた。
フットワークがかるーい!
公爵は青くも見える長い銀髪の美男子で、絶対モテるだろうなーという外見だった。
「ミアン殿だね? 私はサイファーセブン公爵。ケスタイン王国全ての都市計画を司る者だ。初めまして。会えて嬉しいよ」
「あっ、どうもどうも、お世話になっております。色々事後承諾とかしてもらっててお手数お掛けします」
「いやいや、こちらが計画する前にどんどん事業を進めてくれていて、それも的確なやりかただから実に助かっている! 今後とも仲良くしよう!」
公爵とひたすら握手する、インビンシブル号車内なのだった。
そして王太子殿下と貴族全員を載せたインビンシブル号は第五目標地点で停止。
後ろからは護衛の兵士達と、作業が一時ストップになった作業員達と店員の皆さんと娼婦のお嬢さん達がついてくる。
貴族が一度に降りてきたら、ウワーッと歓声が上がった。
みんな、リクス・タカードが仮の壁に囲まれていることに驚き、そこでアリスドレス姿の少女風AIが待っていたのでまた驚いた。
ケスタインとリクス・タカードを統べる者たちが挨拶をしあい……。
先程の叙勲となったわけだ。
『謹んでお受け致します。ケスタイン王国の衛星都市として、リクス・タカードを繁栄させて参りますね』
『頼りにしているよ』
『ウグワーッ! 新たなる貴族の誕生と、その叙勲式を開催する役割を果たしました! 実績・影の実力者、解除! 2500pt獲得!』
「辺境伯可愛くない?」「かわいー! なでなでしたい」「あんなちっちゃいのに貴族様なんだね」「やっぱ貴族の方々って俺等とは違うんだろうなあ」
野次馬もワイワイと騒いでいる。
実に和気あいあいとした叙勲式になった。
思い立って、即座にやってしまった形だからな。
お歴々の圧倒的フットワークに助けられた。
その後、貴族たちは今後の計画進行について話し合いを開始する。
『私の工場と畑をこちらにも設置したい!』
ロッペルフス子爵の提案に、王族、貴族は拍手で応える。
満場一致で可決した。
そうだな、こっちで生産が可能になるのは一番大事なことだ。
生産物があって初めて、人が住めるようになるからなあ。
『しばらくは中継機をこちらに設置し、私がこちらで工場と畑の作成に注力しようと思う。ケスタイン王国は人間達に任せよう』
子爵が仕事を教えていた職人たちがいるらしい。
彼らは責任重大だな。
かくして、リクス・タカードに乗り込んで本格活動する貴族は、ロッペルフス子爵で決定した。
アリス辺境伯と肩を並べて、リクス・タカードをもり立てていくことになる。
辺境伯の役割だが、リクス・タカード全般の管理だ。
言うなればここは衛星都市という形で成立するため、行政府が存在しない。
何もかも、ケスタイン王国の支社や支所という形になる。
いちいち王国に連絡に行くには片道15kmはあまりにも遠い。
ということで……それらの政治的判断を一手に担うのが辺境伯……というわけなのだ。
当分はロッペルフス子爵がいるけど。
「これで、第五目標地点まで距離を伸ばすと……俺の仕事は終わりだな……! まだこの作業が当分掛かるんだけど」
「のんびりやっていきましょう、ミアン。焦ることはないんですから!」
それはマキナの言う通りかもしれないなあ。
通路街を建設し終わったら、俺の仕事は当分ないだろうし……。
『何を言っているミアン。ミアン通路街はそなたの管理区域になるのだぞ? 人でありながら貴族と肩を並べることになる。余はそなたに騎士爵の地位を与えるつもりだ』
「殿下ーっ!?」
『ウグワーッ! 人でありながら貴族の地位を約束されました! 実績・一代貴族(予約)解除! 1000pt獲得!』
まあ、旅をしたりしてても管理できるよう、遠隔操作できるアイテムを買えばいい話か……。
デリアが俺にスススっと寄ってきて、
「いいか? 本来なら通行税とか取れれば、凄まじい権益を得られる立場なんだ。それをミアン、お前を信じて殿下がこの要衝を任せて下さる……。ああー、私の見る目は確かだった! この男について本当に良かった!」
なんと清々しいほどのビジネスライク!
◎現在のポイント:162220pt
貢献ポイント :320755ポイント(新たな貴族の発見と、叙勲式開催への尽力を認められて王国からボーナス)
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