第102話 リクス・タカードを管理する準備が整いました! +1500pt
リクス・タカードの解放は成った!
うかうかしていると、外から怪物たちが入り込んできてしまう。
崩壊した都市という、ちょうどいい隠れ家が無数にある環境というのは自然の生物に大変住心地が良かったりするのだ。
「仮の壁を購入して周りをぐるっと囲んでおくぞ。畑とかは後から拡張して作っていってもらおう」
「うわっ、何も無いところから資材がどんどん出てくる! これもミアンさんの力……。なるほど、応用力……」
「拙者たちは戦うことしかできぬでござるからな! 一対一なら無敵でも、都市を作ることはできぬ」
ゴールド級の人々とユニ蔵が、俺の出したハンバーガーとジュースをパクパクごくごくやりながら見学している。
そしてずっとマキナがドヤ顔をしているのだ。
インビンシブル号から、デリアとヨルカがこれを眺めているではないか。
「とんでもない規模になってしまったな……。公爵の仕事はここからが本番というわけか……。あの方、過労死しないで欲しいな」
「過負荷でショートしそうではあるのう。皆で助けてやる他無い……」
「この土地を管理する貴族の方もいたほうがいいのかも知れないが……」
新しい貴族か!
そういうのもありですねえ。
リクス・タカード地下のAIは生きていたし。
「ポチョ、壁をガンガン立てておいてくれ。俺はマキナと一緒に地下に行く」
『ポピー!』
了解!
とポチョがインビンシブル号に乗り込む。
ロボットアームがぐいんぐいん動き、壁を立て始めた。
さて、ではエレベーターユニットを持って、都市の地下へ向かうか……。
「わしも行くぞ!」
「あ、僕も行きます」
「ヨルカは分かるが、戦士長も!」
「いやあ、僕、こういうの大好きっぽいんですよね。ミアンさんと行動するようになってから気付きましたよ」
「むふふ、みんなミアンの魅力に気づくといいのです。それが殿方なら私も危機感を覚えませんから!」
マキナにそんな打算が……。
奥さん増やそうとしてたのに……。
「愛情を独り占めにするような人が来るととっても困るんです! 私はそういう暴君は実力で排除しますからね!」
ムフーッとマキナの鼻息が荒い!
俺も現状で十分だと思うんですけどね!
『ウグワーッ! 奥方の将来計画を聞きました! 実績・ちゃんと確認してハーレムを運営しましょうね、解除! 1500pt獲得!』
「いや、ハーレムやりたくないんだよ!」
俺の持つポイントプログラムという名の甲斐性に、癖強女子たちが寄ってくるんだ……!!
おまけにこの世界の過去の歴史を背負い、なんか都市開発まで請け負い、さらには近隣の国家のきな臭い話まで聞かされてだな。
おお、のどかなスローライフよ、ポイ活ライフよどこに……。
『ウグワーッ! 現状を把握しました! 実績・天は英雄に試練を与える! 解除! 2000pt獲得!』
「ポイントは嬉しいけどさあ! 試練いやだなあ!」
「ミアンさんは何と会話しているんですか?」
「あやつにしか聞こえぬ天の声じゃよ。なお、わしとマキナにも聞こえておる。妻となる者たちは運命共同体だと天が判断するのじゃろうな。今はまさに、天があやつに試練を与え、英雄への道を歩かせようとしているのじゃ」
「ははー! それは凄いなあ。流石だなあ」
やたら感心する戦士長。
君、騙されやすかったりしない?
というかヨルカも恣意的に状況を歪めて伝えるのはやめてくれないかな!?
「私はどんなミアンも大好きですよー! 最初はちょっと打算もあったんですけど、今はもうミアンが何をやってもスキスキとしか思わなくなりました」
「えっ、そうなの!? それはちょっと嬉しい」
マキナは癒やしだなあ。
そんな事を思いながら、エレベーターユニットでセントラルタワーの地下へと降りていく。
このユニットにも戦士長は大いに驚いていたし、途中で現れたメタルイーターにも驚いて身構えていたし、これを俺が大きな音をぶつけて撃退したのにも驚いていた。
「アリやガーゴイル以外にもあんな生き物がいたんですね……。あれは刃物が通りそうにない怪物だった。だけど、大きな音で倒せると……吟遊詩人の得意分野だな」
そして到着した地下。
久々にやって来たら、すっかり掃除されているではないか。
どうしたことだ。
『ああ、ミアンさん、マキナさん、ヨルカさん。それにそちらの方はお初ですね』
ちょっと甲高い声がしたと思ったら、アリスドレスの女の子がてこてこ走ってきた。
なんだなんだ。
誰だ誰だ。
『私です私。リクス・タカードの統括AIです。過去の歴史を紐解いたところ、記憶媒体の奥底にアリスという名前がありましたので、その姿のアバターを作成してみました』
「うーんカワイイ。だがふしぎの国のアリスを覚えている人、俺以外にはいないのではないか。ヨルカはどう?」
「わしが生まれた時にはもう無くなっていたのじゃ。というか……お主、それほど古いコンピューターなら、わしよりも機能が高いんじゃないのか?」
『かつてはそうでしたが、ほとんどの機能と記録は経年劣化で失われていますし、ネットワークが切断されたことでできることも少なくなっていますから。ヨルカさんには及ばなくなっています』
「そうかそうか。なんか、わしのこと持ち上げて接待してくれてない? いや、嬉しいんじゃけどさあ」
なお、このやり取りを見ていた戦士長。
なんだかジーンとしている。
「僕は今……新たな貴族の誕生を目にしています。感動しました……!!」
「あ、状況を正確に理解している。頭がいいぞこの人」
マキナはなんか手をワキワキさせている。
「あのあの、アリスさん」
『なんでしょうかマキナさん』
「抱きしめたりナデナデしたりしてもいいですか? 私もう、我慢の限界で……。ああ、クリカを思い出します……! あの子もどんどん大きくなって、カワイイはカワイイんですけど……」
『構いませんよ。どうぞ!! 私もアバターの強度を確認したいところでした!』
「では遠慮なく! ああーっ、カワイイー!!」
『お、思った以上の圧が~っ』
手加減してやってくれ、マキナ!
『ウグワーッ! リクス・タカードを管理する準備が整いました! 実績・次は貴族同士の顔合わせですね、解除! 1500pt獲得!』
あ、そうか。
中継機を持ち込んで、ここで新しい貴族を迎え入れてもらう形にするんだな。
よし、次の仕事が見えた。
◎現在のポイント:143720pt
貢献ポイント :170755ポイント(アリの巣撃破による功績)
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※本日から、夜更新に変わります。




