第101話 女王アリを退治しました! +1500pt
女王アリに恨みは無いが、リクス・タカードを人類の拠点として取り戻すため、駆逐されてもらわねばならない。
「行くぞ女王アリ! スプレープシューッ!」
『ウグワーッ!』
効いてる効いてる!
ゴールド級の人たちが、これを見て感心している。
「これほどお手軽に、全く因子も消費しないで怪物を怯ませられるとは……」
「確かにミアンさんは別格だな」
「最初に会った時は一般人にしか見えなかったが、そもそも彼のスタイルなら並以上に鍛える必要性が無いんですね」
お分かりいただけただろうか。
まあ、俺自身は何かの才能があるわけでもなく、鍛えたところでカッパー級がせいぜい程度の人間だと自負しているが……。
ポイントプログラムが凄いのよ。
「よーし、我々もミアンさんに負けていられないぞ! ゴーゴーゴー!」
「花街でスッキリさせてくれたお陰で、邪念無くみんなを守れるぜ!」
「背後からのアリは俺とユニ蔵さんで担当する」
みんな頼もしい!
ユニ蔵は押し寄せるアリを、狭い通路で食い止める。
その後ろから、密偵がダーツを使いながら援護しているのだ。
正面は、守護者が食い止め、戦士長が切り込み、吟遊詩人が魔曲みたいなもので味方にバフを、敵にデバフを。
魔道士と司教で魔法攻撃。
そして突っ込んで行ったマキナが真っ向から攻撃する。
もう、実質飽和攻撃みたいなものだ。
巨大なアリの女王は、すぐに目から光を失い、バターンと倒れ込んだ。
『ウグワーッ! 女王アリを退治しました! 実績・リクス・タカードの障害排除、解除! 1500pt獲得!』
「やったー!」
俺の歓声とともに、押し寄せていたアリたちがシュンとなって去っていく。
どうやら女王アリが死ぬことで、彼女が撒き散らしていたフェロモンが途切れるようだ。
そして女王の死を知ったアリは戦う意味を失い、去っていく……。
待て待て、なんかむちむちしたアリの幼虫を咥えたやつがいるんだが?
もしかして次代の女王じゃない?
まあいいか……。
よそで巣を作るんだぞ。
アリたちのお引越しはしばらく続き、これを見送っていたら夕方になってしまった。
流石に腹が減った。
「ミアン~」
「はいはい」
マキナのお腹へったコールがあったので、食べ物を用意するのだ。
人数分のハンバーガーセット。
空っぽになったアリの巣の上で、これをモリモリと食べた。
「美味いな……!!」
ざわつくゴールド級の人々なのだ。
「美味しい食べ物の調達も、ミアンの得意分野なんですよ。もちろん、食べ物や武器だけじゃなく、なんだって取り寄せられるんですけど」
ふふーんと自慢げなマキナなのだった。
そうしていると、地面がもこもこと盛り上がり、デスワームが出てきた。
『キュキュー』
「おー。アリの巣をちょっと掃除しててな」
『キュッキュ』
「そう言えばデスワームは地中を掘り進むのに、アリの巣は邪魔じゃなかったのか? 餌にしてる風でもなかったし」
『キュキュキュ』
俺の疑問には、密偵が答えてくれた。
「デスワームはあんま硬いのが好きじゃないんだ。シェイプシフターは柔らかいからな」
「なるほど、グルメな亜竜だった」
『ポピピー!』
『キュキュー!』
インビンシブル号からポチョが出てきたので、デスワームがドシンドシンと飛び跳ねて喜びを表現する。
すっかり親友ではないか。
二人で、リクス・タカードを散歩し始めてしまった。
壁はまだ無いが、怪物たちの脅威から開放されたリクス・タカード。
じっと眺めていると……なんだか頭の中に浮かんできそうな。
「……これは……。壁に囲まれているのとは違う新しい都市づくりができるのではないだろうか」
俺の脳細胞に電流が走る!
いい考えが思いついたのだ。
「壁で囲む主な原因は、外からくる怪物の脅威を防ぐためだろう? でも、お陰で外の風景を見ることができない。ケスタイン王国は大きいとは言っても、国の果てがすぐに見えてしまうし」
「まあ、閉塞感があるのは間違いないですね。壁の外に仕事に出た時、危険があるから緊張はするけど、同時に解放感もあるし」
戦士長が頷いた。
「ただ、どうするんですか? 壁があることで安全が担保されている。僕らは強いから自由を感じられるけれど、誰もが強いわけじゃないでしょう」
「そうなんですよねー。なので、格子のついた窓のある壁で覆って、外周はデスワームに住んでもらうというのはどうだろう……」
「ああ、なるほど……! ケスタインでは、壁際の建物は陽の光が当たりにくいから、土地も人気がなくて貧民街みたいになっています。これを解消できるだけでも意味がありますね!」
「ですです! やっぱり日が当たるのが一番いいので……」
戦士長と盛り上がりながら、その場でイメージ図を書いていく。
これは、ポイントで買ったお絵描きボードだ。
リクス・タカードをぐるりと壁で囲みつつ、光が差し込む窓を用意する。
閉塞感を無くし、安全もなるべく確保し、壁際でもたくさんの人が住めるようにし……。
「さっき仕事をしたのに、もう頭を使う仕事をしてるでござるか!? ば、化け物……」
一番化け物みたいな戦闘能力のユニ蔵にそんな事を言われるとは!!
「拙者たちは肉体労働だから、楽なんでござるよ。だがそれ故に限界もあるでござる。なんというか……ミアン殿は手広く色々できて、それぞれの専門性が薄い代わりに万能という感じがするでござるなあ……。なるほど、納得のジュエル級」
ユニ蔵のつぶやきを聞いて、ゴールド級の人々が集まってくる。
そして俺の書いたリクス・タカードの落書きを見ながら、ここはこうだ、ここはこうしようという意見が飛び交うのだった。
ともあれ、リクス・タカードは完全に人類の手に取り戻されたぞ!
『ウグワーッ! 第二の都市を得ました! 実績・都市の土台を準備! 解除! 1500pt獲得!』
◎現在のポイント:138720pt
貢献ポイント :170755ポイント(アリの巣撃破による功績)
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