第100話 アリの巣のゴール地点に到着しました! +1000pt
アリの巣を探索し、女王アリを見つける……。
これは実に大変な作業だ。
アリの巣はまさに迷宮。
地中深く、どこまでも伸びており、様々な役割を持った部屋が通路の先にある。
それが女王アリの部屋とは限らないわけだ。
永遠とも思われる探索を続け、いつか女王アリの部屋に繋がることを願いながら……。
外敵を排除しようと押し寄せてくるアリたちと戦わねばならない。
「のだが、一発で女王アリの部屋を割り出して攻め込もうと思います」
俺の言葉に、ユニ蔵とゴールド級の人たちがびっくりした。
「な、な、なんでござると!?」
「そんなことができるんですか、ミアンさん!!」
「ええ、むしろそういうお約束崩しみたいなのが俺の一番得意な仕事なので……」
「ですです! ミアンは私達が想像もできないことを専門にしてるんですよ! 入国二ヶ月でジュエル級になった、うちの主人の実力を見て下さい!」
「マキナに主人って言われるとなんか照れちゃうなあ」
「うふふ、私も言ってみてからニヤニヤしちゃいました」
「おい、早くするでござるよ」
「僕らは今冷静さを欠こうとしています」
「あっ、ごめんごめん!!」
いかん、彼らの前でイチャイチャするとこっちの命が危ない。
『ウグワーッ! 空気を読みました! 実績・幸せのお裾分けは時に猛毒、解除! 1500pt獲得!』
「THE・探索展開! アリの巣ダンジョンを攻略するための、マップアプリを開いて……。課金してネタバレオプションをオープン!」
俺の眼の前に、アリの巣の全図詳細が展開した。
「みんなの視界に共有します。びっくりしないでね。透過度上げておくんで」
「う、うわーっ!? なんでござるかこれはー!!」
「眼の前の半透明な地図が!?」
「触れないぞ!」
わあわあと驚く一行。
アリの巣で騒いだものだから、アリ達がわいわいやって来た。
ひとまずこれと戦うことになる。
「チィエヤァーッ!!」
壁と天井を蹴りながら跳躍したユニ蔵が、360度方向から襲い来るアリに次々手刀を叩き込んでいく。
アリの首が飛ぶ!
アリの首が飛ぶ!
アリの首が飛ぶ!
「うおおおおお!!」
守護者の人が、押し寄せるアリを盾で食い止めながらいなす。
隙間から漏れてきたのを、戦士長が的確に剣を使って処理する。
魔道士が拘束と同時に毒を与える魔法を発動し、アリ達を弱らせる。
司教が輝く奔流を呼び出し、アリを押し流す。
吟遊詩人は歌声で仲間たちを強化する効果をもたらし、密偵は隙間から漏れてくる敵はいないかを常にチェックしている。
「流石の連携だ」
「ですね! とっても強いです! ……ミアンのいつものを見ていると、すごく普通に強い感じです!」
「俺のは変な強さだからね……」
「そういうのもいいと思いますよ! ……って、ここじゃあんまり言っちゃいけないんでした。じゃあ私も頑張ります! おりゃー!」
マキナの突き出したショット薙刀が、襲ってきたアリの胴体に突き刺さる。
アリの鉤爪を手甲で弾きながら、マキナはアリの肩に手を懸けて、無理やり薙刀を抜く。
ついでに力ずくでアリをねじ伏せ、頭を叩き落した。
うーむ、強い。
「俺もみんなの手伝いをしよう。チャットボット、マンハンターアントが苦手とする武器、俺にも使えそうなのをチョイス」
『とてもいいオーダーですね! 素人のミアンさんが使えそうなアイテムは……』
仮にもジュエル級に達したが、やはり俺はまだまだ自認素人なのだ。
『こちらなどいかがでしょう。強力! アリキラースプレー!』
「さっきのの強力版か!! ノズル式で仲間に掛からないようにできる! それだ! じゃあ購入」
500ptだった。
やっすい。
そしてさっきのスプレーよりも大容量で、かなり長持ちしそうだ。
巨大昆虫の気門付近から油とかを取り去って呼吸できなくするものらしい。
ほうほう……。
俺はちょろっと戦士長の脇に移動し、彼と格闘しているアリの脇腹……気門にシュッと吹きかけた。
『~~~~~~~~ッ!!』
巨大アリが突如空を掻いてもがき、まともな攻撃ができなくなる!
戦士長はこの隙にアリの首をはねた。
「今何をやったんだ!? いきなりアリの動きが乱れたようでしたが!」
「このスプレーでシュッと……。ちょっと他もやってみるんで」
俺がスプレーをあちこちにシュシュシュッと吹きかけると、押し寄せるアリたちが次々に倒れ込んでじたばたもがき始める。
効果は抜群だ!!
化学的な力で、アリが呼吸できなくなるアイテムなのだ。
強い。
アリ相手なら無法に強い。
「このスプレー使いながら、女王アリまで駆け抜けます! 先導お願いします!」
「了解だ」
密偵の人が頷いた。
彼は俺のアリ退治速度を把握すると、ちょうどいい速さで移動を開始する。
地図を完全に把握したらしく、迷いのない足取りだ。
うーん、優秀。
「アリが仕掛けた罠まで記録されている。この地図、とんでもないな……。なるほど、ミアンさんがジュエル級とされるわけだ。君の強さはこの圧倒的な応用力だな? 俺の商売もあがったりになってしまう」
彼は笑いながら、唐突に出てきたアリを跳び箱みたいに飛び越えながら、小剣でその背筋を切り裂いて着地する。
アリは神経節を破壊され、崩れ落ちた。
「強い!」
「俺達の強さと君の強さは方向性が全く違う。そちらは、どちらかというと魔法に近いんだろうな。さて、この先が……女王アリの部屋だ」
入口を固めていた兵隊アリをスプレー一吹きで無力化!
『~~~~~~~~!!』
飛び込んだ先に、家ほどもあるアリがいた。
女王アリだ!
『ウグワーッ! アリの巣のゴール地点に到着しました! 実績・女王アリとご対面、解除! 1000pt獲得!』
◎現在のポイント:134220pt
貢献ポイント :155755ポイント
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