実録ドキュメント NEET絵本が出来上がるまで・・・。
全部実話ですよ。
某学校で、このニート絵本なんてくだらないものが開発されました。
事の始まりは、馬鹿一人。和呼之巳夜己から始まったことでした。
授業で子供向け絵本を作ることになった和呼之は普通の絵本じゃつまらんとアイディアを二時間ほど考えました。
考えた末に出来た作品は『白い壊し屋』。家に住み着いた白鼠と人間の超絶な戦いでした。それは三部構成ぐらいで、ニート絵本とは,ま逆と言って良いほどの逆向きの作品でした。
しかし、あるとき和呼之は別の授業中に閃いたのです。
今、社会現象となって言うニートを題材にしたらどうだろう!思い立ったが吉日、それを友達に話してみました。話したこの時点で周りの方から、子供向けじゃねぇだろ・・・。という声が続出しました。
しかし、これまでのようなありきたりな作品では、家庭科の5は取る事は敵わないのです【今成績表を見直すと、4でした。たいした事していない一学期が5なのは何ででしょうか】。
考えに考えた結果、和呼之はこの作品を作り上げることに決めたのです。
和呼之はこの絵本をつくるとき、ひとつの決意をしました。
「後々自分で作ったものが誇れる、そんな本にしよう。」
、というものでした。その結果、誇れるまで行かなくともまぁこんなもんでしょ。と、鼻息荒く言うことができる一冊となったのです。
しかし、そこで和呼之のわがままっぷりはとまりません。
和呼之の鈍い眼光の魔の手は、何作ったら良いんだ・・。という友人,NとTに伸びたのです。
Tが困っていると原案用紙にサラさらっとタイトル、こんなニートな僕だけど。と。
それをNに見せるとNが
「お、じゃ、俺もじゃね!」
と便乗してたとえ僕がニートでも。という和呼之から一方的に広まったNEET絵本化計画は広がっていったのです。
授業中、授業も聞かずに和呼之は考えます。
ルーズリーフに板書を写してるふりをして考えています。
ルーズリーフに書かれた企画書は莫大な枚数に膨れ上がり、手書きの十数枚にまでなったのです。この間わずか一週間と数日。殆どの授業をこれに当てました。
そこには、表紙絵の下書きから、キャッチコピーの数々。そして、小冊子の収録内容に、裏表紙。カバーの折り返しに帯の折り返し。三冊分の特別付録。そんなことが永遠と十数枚にわたって書き記されていたのです。
現在は其の紙は行方不明となってしまいましたが。
そんなこんなで、出来上がった絵本、僕はニートでいいのかな。
そして、NとTの二人の分も和呼之が文以外を担当させてもらいました。
しかし、製作途中に、重大な事件が起きたのです。
それは、和呼之の不注意によって外部に漏らされてしまったニート絵本情報と、第一版ニート絵本三冊でした。しかし、それは人が人を呼び、瞬く間にニート絵本はクラスの一部からやがて大きな反響を呼ぶものとなったのです。
和呼之をはじめとする作家は、主人公の名前を決めかねていました。
あまりしっくりとする名前がなかったのです。
それは、何とかニートで通そうとなりましたが。
挿絵担当中にも事件は起こりました。
Tがうつ伏せと仰向けを逆に覚えていたのです。そこから、この絵本内ではうつ伏せでなく=仰向けでなくという一種の定義となってしまったのです。
そもそも、Tというのがなかなかの珍発言をしてくれる一緒にいて楽しい人だったのです。一例として、無用の長物や、鳥の風物詩、伝説のスタチュー。畑沢任三郎、あご力などでした。
そんなTやNの笑いなどの力を得て、ついに出来上がったかと思われた絵本通常版。
しかし、和呼之の絵本には初回限定特別版の小冊子製作という仕事が残っていたのです。
和呼之はそれを数日かけて、きちんと行数設定など細かい部分を設定に告ぐ微調整の末に、それを印刷直前までこぎ告げたのです。
しかし、そう簡単に初回限定小冊子発行は行かなかったのです。
完成していた原稿がパソコンが立ち上がらないというトラブルにより、データが消えたのです。
提出期限までに間に合わなくなってしまった和呼之はそれを手書きで作ることを決意し、一日中制作に没頭したのです。
そして、ついに平成ニート絵本三部作が出来上がったのです。
完成品は、絵本にカバー、帯、栞。そして初回限定特別版の特別小冊子FINALFACTだったのです。その小冊子にすら、リアルな製本を施した一冊だったのです。
出来上がった絵本は授業で公開時に大反響を呼び、クラスからの評判も上々のものでした。
予断ではありますが、出来上がった絵本の読み聞かせをクラス内で行うといった際に、賭け事に弱いNがジャンケンで負け、読むことになっていたのですが、まわし読みという形になってしまい、和呼之とTは若干悲しそうでした。
そんなこんなで苦労に苦労を重ね出来上がったニート絵本を小説で大公開。
どうぞこれから繰り広げられるニートワールドをどうぞ、お楽しみください。
以上、ニート絵本共同作家を代表しまして和呼之巳夜己からでした。
次回より、本編をお楽しみください。
長々と長文を読んでくださり、ありがとうございました。