幼女、怪獣
そしてケイティさんの挑発に乗ったプリフィ。
「わかりました、ケイティさん、イッチョやりましょう」
そしてお互いにテーブルの上に両肘を乗せ、右手の平を握り合わせた。
「じゃあアリエッタちゃん、合図をお願い」
「わかりましたわ、それでは、始め!!!」
そして私の始め!!!と言った瞬間、ケイティさんの手が右側に倒れ、プリフィの手が左側に倒れた。
「・・・うそでしょ?私が負けるなんて・・・、私の魔力は150もあるのよ?若い頃は神童と呼ばれていてほとんど負けた事が無かったのに」
ケイティさんは悔しがっていた。
「プリフィちゃん、もう一回お願い、アリエッタちゃん、合図をお願いするわ」
「わかりました」
「わかりましたわ、それではお互いに手を握って・・・、始め!!!」
今度はケイティさんの様子がおかしい、もしかしてさっき言っていたここぞと言う時の凄まじいイメージでも使ったのだろうか?
『ボキ!!!』
嫌な音が鳴った後、ケイティさんは手は右側に、プリフィの手は左側についた。
「ケイティさん!!!大丈夫ですか?」
「あはは、右手が折れちゃったわ、それでも負けるなんて」
プリフィはすぐに違和感を感じたのだろう、ケイティさんに心配の声をかける、それを聞いていた私はすぐに癒やしの魔法を使う事にした。
「メガヒール」
私の言葉とともに、ケイティさんの右手に光が集まり、そして次の瞬間ケイティさんの右手は治った。
「・・・、アリエッタちゃん・・・、そんな・・・、それじゃあもう聖女じゃない、私は一体どうしたら良いのかしら、プリフィちゃんと言い、アリエッタちゃんと言い、2人とも怪獣よ」
そんな言葉をケイティさんは言うけれど、私は前世の記憶があるから魔法のイメージが出来るのだ、それにお姉ちゃんのプリフィも普通だと思っていたけれど、ケイティさんの魔力が150で神童なら、お姉ちゃんは怪獣だ。
「私の旦那のガウディ、右手が異常に大きいでしょ?あれは私とガウディが初めて会った頃、私がアームレスリングの大会のミドルの部門で優勝したの」
ケイティさんは突然、ガウディさんの右手の事について語り出した。
「そしてその時、決勝戦で私とガウディは初めて会ったわ」
ケイティさんは懐かしむ様に昔語りを続けた。
「私とガウディが勝負をして、私が勝って、その後ガウディはこう言ったの『俺がいつかあんたに勝ったら結婚してくれ』ってね」
あ〜、そんな出会いがあってケイティさんは結婚したのか・・・、ガウディさんの右手が何故大きいのか、だんだんわかって来た。
「それでね?その後ガウディは右手ばかり鍛えて、その内に右手だけが立派になっちゃったってわけ、そして私達は20才になった頃再び出会ってアームレスリングの勝負を挑まれたの・・・、でね?私は思ったの、私の為にここまで腕を鍛えられる男性なら、一緒になっても良いかなって」
ケイティさんは矢継ぎ早に言うが、私はケイティさんの気持ちがわかった。
「私はワザと腕相撲で負けたのよ・・・、実は全然余裕だったんだけどね・・・、って言う事で私の秘密を話したわ、だからプリフィちゃんとアリエッタちゃんの秘密も話せるだけ話してね?」




