幼女、文字が読めない
「はい、これがメニューよ、文字は読める?」
サラは自己紹介の後にメニューを渡して来て、文字は読める?と私達に聞いて来た。
「私達、文字は読めません、勉強した事が無いから」
「あら、じゃあ私が家で時間がある時、教えてあげるわ、文字が読めないと騙されたりして大変だからね」
「え、本当ですか?ありがとうございます」
サラの問いに、プリフィが文字が読めないと言ったら、ケイティは文字を教えてくれると言った。
(ケイティさん、なんて良い人なんだろう、住む所を与えてくれるだけじゃなく、文字まで教えてくれるなんて)
ちなみに私の鑑定の場合、日本語表示だから読めるのだけれど、私はこの世界の文字は読めない、この世界の文字は見た記憶も無いのだ、だからケイティの申し出は大変ありがたい。
「それよりも食事よ、メニューがわからないんじゃ、今日の所はみんな同じので良いわね?これからが2人で食事をする事があるだろうからメニューを選ぶのは楽しみにとっておきなさい」
「そうですね、そうしましょ、アリエッタ」
「ケイティさん、ありがとうございます、それでよろしくお願いしますわ」
こうして、ケイティの提案により、文字が読めない私達の為に、同じメニューにする事になった。
「じゃあサラ、今日はふわふわパンと肉シチューを3つお願い、ふわふわパンは6個出してね?」
「わかったわ、ふわふわパン6個と肉シチュー3つね?」
ケイティがメニューを言うと、サラは復唱して確認をして、厨房の方に戻っていった。
食堂の中の辺りを見回すと、今の食堂の中はお客さんの数は少なくて、私達の他に1組しか居ない。
時間的にまだまだ早いからだろう。
「あの、ケイティさん、今頼んだのっていくらぐらいですか?」
「今頼んだの?ふわふわパンと肉シチューは、パンが2つで200G肉シチューが600Gで、合計で800Gよ?」
「そんなに高いんですか!私達、今まで1日で良くても200Gぐらいの稼ぎしか無かったから・・・えーと、今までの私達の稼ぎの4日分です、今は16000G
持っているから良かったです」
プリフィは気になったのか、今頼んだ食事がいくらぐらいかケイティに聞いた。
値段を聞いてプリフィは驚いて、今までの稼ぎの4日分だと言った。
(今までの私達からしたら、とてもはらえる金額じゃあ無いわよね、ここの食堂は良心的な値段なのだけど、でも出来ればこれからも美味しいものが食べたいわよね、ケイティさんにちょっと気になる事を聞いてみようかしら)
「ケイティさん、私達、冒険者登録出来ないでしょうか、おねえちゃんも魔法が使えるから、少しは依頼が受けられるかも知れないので」
「出来るわよ、あなた達に言おうと思ったのだけど、冒険者登録しておきなさい、アリエッタちゃんはストレージ持ちだから、良いお金になる依頼が受けられるわよ?」
私は思い切ってケイティに冒険者登録出来ないか聞いて見たら、嬉しい事に冒険者登録出来ると言う。
ゴミ拾いは1日で良くても200Gの稼ぎだったけど、薬草だけで3日掛かったけど、11000Gで私達の稼ぎの55倍だ、だけど薬草だって毎日はとれない、毎日とってしまうと薬草絶えてしまいかねないからね。
だから何かしらの依頼を受けられる様になれば、日当を稼げる様になるかも知れない、私達にとっては冒険者になる事は、まさに渡りに船だった。




