第4話♡朝のバックヤードは恋バナと美の香り♡ スイ様プロデュース大作戦!
「――ひゃああああっ!? ス、スイ先輩、そ、そんな大胆なこと……っ! 私、まだ心の準備が……!!――」
スイ先輩の熱い吐息が耳元をくすぐり、サキの体温が一気に上昇する。先輩の指が、まるで運命の糸をたぐるように、サキの顎をくいと持ち上げる。
バックヤードに満ちる、濃厚で甘美な花の香りと、他のメイドたちの楽しげな嬌声。
もう、サキの思考は完全にショート寸前だった――!
会員制茶屋「太夫」日本本店・リュウカの私室 – 早朝。障子越しに柔らかな朝日が差し込み、部屋には静謐な空気が流れている。リュウカは文机に向かい、今日のギルドの予定を確認している。その足元には、美しい白い毛並みの猫、聖獣ミャウリが香箱座りをしていたが、不意に大きなあくびをした。
ミャウリ「ミャフ~ン……。リュウカ、今日の『太夫』は、なんだか朝から空気がいつもより甘酸っぱくて、キラキラしてるニャ……。まるで、恋の魔法の粉でも舞っているみたいだニャン!」
ミャウリ「(リュウカの足にスリスリと甘えながら、青い瞳でじっと見上げる)今日のサキの運勢は……ズバリ!『恋心暴走注意報発令度:星いつつ☆☆☆☆☆』だニャ! きっと、ガールズトークで秘密の扉が開いちゃって、ドキドキが止まらなくなるに違いないニャン!」
リュウカ「まあ、恋心暴走注意報、ですって? それはまた、随分と刺激的な一日になりそうですわね。サキさんにとっては、ちょっぴり危険な試練かもしれませんわ」
リュウカ「(ミャウリの喉を優しく撫でる。ミャウリは気持ちよさそうに目を細める)」
ミャウリ「大丈夫だニャ! 今日のサキちゃんには、吾輩から特別なバフを授けておこうニャン! えいっ!『禁断の恋バナ・スルースキルちょっぴりアップニャ! ただし、黒猫さんの甘い囁きには効果薄めかもニャ♡』 これで、うっかり口を滑らせる危険も少しは減るはずだニャ!……たぶんニャ♡」
ミャウリ「(得意げに小さな前足で空を切る。サキの周りに、目には見えない小さな盾のような光が一瞬だけ現れて消えた)」
ミャウリ「ただし! 今日は『物欲センサー暴走注意報:星よっつ☆☆☆☆』も出てるからニャ、可愛いコスメやアクセサリーの誘惑には、お財布の紐をぎゅーっと締めておくように、と伝えておくのが吉だニャ! 特に、キラキラした羽を持つ蝶々みたいな人の甘い言葉には要注意ニャン!」
リュウカ「ふふ、ミャウリらしいアドバイスと、少し意地悪なバフですこと。ありがとう。サキさんも、きっとこの賑やかな一日を通して、また一つ、自分の心と向き合うことになるのでしょう」
リュウカ「さて、わたくしも準備をしませんと。今日も一日、乙女たちの甘く、そしてちょっぴり危険な囁きが、この『太夫』を美しく彩りますように」
ミャウリ「今日のデザートは、新作の『恋する乙女のハート型ベリータルト・金箔キラキラ添え』だと最高に嬉しいニャ! キラキラした恋バナの日にぴったりだニャン! あと、昨日の『特上マグロ丼・追いトロマシマシ』は絶品だったニャ! さすが吾輩の見立てだニャ!」
会員制茶屋「太夫」日本本店・二階バックヤード休憩室 – 午前中。大きな窓からは、春の柔らかな日差しが差し込み、メイドたちの憩いの場となっているこの部屋を明るく照らしている。どこからか、昨日よりもさらに濃密で、心を浮き立たせるような甘い花の香りが漂ってくる。それは、まるで誰かが意図的に「恋の媚薬」を焚いたかのような、抗いがたい芳香だった。**
サキ「はぁ~……昨日はスイ先輩にドキドキさせられっぱなしで、夜もなかなか眠れませんでした……。あの時のスイ先輩の瞳、なんだかいつもより熱っぽくて……思い出すだけで、顔がぽっぽしちゃいますぅ……ぽ♡」
サキ「(頬を両手で押さえ、天井を仰ぎ見る。昨夜の「甘い“香り”」の影響がまだ残っているのか、それとも純粋にスイへの想いなのか、サキの心はふわふわと宙を舞っているようだ)」
スイ「んふふ、サキちゃん、朝から可愛い独り言ニャン♡ もしかして、あたしとの“秘密の夜”のことでも思い出して、一人で盛り上がってたのかニャ?♡」
スイ「(背後から音もなく現れ、サキの肩にそっと顎を乗せる。吐息がサキの桜色の猫耳をくすぐり、サキの肩が愛らしくピクンと跳ねる。その仕草は、まさに獲物を見つけた黒豹のようだ)」
サキ「ひゃっ!? ス、スイ先輩! い、いつからそこに!? また気配を消して……! 本当に猫みたいです!」
サキ「(慌てて距離を取ろうとするが、スイのしなやかな腕がサキの腰に素早く回され、抗う間もなくぐっと引き寄せられる。スイ先輩の黒髪から漂う、甘く蠱惑的な香りと、バックヤードに満ちる花の香りが混ざり合い、サキの心臓は危険なほど早鐘を打つ)」
スイ「ついさっきからニャ♡ サキちゃんの可愛い寝言、全部聞いちゃったかもニャン♡ それよりサキちゃん、見て見て! この間、ハナが『妖精の森の蚤の市』でこっそり仕入れてきたっていう、新作の『うるツヤ猫目アイライナー・夜桜ブラック・媚薬配合(嘘)』! キラキラのラメが、まるで夜空に散りばめられた星屑みたいで、たまらないのニャ~♡」
スイ「(ウインクすると、サキの目の前に小さな黒い小箱を突き出す。中には、夜の闇をそのまま閉じ込めたかのような、繊細なラメが妖しく煌めく漆黒のアイライナーが鎮座していた。そのアイライナーからも、微かに甘い香りが漂ってくる気がした)」
サキ「わぁ! 本当だ、すっごく綺麗……! キラキラしてて、吸い込まれそうです! スイ先輩の切れ長の瞳に、このアイライナーを引いたら、きっと誰もが見惚れちゃいますよ!」
サキ「(目を輝かせるサキ。スイ先輩のブルベ冬の肌と黒髪に、この漆黒のラメは魔法のように映えるだろうと直感する。自分もイエベ春だけど、こんな大人っぽい色にも挑戦してみたいかも……ミャウリ様のバフ、効いてる?)」
スイ「でしょでしょ~?♡ この妖しい輝き、まさに今のあたしにぴったりニャン♡ ねぇ、サキちゃんも試してみる? 今日のサキちゃんは、このアイライナーでちょっぴり大胆な“夜の蝶”に変身してみない?♡ この香りに誘われて、ね♡」
スイ「(いたずらっぽく艶然と微笑み、アイライナーをサキの頬にそっと近づける。その吐息がかかるほどの距離感に、サキはまたしても顔を真っ赤に染め上げる)」
サキ「ええっ!? わ、私なんかに、こんなセクシーな黒、似合いますかね……? いつもピンクとかコーラル系ばっかりで……でも、なんだか今日は、新しい自分になってみたい気分なんです! ぽ♡」
サキ「(期待と不安が入り混じった声。スイ先輩の蠱惑的な瞳に見つめられ、断れない雰囲気にドキドキする。今日のこの甘い“香り”のせいかしら……?)」
ユナ「スイせんぱ~い! サキさ~ん! おはようございますですの~! あら、またメイクのお時間ですの? わたくし、この間ハナ様に教えていただいた『異世界でも鬼映える!桃色天女の吐息チーク・極み(オーロラパール配合)』というのを、今日初めて頬に乗せてみたのですけれど、いかがです~? 太陽の光でキラキラして、まるで羽衣みたいなんですの!」
ユナ「(そこへ、パタパタと軽快な足音と共に、異世界メイドのユナが天女の羽衣をふわりと揺らしながら登場。ほんのり上気した頬をサキとスイに見せる。確かに、そのブルベ夏の白い肌に乗った桃色のチークは、オーロラのように多色に輝き、ぽわぽわとした神秘的な光を放っている)」
サキ「ユナさん、すっごく可愛いです! なんか、頬が虹色にキラキラしてて、本物の天女様みたい! 私もそんな風に、透明感のあるメイクができるようになりたいです!」
サキ「(思わず感嘆の声を上げるサキ。ユナの天真爛漫な可愛らしさが、その特別なチークでさらに引き立っている。自分もあんな風に、パーソナルカラーに合ったコスメで輝けるかな……?)」
ハナ「あー! ユナちん、そのチーク、まじ神コスメじゃん! どこの裏ルートでゲットしたの!? 私にもこっそり教えてよー! てかサキたんも、スイ先輩にメイクレッスンしてもらってんの? いいなー! 私もスイ先輩のゴッドハンドで、今日の合コン(極秘)で一目惚れされる最強モテ顔にしてくださーい!」
ハナ「(ユナに続いて、コンシェルジュのハナがホログラムファッション誌を小脇に抱え、目を爛々と輝かせて休憩室に飛び込んでくる。彼女のイエベ春の肌には、トレンドのオレンジ系リップが太陽のように輝いている。その全身からは、最新のフレグランスの甘くスパイシーな香りが漂っている)」
スイ「あらあら、ハナまで来ちゃったのニャ♡ しかも合コンって、アンタまたそんな俗っぽいことを……まあ、いいわ。今日のこのバックヤードは、まるで『美の女神降臨祭』みたいに、甘い“香り”とキラキラオーラで満ち満ちてるしニャ♡ 今日は特別に、このスイ様が、みんなをとびっきり可愛く変身させてあげるニャン♡ 題して、『スイ様プロデュース!太夫ビューティーアップ大作戦・禁断の扉、開いちゃいまスペシャル!』ニャ!♡」
スイ「(腕を組み、自信満々に胸を張るスイ。その言葉に、休憩室の空気は一気に華やぎ、甘い“香り”がさらに濃厚になった気がした)」
サキ「えええ!? そんな大袈裟な! しかも禁断の扉って何ですか!?」
サキ「(戸惑いつつも、どこかワクワクしているサキ。今日のスイ先輩は、いつもよりさらに積極的で、目が離せない)」
ユナ「わーい! スイ様、ぜひお願いしますですの~! わたくし、もっと人間界の“盛れる”という技術を習得したいです! 妖の島では、お化粧といえば薬草をすり潰したものを塗るくらいでして、それはそれで趣があるのですが…」
ハナ「やったー! スイ先輩、まじリスペクトっす! 私、スイ先輩のメイクテク、今日こそ全部盗んで自分のモノにしちゃいますからね! あ、そうだ! メイクしながらちょっと聞いてくださいよー! この前、リシア先輩が担当したっていう、超絶イケメンで有名なIT企業の若社長、月詠様っているじゃないですか? あの人、絶対リシア先輩のこと、ガチで口説こうとしてるらしいですよ! 初回面談の時から、もう目がハートで、リシア先輩のことしか見てなかったって、二階のメイドの間でもっぱらの噂! 『太夫』始まって以来のビッグカップル誕生か!? なんて、みんなでコソコソ囁いてるんです♡」
ハナ「(メイク道具をテーブルに広げながら、ハナがとっておきのゴシップを投下する。その声は、興奮で少し上ずっている)」
サキ「えっ、リシア様の恋バナ!? 聞きたいです! あのクールで完璧なリシア様に、そんな熱烈なアプローチがあるなんて……! なんだか、すごくドキドキします!」
サキ「(食い気味に反応するサキ。昨日会ったばかりの、氷のように美しく、しかしどこか温かさも感じさせるリシア様の意外な一面に興味津々だ。あんな完璧な人にも、恋の悩みとかあるのかな……?)」
ユナ「(頬を赤らめて、もじもじと羽衣の袖を弄る)わたくしは、この間、同じ異世界メイドのカエデ様(天狗メイド)が、朝の鍛錬で滝に打たれてびしょ濡れになった黒髪を、力強い手つきでぐいっとかき上げるお姿を偶然拝見してしまいまして……その、普段の真面目で少し堅物な姿とのギャップが、あまりにも凛々しくて……胸が、きゅん……と、雷に打たれたみたいに高鳴ってしまいましたの……♡ あの力強い腕とか……思い出してもドキドキします……」
ユナ「(頬を染め、うっとりとした表情で告白するユナ。普段は厳格でイエベ秋の落ち着いた雰囲気を持つカエデの、ふとした瞬間の野生的な色気にときめいているらしい)」
スイ「あらあら、ユナちゃんたら大胆ニャ♡ しかもカエデの腕って、具体的すぎニャい?♡ でも分かるわ~、ギャップ萌えってやつよね。普段隠してるものがチラッと見えると、ドキッとしちゃうものニャン♡ ちなみにサキちゃんは、どんな人がタイプなのかニャ? やっぱり、優しくて、包容力があって、いざという時には頼りになって……そして、夜には二人きりの時にだけ、甘えた声で名前を呼んでくれるような、ちょっとだけSっ気のある黒猫系とか?♡ ねぇ、教えてくれるかしら?♡」
スイ「(サキの耳元に顔をぐっと寄せ、熱い吐息を吹きかけるように、わざとゆっくりと、そしてねっとりと囁く。その声は、まるで猫がじゃれる時のように甘く、しかしどこか抗えない響きを持っている。スイの黒い猫耳が、サキの頬に触れそうなくらい近い)」
サキ「ひゃああああっ!? ス、スイ先輩、そ、そんな大胆なこと……っ! 私、まだ心の準備が……!!」(顔が真っ赤になり、桜色の猫耳がぴくぴくと激しく震える。心臓の音が、バックヤード中に響き渡ってしまいそうなくらい大きい! ミャウリ様の占い、『黒猫さんの甘い囁きには効果薄めかもニャ♡』って、こういうことだったの!? スルースキル、全然発動してませんけど!?)
サキ「(この甘い“香り”のせい? それとも、スイ先輩の魔性の魅力のせい? もう、頭がとろけちゃいそうですぅ!)」
ハナ「うわー! サキたん、それ完全に図星じゃーん! 顔真っ赤っか! 超分かりやすいんですけどー! てかスイ先輩、それって完全に自分のことアピールしてるし! どんだけサキたんのこと好きなの! 積極的すぎて、もう見てるこっちが照れるんですけどー! これはもう、#太夫の日常 #スイサキしか勝たん でポストするしかないっしょ!」
ハナ「(スマホを取り出し、光の速さでサキちゃんの真っ赤な顔と、それを見つめるスイ先輩の妖艶な表情を連写する。そして、こっそりメイド専用の裏SNSに『今日のスイサキ♡顔近く案件発生中!尊すぎてしんどい!現場からは以上です!』と投稿する。すぐに「いいね」と「分かりみが深い」というコメントが殺到した)」
(みんなでキャッキャウフフしながら、スイ先輩のアドバイスで新作コスメを試し合ったり、お互いの今日のアクセサリーやネイル(ハナは推し色のジェルネイル、ユナは花の形の髪飾り)を褒め合ったり、バックヤードは一気に華やかで賑やかな、そして甘美な雰囲気に包まれる。様々な花の香りと、キラキラした笑い声が、まるで春の嵐のように部屋を満たしていく)
サキ「ハナさんのそのピアス、キラキラの蝶々みたいで、すっごく可愛いです! まるで本物の妖精の羽みたい! どこのお店のですか?」
サキ「(ハナの耳で揺れる、虹色に輝く蝶の羽のようなデザインのピアスに目を奪われるサキ。自分もあんな風に、個性的なアクセサリーをつけこなしてみたい)」
ハナ「これ? あー、この間、異世界の『妖精の森の奥にある、満月の夜にしか現れない秘密の蚤の市』で見つけた一点物なの! 本物の月の光を浴びた蝶の羽を、特別な魔法で固めて作ったんだって! ちょっとお高かったけど、見た瞬間、『これは私のためのものだ!』って運命感じちゃってさー。先月のインセンティブ、ほとんどこれに注ぎ込んじゃった! でも後悔はしてない!可愛いは正義だから! ね、サキちゃんも今度一緒に行ってみない? ギルドの転移魔法陣使えば、あっという間よ! 珍しいコスメとか、魔力がこもったアクセとか、人間界じゃ絶対手に入らないものが、いーっぱいあるんだから!」
ハナ「(えへへ、と舌を出すハナ。ミャウリの『物欲センサー暴走注意報』の占いを思い出し、サキのキラキラした目を見て内心:おっと、サキちゃん、また誘惑しすぎちゃったかな? でも、可愛いものセンサーは共有したいしなー! お財布の紐は、ぎゅっと結んでおくのよ、サキちゃん!♡)」
サキ「えっ、妖精の森の秘密の蚤の市!? 私も行ってみたいです! でも、転移魔法陣って、私たちメイドも、そんなに簡単に使えるものなんですか? ちょっと怖いような気もしますけど……でも、すごく興味があります!」
サキ「(異世界……! まだ行ったことないけど、ハナさんの話を聞いていたら、すごくワクワクしてきた! でも、お財布が本当に心配……! ミャウリ様の占い、恐ろしいほど当たりすぎですぅ!)」
ユナ「まあ! 妖精の森の秘密の蚤の市! わたくしも久しぶりに行ってみたいですの~! きっと、わたくしたち天女の羽衣に合う、夜空の星々を集めて作ったみたいな、キラキラの髪飾りが見つかりますわ! サキさんもご一緒しましょう! わたくしが、安全な道をご案内いたしますわ!」
スイ「いいわねぇ、そういう特別な一点物。あたしは最近、ちょっと大胆な黒いレースのチョーカーが気になってるのニャ♡ サキちゃんみたいな白い首筋に、この黒いレースが映えると思うんだけど、どうかしら?♡ きっと、息を呑むほど似合って、誰もがサキちゃんから目が離せなくなるわよ。今度、こっそり試着させてあげようか?二人だけの秘密のフィッティングルームで、ね♡」
スイ「(サキの細い首筋に、冷たい指先をそっと這わせる。その背徳的な感触に、サキの肩がびくりと震え、甘い吐息が漏れそうになる。スイの瞳が、獲物を射止める猫のように妖しく光る)」
サキ「わ、私にですか!? そ、そんなセクシーなもの、まだ早いですって! しかも、くすぐったいですぅ! だ、ダメですってば、スイ先輩! みんな見てますし、それに、なんだかドキドキしすぎて……心臓が、持たないです!」
サキ「(顔を真っ赤にしてスイ先輩の腕から逃れようとするが、腰に回された手に力が込められ、逆に引き寄せられてしまう。もう、どうにでもしてください、という気持ちと、でもダメ、という気持ちがせめぎ合って、頭の中が真っ白になる)」
ハナ「えー、いいじゃんいいじゃん! サキたん、絶対似合うって! 美の探求に遠慮は禁物だよ! 今度一緒に見に行こーよ! あ、そうだ! 銀座の裏路地にある、知る人ぞ知る『秘密のランジェリーショップ・月影の閨』とかどう? ギルドの本当に一部のVIPしか紹介されない、超絶お高いけど芸術的な逸品ばかりらしいんだけど、私、ちょっとだけ裏ルートのコネがあるのよ。うまくすれば潜入できるかも! スイ先輩もどうです? きっとお眼鏡にかなう、とっておきの“戦装束”が見つかりますよ♡」
サキ「ひゃー! ら、ランジェリーショップ!? しかも秘密の!? そ、そんなの無理ですぅぅぅ! 心臓が破裂しちゃいます! 見るだけでも恥ずかしいですってば!」
サキ「(両手で顔を覆い、その場でしゃがみ込みそうになるサキ。もう、今日の情報量が多すぎて処理しきれない!)」
ユナ「ランジェリー……♡。わたくしたち天女の羽衣の下は、その……とっても薄くて、肌が透けてしまうのですけれど……そういうのも、人間界の殿方にとっては……魅力的に映るものなのでしょうか……? それとも、奥ゆかしさが足りないと、したたかだと思われてしまいますかしら……?」
ユナ「(首をこてんと傾げ、大きな瞳で純粋無垢に問いかけるユナ。彼女の天然発言は、時にとんでもない爆弾を投下し、場の空気を一変させる。その純粋さが、逆に倒錯的な魅力を放っていることに、本人は全く気づいていない)」
スイ「ユナちゃん、それはちょっと刺激が強すぎる質問ニャ♡ でも、男性って、そういう“見えそうで見えない秘密”とか“チラリズムの向こう側にある純粋さ”に、どうしようもなく弱い生き物なのよ、きっと♡ それは女性も同じかもしれないけどね? 特に、好きな相手の“隠された美しさ”は、どうしても自分のものにしたくなっちゃうものじゃないかしら?」
スイ「(サキに意味ありげな、そして熱っぽい視線を送り、悪戯っぽくウインクする。サキは顔をさらに赤くして俯き、手元の空になった桜餅ラテのカップを両手でぎゅっと握りしめるしかなかった)」
サキ「(もう、みんなの話が過激すぎてついていけません! でも、なんだかすごく楽しくて、ドキドキが止まらない! これがガールズトークのフィーバーってやつなのかな……ぽ♡ 私も、もっとみんなと仲良くなりたいな……! スイ先輩のことも、もっともっと……知りたい、かも……! ミャウリ様が言ってた『隠れた魅力発見アンテナ』、私にも何か新しい魅力、見つかるかな? この甘い“香り”が、私をどこへ連れて行ってくれるんだろう……?)」
(ガールズトークが最高潮に達し、部屋中がキラキラしたオーラと、様々な香水の甘く魅惑的な匂いで満たされている。スイがサキの顎に指を添え、顔を近づけた、まさにその時――!)
サキ「――ひゃああああっ!? ス、スイ先輩、そ、そんな大胆なこと……っ! 私、まだ心の準備が……!!――」
リュウカ「あらあら、随分と賑やかですこと。まるで、春の訪れを喜び、蜜を求めて乱舞する、美しい極楽鳥たちのようですね。楽しそうな声が、わたくしの執務室まで聞こえてまいりましたわ」
リュウカ「(ワゴンに美しいクリスタルのティーセットを乗せ、音もなく現れる。その場が一瞬にして、水を打ったように静まり返る。しかし、それは緊張ではなく、どこか心地よい静寂だ。彼女の登場と共に、部屋の空気がふわりと浄化され、清らかな桜と白檀の香りが満ちるような気がした。甘ったるい花の香りが、少しだけ和らいだように感じる)」
全員「「「「リュウカ様っ!」」」」
メイドたちは一斉に姿勢を正し、頬を染めながらも、憧れの眼差しでリュウカを見つめる。
リュウカ「皆様、楽しいお話の邪魔をしてしまいましたかしら? 今日は特別に、わたくしが『美神の微笑み~恋の蕾を花開かせる媚薬入り~』という名の、新作ハーブティーを淹れてまいりましたの。美肌効果はもちろん、飲むと秘めたる恋心が高まるとか、ときめきが止まらなくなるとか……ふふ、あくまで噂ですけれど。よろしければ、ご一緒にいかが? きっと、今の皆様の、その火照ったお顔にぴったりの一杯だと思いますわ」
リュウカ「(優雅な手つきで、クリスタルのティーカップを一人ひとりに配る。その所作一つ一つが、まるで計算された芸術のようで、目が離せない。彼女の黒曜石のような瞳は、どこか楽しげに細められている)」
サキ「(わぁ、リュウカ様直々のお茶だ! しかも、美神の微笑み!? 恋の蕾を花開かせる媚薬入りって……!? き、気になります! どんな味がするんだろう……! 飲んだら、私、どうなっちゃうんだろう……!)」
スイ「まあ、リュウカ様、ありがとうございますニャ♡ いつもながら、素晴らしいお心遣い、感謝いたします。この芳しい香りは……ローズヒップと、それから少しだけジャスミン、そして隠し味に月桂樹の葉……それに、ほんの少しだけ、妖精の涙の雫と、恋する乙女の吐息も入っているのかしら? とても癒されますし、心が浮き立ちますわ。さすがリュウカ様です」
スイ「(リュウカ様に恭しく一礼する。その瞳には、リュウカへの深い敬愛と、ほんの少しの警戒の色が浮かんでいるように見えた)」
ハナ「やったー! リュウカ様のお茶、超レアじゃん! しかも媚薬入り!? これ飲んだら、次のVIP案件、百発百中で成功して、指名No.1コンシェルジュ間違いなしだわ! 目指せ、ギルドのトップスター!」
ハナ「(内心:って、具体的な順位はリュウカ様にしか分からないんだった! 危ない危ない! でも、気分だけでもNo.1! このお茶のパワーで、絶対次の大型案件もゲットするんだから! そして、例の月詠様とリシア先輩のキューピッド役も果たしてみせる!)」
ユナ「リュウカ様、ありがとうございます! このお茶をいただけば、わたくしのお肌も、もっと天女のようにツルツルぴかぴかになって、カエデ様もわたくしに振り向いてくださいますでしょうか……? 日本の乾燥した空気は、わたくしたち天女の繊細な肌には少し厳しいのです……」
リュウカ「ふふ、効果は人それぞれですけれど、きっと、皆様の内なる美しさと、秘めたる想いを、さらに輝かせてくれることでしょう。信じる心も、美しさには大切ですから。ユナさん、後で保湿効果の高い、特別な花の蜜と、カエデさんの好物だという『妖の島の木の実を使った和菓子』のレシピを差し上げましょう。あなたのその純粋な想いが、届くとよろしいですわね」
リュウカ「ところで……先ほどの恋のお話、わたくしも少しだけ聞かせていただいてもよろしくて? 特に、サキさん。あなたにとって、“美しい”と感じるお相手とは、どのような方なのかしら? それとも……お相手は、必ずしも殿方とは限らないのかしらね?♡ その熱っぽい瞳は、一体誰を見つめているのかしら?」
リュウカ「(サキの瞳をじっと見つめる。その黒曜石のような瞳は、全てを見透かすように深く、そしてどこか悪戯っぽい、楽しそうな光を宿している。その視線だけで、サキは金縛りにあったように動けなくなる)」
サキ「(ひぃぃぃぃっ!? リュウカ様にそんな核心を突くようなご質問をされるなんて! しかも、最後の一言、完全に私の心の中、読まれてますぅ!? もうダメ、頭が真っ白です! いや、真っピンクに染まっちゃいそうですぅ!?♡ スイ先輩、助けてください~! ミャウリ様の占いにあった『禁断の恋バナ・スルースキル』、リュウカ様には全然効いてません! 強すぎます!)」
スイ「(サキの肩をそっと、しかし力強く抱き寄せ、悪戯っぽく笑うリュウカ様に、しかし真剣な、そしてどこか挑戦的な、燃えるような眼差しで応える)サキちゃんは、まだ恋という美しい毒を知らない、生まれたての純粋な子猫ちゃん。でも、きっと、心の目で見た“本物の美しさ”と“魂が求める相手”に、いつか必ず気づくはずですわ。それが、たとえどのような形であろうとも、ね♡ わたくしが、この手で必ず導いてみせます。その時まで、誰にも汚させませんから。たとえ、この『太夫』の支配人である、リュウカ様、あなたでも、ね?」
スイ「(最後の一言は、はっきりとした意志と、サキへの独占欲を込めて、リュウカ様に向けられた。二人の間には、美しい火花が散っているように見えた)」
ハナ「(小声で、興奮を隠せない様子で、しかしプロのコンシェルジュとしての観察眼も光らせながら)うわー、スイ先輩、ナイスすぎるカウンターパンチ! さすがサキちゃんの守護女神! そしてリュウカ様、完全にこの状況を楽しんでらっしゃるでしょ、あれは! 目がキラキラしてるもん! このお二人の関係性、もしかしてギルド最大のミステリーにして、最高のエンタメなのでは!? これはもう、月額課金してでも見続けたい神コンテンツ……いや、生で見届けないと!」
ユナ「(ドキドキしながらハーブティーを一口すする。ほんのり甘くて、花の香りが口いっぱいに広がり、心が落ち着いていくのを感じる。でも、目の前で繰り広げられる、リュウカ様とスイ様の火花散るやり取りは、なんだかすごくドキドキする……! これが、人間界の、いえ、『太夫』の日常なのですね……!)」
ミャウリ「(いつの間にかリュウカの足元にすり寄り、ティーワゴンの下段に置かれていた小さなミルクピッチャーと、なぜかカエデの好物だという木の実の和菓子を前足でちょいちょいしている。そして、満足げにリュウカを見上げている)ミャ~オ! さすがリュウカだニャ! この『美神の微笑みティー・媚薬入り(?)』、吾輩の占いの通り、乙女たちの恋心を暴走させる効果抜群だったようだニャン! 特にサキちゃん、顔が熟れた桃みたいに真っ赤だニャ~、可愛いニャ~♡ これはもう、黒猫さんに食べられちゃうのも時間の問題かニャ?」
ミャウリ「それにしても、このお茶、ほんのりマタタビに似た、抗いがたい魅惑の匂いがするニャ~! 吾輩も一口飲んだら、銀座中のメス猫を虜にする、罪な伊達男(イケ猫)になれるかニャ~? リュウカ様、吾輩の分は、あの『毛並みが月光のように輝き、飲めば百人力(猫力)になるという伝説のミルクティー』と、このカエデの和菓子、どっちもいただいてもよろしくって?」
ミャウリ「(キラキラした目で見上げるミャウリ。その可愛さと図々しさに、場の空気がふっと和らぐ)」
リュウカ「あら、ミャウリ。あなたには、特製のミルクティーと、それからおやつの時間には、あなたの好きな『最高級マグロの炙りカルパッチョ・キャビア添え』を用意してありますわよ。カエデさんの和菓子は、ユナさんに差し上げるものですから、我慢なさいな」
リュウカ「(ミャウリの頭を優しく撫でる。ミャウリはゴロゴロと喉を鳴らしながらも、和菓子を諦めきれない様子でチラチラ見ている)さあ、みんなで楽しいティータイムの続きをしましょう。美しき乙女たちの、甘く、そしてちょっぴり危険な語らいは、何よりも尊いものですから。今日のこのドキドキも、きっとあなたたちをさらに輝かせるスパイスになることでしょう」
サキ「(うん、やっぱりこの『太夫』は、毎日が予測不能なカオスで、キラキラした美しさに満ちていて、ドキドキが止まらない最高の場所だっ! 私も、ここでたくさん素敵なこと、見つけられそうな気がする! ミャウリ様のバフのおかげで、今日は新しい自分と、そしてスイ先輩の新しい一面を発見できたかも……ぽ♡ この甘い“香り”が、私とスイ先輩の関係を、もっと素敵な方向へ導いてくれますように……!)」