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第3話♡バックヤード♡ガールズトーク・フィーバー!~新作コスメと禁断の恋バナと、時々、支配人~

「――ななな、何言ってるんですかスイ先輩! そ、そんなわけ……っ!――」


 顔がカッと熱くなり、心臓が飛び出しそうなくらいドキドキしている。スイ先輩の意地悪な笑みが、すぐ目の前にあって、甘い吐息が耳にかかる。

 バックヤードに響き渡る、他の先輩たちの楽しそうな笑い声。

 もう、どうにかなっちゃいそう――!





会員制茶屋「太夫」日本本店・リュウカの私室 – 早朝。リュウカは窓辺に立ち、静かに庭の桜を眺めている。その足元で、聖獣ミャウリが気持ちよさそうに伸びをしていた。


ミャウリ「ミャ~オ…リュウカ、今日の『太夫』は、なんだか朝からキラキラしたオーラでいっぱいだニャン! まるで、宝石箱をひっくり返したみたいだニャ!」

ミャウリ「(リュウカの着物の裾にじゃれつきながら、楽しそうに尻尾を振る)今日のサキの運勢は……ズバリ!『女子力向上イベント発生度:星いつつ☆☆☆☆☆』だニャ! きっと、可愛いものや綺麗なものにたくさん触れて、乙女心がキュンキュンしちゃうに違いないニャン!」


リュウカ「まあ、女子力向上イベントですって? それはサキさんにとって、とても良い経験になりそうですわね。何か、アドバイスはありますかしら?」

リュウカ「(ミャウリを優しく抱き上げ、その柔らかな毛を撫でる)」


ミャウリ「うーん、そうニャ……。今日は『誘惑に負けちゃうかも度:星よっつ☆☆☆☆』も高いからニャ、可愛いものを見ても、お財布の紐はしっかり締めておくように、と伝えておくのが吉だニャ! あと、吾輩からのバフは……『隠れた魅力発見アンテナ・感度アップニャ!』 これで、自分でも気づかなかった新しい魅力が見つかるかもしれないニャン♡」

ミャウリ「(リュウカの腕の中で満足げに喉を鳴らす。サキの周りには、またしてもキラキラとした光のアンテナが一瞬だけ立ったように見えた)」

ミャウリ「ただし! 恋バナの甘い罠には、くれぐれもご用心だニャン! うっかり秘密を喋っちゃうと、後で大変なことになるかもしれないからニャ~♡ 特に、黒猫さんのイジワルな質問には要注意ニャ!」


リュウカ「ふふ、ミャウリらしいアドバイスとバフですこと。ありがとう。サキさんも、きっと今日の出来事を通して、また一つ成長することでしょう」

リュウカ「さて、わたくしも準備をしませんと。今日も一日、乙女たちの美しい囁きが、この『太夫』を満たしますように」


ミャウリ「今日のランチは、新作の『七色の宝石風海鮮ちらし寿司』だと嬉しいニャ! キラキラした運勢の日にぴったりだニャン!」


**【バックヤード・フィーバー!】**


**シーン:会員制茶屋「太夫」日本本店・二階バックヤード休憩室 – 第二話の続き。スイが淹れてくれた桜餅ラテの良い香りがふわりと漂っている。大きな窓からは、昼下がりの柔らかな日差しが差し込み、メイドたちの憩いの場となっているこの部屋を明るく照らしている。**


サキ「ふぅ~……スイ先輩の桜餅ラテ、やっぱり最高に美味しいですぅ……。なんだか、二階に来てからずっとドキドキしっぱなしだったので、やっと心が落ち着きました……ぽ♡」

サキ「それにしても、昨日お会いしたリシア様もハナ様も、本当にすごくて……私、あんな風にお仕事できるようになるんでしょうか……。ラウンジの空気、なんだかピリッとしてましたし……」

サキ「(ラウンジでの出来事を思い返し、少し不安そうな表情で空になったカップを見つめる)」


スイ「あら、サキちゃん。もうそんな弱気になっちゃダメよニャン♡ 誰だって最初は新人なんだから。それに、アンタにはこの私が、ちゃーんと色々教えてあげるわ」

スイ「(サキの隣に座り、その桜色の猫耳を優しく撫でる。サキはくすぐったそうに肩をすくめる)それにしても、リシアがアンタの瞳を褒めてたのは流石だと思ったわ。あの子、美しさに関しては本当に厳しくて、滅多に人を褒めないからニャ。サキちゃんは、リュウカ様にもリシア様にも認められた、期待の新人ってことよ♡」


サキ「えっ、リシア様が……私の瞳を……? そんなこと、全然気づきませんでした……!」

サキ「(スイ先輩に撫でられて、なんだか猫みたいに懐きたくなっちゃう……。スイ先輩の手、あったかくて優しいな……。それに、さっきラウンジで感じた甘い香りとは違う、スイ先輩自身の落ち着くような、でもどこかドキドキする香りがする……ぽ♡)」


スイ「そうよ。だから自信持ちなさいニャ♡ ねぇ、サキちゃん、ちょっとこっち向いて。この間手に入れたばかりの新作のアイライナー、試してみない? 『夜桜ラメブラック』っていうの。夜空に瞬く星みたいに、繊細なキラキラのラメがたくさん入ってて、アンタの大きな瞳をさらに魅力的にすると思うわよ」

スイ「(ポーチから細身のアイライナーを取り出し、サキの顔を優しく覗き込む)」


サキ「わぁ! 本当だ、すっごく綺麗です! でも、私なんかに似合いますかね……? こんなキラキラしたの、普段使ったことなくて……ちょっとドキドキします! でも、なんだか今日は新しいことに挑戦したい気分なんです!」

サキ「(ミャウリ様の『隠れた魅力発見アンテナ』バフが微かに反応しているような、そんな予感がする……!)」


ユナ「スイせんぱ~い! サキさ~ん! おはようございますですの~! ……あら? もしかして、メイクのお時間ですの? わたくしもお仲間に入れていただいてもよろしいでしょうか?」

ユナ「(バックヤードのドアからひょっこり顔を出し、楽しそうな二人の様子に目を輝かせる。彼女の周りからは、ふんわりと甘い花の香りが漂ってくる)わたくし、この間ハナ様に教えていただいた『妖精の吐息チーク・ピーチドリーム』というのを、今日初めてつけてみたのですけれど、いかがです~? ふんわりと色づいて、人間界で流行っているという“ぽわぽわ感”が出ていますかしら?」

ユナ「(両手で頬を隠しながら、恥ずかしそうに上目遣いでサキとスイを見せる。その白い猫耳も、期待するようにぴくぴくと動いている)」


サキ「ユナさん、すっごく可愛いです! なんか、頬が桜の花びらみたいに、ぽわ~って優しく色づいてて! 思わず守ってあげたくなっちゃいます! ぽ♡ 私もそんな風にチーク入れられるようになりたいです!」


スイ「ユナちゃんも来たのニャ♡ いいわよ、今日は特別に、あたしがみんなを昨日よりもっともっと可愛くしてあげるニャン♡題して、『スイ様プロデュース!太夫ビューティーアップ大作戦・スペシャルステージ』ニャ!♡」


ハナ「え、何々? スイ先輩のビューティーアップ大作戦!? ずるーい! あたしも絶対混ぜてくださーい! おはようございまーす!」

ハナ「(書類の束をテーブルにドサッと置き、目を爛々と輝かせて割り込んでくる。彼女からは、最新のトレンドを感じさせる、少しスパイシーで甘い香りがする)ユナちん、そのチーク、まじでイロチ買いしたいやつじゃん! 超似合ってる! てかサキたんも、スイ先輩にメイクレッスンしてもらってんの? いいなー! あたしもスイ先輩のゴッドハンドで、もっと顧客ウケする最強モテ顔にしてくださーい!」


サキ「えええ!? そんな大袈裟な! でも、スイ先輩のメイク、すごく楽しみです!」


ユナ「わーい! スイ様、ぜひお願いしますですの~! わたくし、もっと“映える”メイクというものを知りたいです! 故郷の妖の島では、お化粧といえば薬草をすり潰したものを塗るくらいでしたから……」


ハナ「やったー! スイ先輩、まじ神! 私、スイ先輩のメイクテク、全部盗んで自分のものにしちゃいますからね! あ、そうだ! メイクしながらちょっと聞いてくださいよー! この前、リシア先輩が担当した超お金持ちで有名なおおとり財閥の若社長様いるじゃないですか? あの人、絶対リシア先輩のこと本気で口説こうとしてると思うんですよねー! 初回面談の時から、もう目がハートで、リシア先輩のことしか見てなかったって、二階のメイドの間でもっぱらの噂ですよ! 『太夫』始まって以来のビッグカップル誕生か!? なんてね♡」


サキ「えっ、リシア様の恋バナ!? 聞きたいです! あのクールで完璧なリシア様に、そんな熱烈なアプローチがあるなんて……! ちょっと想像つきません!」

サキ「(昨日お会いしたばかりのリシア様の、毅然としたプロフェッショナルな姿を思い浮かべる。そんな人に恋の噂があるなんて、なんだか意外でドキドキする。人間らしい一面もあるんだなぁ……)」


ユナ「(頬を赤らめて、もじもじと指を絡ませる)わたくしは、この間、同じ獣人メイドのカエデ様(天狗メイド)が、朝の鍛錬で滝の水を浴びて、びしょ濡れになった黒髪を力強くかき上げるお姿を偶然拝見しまして……その、あまりにも凛々しくて、普段の真面目な姿とのギャップに……胸が、きゅん……と、高鳴ってしまいましたの……♡」


スイ「あらあら、ユナちゃんたら大胆ニャ♡ でも分かるわ~、普段とのギャップに萌えるってやつよね。カエデも隅に置けないわね。ちなみにサキちゃんは、どんな人がタイプなのかニャ? やっぱり、優しくて、包容力があって、ちょっとだけイジワルで……夜には甘えん坊な黒猫系とか?♡」

スイ「(サキの耳元に顔を寄せ、熱い吐息を吹きかけるように、わざとゆっくりと囁く。その声は、まるで猫がじゃれる時のように甘い)」


サキ「ななな、何言ってるんですかスイ先輩! そ、そんなわけ……っ!」(顔が真っ赤になり、猫耳がぴくぴくと激しく震える。心臓の音が、バックヤード中に響き渡っちゃいそうなくらい大きい!)

サキ「(ミャウリ様の占い、『恋バナの甘い罠にはご用心』って、まさしくこれのこと!? うっかり何か言っちゃいそう……! 特に『黒猫さんのイジワルな質問』って、スイ先輩のことだったんだ!)」


ハナ「うわー! サキたん、図星じゃーん! 顔真っ赤! 超分かりやすいんですけどー! てかスイ先輩、それって完全に自分のことアピールしてるし! 積極的すぎ! ウケるんですけどー!」

ハナ「(スマホを取り出し、こっそり動画を撮ろうとするが、スイに鋭い視線で睨まれて慌てて引っ込める。しかし、ちゃっかりサキちゃんの真っ赤な顔の写真は数枚撮っていたりする。後でギルドのメイド専用SNSにアップしちゃおっと♡)」


(みんなで新作コスメを試し合ったり、お互いの今日のアクセサリーやネイルを褒め合ったり、バックヤードは一気に華やかで賑やかな雰囲気に包まれる。甘い香水の匂いと、キラキラした笑い声が、まるで春の陽気のように部屋を満たしていく)


サキ「ハナさんのそのピアス、キラキラしててすっごく可愛いです! まるでお星様みたい! どこのお店のですか?」


ハナ「これ? あー、この間、異世界の『妖精の森の蚤の市』で見つけた一点物なの! 月の雫を固めて作ったんだって! ちょっとお高かったけど、見た瞬間、これしかない!って運命感じちゃってさー。先月のインセンティブ、ほとんどこれに注ぎ込んじゃった! でも後悔はしてない!可愛いは正義だから! ね、サキちゃんも今度一緒に行ってみない? ギルドの転移魔法陣使えば、すぐよ! 珍しいコスメとかアクセとか、いっぱいあるんだから!」

ハナ「(ミャウリの『誘惑に負けちゃうかも度』の占いを思い出し、サキのキラキラした目を見て内心:おっと、サキちゃん、誘惑しすぎちゃったかな? でも、可愛いものセンサーは共有したいしなー! お財布の紐、しっかりね、サキちゃん!)」


サキ「えっ、妖精の森の蚤の市!? 私も行ってみたいです! でも、転移魔法陣って、私たちメイドも、そんな簡単に使えるものなんですか?」

サキ「(異世界……! まだ行ったことないけど、すごく興味がある! でも、ちょっと怖いような気も……。それに、お財布が心配……! ミャウリ様の占い、当たりすぎですぅ!)」


ユナ「まあ! 妖精の森の蚤の市! わたくしも久しぶりに行ってみたいですの~! きっと、わたくしたち天女の羽衣に合う、虹色の光を放つ星の雫みたいなキラキラの髪飾りが見つかりますわ! サキさんもご一緒しましょう! 案内いたしますわ!」


スイ「いいわねぇ、そういう特別な一点物。あたしは最近、ちょっと大胆なレースのチョーカーが気になってるのニャ♡ サキちゃんみたいな白い首筋に、黒いレースが映えると思うんだけど、どうかしら?♡ きっと、息を呑むほど似合うわよ。今度、こっそり試着させてあげようか?二人だけの秘密でね♡」

スイ「(サキの首筋にそっと指を這わせる。その冷たい指先の感触に、サキの肩がびくりと震え、甘い吐息が漏れそうになる)」


サキ「わ、私にですか!? そ、そんなセクシーなもの、まだ早いですって! しかも、くすぐったい……ですぅ! だ、ダメですってば、スイ先輩! みんな見てますし!」


ハナ「えー、いいじゃんいいじゃん! サキたん、絶対似合うって! 今度一緒に見に行こーよ! あ、そうだ! 銀座の裏路地にある、知る人ぞ知る『秘密のランジェリーショップ・月影のねや』とかどう? ギルドの本当に一部のVIPしか紹介されないらしいんだけど、私、ちょっとだけ裏ルートのコネがあるのよ。うまくすれば潜入できるかも! スイ先輩もどうです? きっとお眼鏡にかなう、とっておきの逸品がありますよ♡」


サキ「ひゃー! ら、ランジェリーショップ!? しかも秘密の!? そ、そんなの無理ですぅぅぅ! 心臓が持ちません! 見るだけでも恥ずかしいです!」


ユナ「ランジェリー……♡。わたくしたち天女の羽衣の下は、その……とっても薄くて、肌が透けてしまうのですけれど……そういうのも、人間界の殿方にとっては……魅力的に映るものなのでしょうか……? それとも、奥ゆかしさが足りないと、思われてしまいますかしら……?」

ユナ「(真顔で、しかしどこか興味津々に問いかける。その純粋な疑問に、場の空気が一瞬止まり、サキとハナは顔を見合わせる)」


スイ「ユナちゃん、それはちょっと刺激が強すぎる質問ニャ♡ でも、男性って、そういう“見えそうで見えない秘密”とか“チラリズム”に弱い生き物なのよ、きっと♡ それは女性も同じかもしれないけどね? 特に、好きな相手の“秘密”は、どうしても知りたくなっちゃうものじゃないかしら?」

スイ「(サキに意味ありげな視線を送り、悪戯っぽくウインクする。サキは顔をさらに赤くして俯き、手元の桜餅ラテのカップを両手でぎゅっと握りしめる)」


サキ「(もう、みんなの話が過激すぎてついていけません! でも、なんだかすごく楽しくて、ドキドキする! これがガールズトークってやつなのかな……ぽ♡ 私も、もっとみんなと仲良くなりたいな……! スイ先輩のことも、もっと……知りたい、かも……! ミャウリ様が言ってた『隠れた魅力発見アンテナ』、私にも何か見つかるかな?)」


(ガールズトークが最高潮に達し、部屋中がキラキラしたオーラと、様々な香水の甘く魅惑的な匂いで満たされている時、静かにドアが開く)


リュウカ「あらあら、随分と賑やかですこと。まるで、春の訪れを喜びさえずる、美しい小鳥たちのようですね。楽しそうな声が、ここまで聞こえてまいりましたわ」

リュウカ「(ワゴンにティーセットを乗せ、音もなく現れる。その場が一瞬にして、水を打ったように静まり返る。しかし、それは緊張ではなく、どこか心地よい静寂だ。彼女の登場と共に、部屋の空気がふわりと浄化され、清らかな桜の香りが満ちるような気がした)」


全員「「「「リュウカさんっ!」」」」


リュウカ「皆様、楽しいお話の邪魔をしてしまいましたかしら? 今日は特別に、わたくしがブレンドした『美神ヴィーナスの微笑み』という名のハーブティーを淹れてまいりましたの。美肌効果はもちろん、飲むと心がときめくとか、ときめかないとか……ふふ、噂ですけれど。よろしければ、ご一緒にいかが? きっと、今の皆様にぴったりの一杯だと思いますわ」

リュウカ「(優雅な手つきでティーカップを一人ひとりに配る。その所作一つ一つが、まるで計算された舞のように美しく、目が離せない)」


サキ「(わぁ、リュウカ様直々のお茶だ! しかも、美神の微笑み!? 飲むと心がときめく……!? き、気になります! どんな味がするんだろう……!)」


スイ「まあ、リュウカ様、ありがとうございますニャ♡ いつもながら、素晴らしいお心遣い、感謝いたします。この芳しい香りは……ローズヒップと、それから少しだけジャスミン、そして隠し味に月桂樹の葉かしら? とても癒されますわ。さすがリュウカ様です」


ハナ「やったー! リュウカ様のお茶、超レアじゃん! これ飲んだら、次のVIP案件、百発百中で成功しちゃうかも! 目指せ、指名No.1コンシェルジュ!」

ハナ「(内心:って、具体的な順位はリュウカ様にしか分からないんだった! 危ない危ない! でも、気分だけでもNo.1! このお茶のパワーで、絶対次の案件もゲットするんだから!)」


ユナ「リュウカ様、ありがとうございます! このお茶をいただけば、わたくしのお肌も、もっと天女のようにツルツルぴかぴかになりますでしょうか? 日本の乾燥した空気は、わたくしたち天女の繊細な肌には少し厳しいのです……」


リュウカ「ふふ、効果は人それぞれですけれど、きっと、皆様の内なる美しさを、さらに輝かせてくれることでしょう。信じる心も、美しさには大切ですから。ユナさん、後で保湿効果の高い、特別な花の蜜を差し上げましょう。あなたの故郷の気候に近いもののはずよ」

リュウカ「ところで……先ほどの恋のお話、わたくしも少しだけ聞かせていただいてもよろしくて? 特に、サキさん。あなたにとって、“美しい”と感じるお相手とは、どのような方なのかしら? それとも……お相手は、必ずしも殿方とは限らないのかしらね?♡」

リュウカ「(サキの瞳をじっと見つめる。その黒曜石のような瞳は、全てを見透かすように深く、そしてどこか悪戯っぽい、楽しそうな光を宿している)」


サキ「(ひぃぃぃぃっ!? リュウカ様にそんな核心を突くようなご質問をされるなんて! しかも、最後の一言、どういう意味なんですか!? もうダメ、頭が真っ白です! いや、真っピンクになっちゃいそうですぅ!?♡ スイ先輩、助けてください~! ミャウリ様の占いにあった『恋バナの甘い罠』って、まさかリュウカ様のことだったの!? しかも、スイ先輩への『イジワルな質問』ってこれも!?)」


スイ「(サキの肩をそっと抱き寄せ、悪戯っぽく笑うリュウカ様に、しかし真剣な、そしてどこか挑戦的な眼差しで応える)サキちゃんは、まだ恋というものを知らない、生まれたての純粋な子猫ちゃん。でも、きっと、心の目で見た“本物の美しさ”に、いつか必ず気づくはずですわ。それが、たとえどのような形であろうとも、ね♡ わたくしが保証します。その時まで、誰にも汚させませんから。たとえ、リュウカ様でも、ね?」

スイ「(最後の一言は、はっきりとした意志を持って、リュウカ様に向けられた)」


ハナ「(小声で、興奮を隠せない様子で)うわー、スイ先輩、ナイスフォロー! さすがサキちゃんの守護神! そしてリュウカ様、完全に楽しんでらっしゃるでしょ、あれは! 目がキラキラしてるもん! この二人、バチバチじゃないですかー!? これは録画案件……いや、生で見届けないと!」


ユナ「(ドキドキしながらハーブティーを一口すする。ほんのり甘くて、花の香りが口いっぱいに広がり、心が落ち着いていくのを感じる。でも、目の前の光景は、なんだかすごくドキドキする……!)」


ミャウリ「(いつの間にかリュウカの足元にすり寄り、ティーワゴンの下段に置かれていた小さなミルクピッチャーを前足でちょいちょいしている。そして、満足げにリュウカを見上げている)ミャ~オ! さすがリュウカだニャ! この『美神の微笑み』ティー、吾輩の占いの通り、乙女たちの心をキュンキュンさせる効果抜群だったようだニャン! 特にサキちゃん、顔が真っ赤だニャ~、可愛いニャ~♡」

ミャウリ「それにしても、このお茶、ほんのりマタタビに似た、抗いがたい魅惑の匂いがするニャ~! 吾輩も一口飲んだら、銀座中のメス猫を虜にする、罪な色男(イケ猫)になれるかニャ~? リュウカ様、吾輩の分は、あの『毛並みが月光のように輝くミルクティー』とどっちがいいかニャ?」


リュウカ「あら、ミャウリ。あなたには、特製のミルクティーを用意してありますわよ。さあ、みんなで楽しいティータイムの続きをしましょう。美しき乙女たちの語らいは、何よりも尊いものですから」

リュウカ「(ミャウリの頭を優しく撫でる。ミャウリはゴロゴロと喉を鳴らす)」


サキ「(うん、やっぱりこの『太夫』は、毎日がカオスで、キラキラしてて、ドキドキが止まらない最高の場所だっ! 私も、ここでたくさん素敵なこと、見つけられそうな気がする! ミャウリ様のバフのおかげで、今日は新しい自分を発見できたかも……ぽ♡)」


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