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第12話 ♡『月曜日の憂鬱と、秘密のキラキラ魔法♡』

「――はぁ……どうして月曜日って、こんなに瞼が重たいんだろう……。週末の、スイ先輩とのあの『お揃いリップデート』、夢みたいにドキドキしたなぁ……。でも、今は現実。バックヤードのロッカー前……よしっ! 今日も一日、気合い、入れなくちゃ! ……あれ? ハナ先輩、なんだか今日のメイク、いつもと雰囲気が違う……? もしかして、あれが噂の……『限定キラキラ』!?――」


週明け、月曜日の朝。「太夫」日本本店のバックヤード休憩室は、週末の華やかさが少し落ち着きを取り戻し、どこか静かで、しかし新たな一週間への小さな期待感が微かに漂う空気に包まれていた。

サキは、自分のロッカーの前で鏡を見つめ、小さく頬を叩いて気合を入れる。先週末のスイとの甘く刺激的な時間は、まだ胸の奥でキラキラと大切な思い出として輝いているが、今は目の前の仕事に集中しなければならない。

そんな時、隣のロッカーでメイク直しをしていたハナの姿が、サキの目に鮮やかに飛び込んできた。


**【リュウカとミャウリの朝 ~週明けの小さな魔法と、美意識の目覚め~】**


ミャウリ「(リュウカの温かい膝の上で、満足げにふさふさの尻尾を揺らしながら)ふにゃ~……。リュウカよ、今週の『太夫』は、なんだか乙女たちの“美意識向上オーラ”がむくむくと湧き上がっておるのを感じるニャ。特に月曜日は、週末の夢見心地な余韻と、ちょっぴり手強い現実の狭間で、新しい自分を見つけたくなるものじゃからのぅ」

ミャウリ「(リュウカが目を通していた美容雑誌の最新号のページを、肉球でちょいと優しく押さえる)今日のハナの『新作コスメお試し&大成功運』は、ニャンと星5つ☆☆☆☆☆満点じゃ! あの娘、今日はきっと、とんでもない“映え”オーラを手に入れて、バックヤードの話題を独り占めすることになるニャン! そして、サキには…そうじゃな、『先輩からのキラキラ美の秘訣ゲット確率:88%』! これは、ハナから何か素敵なことを教えてもらえる、甘いフラグが立ったということじゃニャ!」

ミャウリ「今日の吾輩からの特別バフは、『月曜日のどんより気分ふっ飛ばし&キラキラ発見アンテナ感度MAXニャ!』だ! 週明けだって、楽しんだもの勝ちじゃぞ、サキよ!」


リュウカ「(ペンを置き、ミャウリの言葉に小さく笑みをこぼし、その柔らかな頭を優しく撫でる)まあ、ハナさんとサキさんに、そんな素敵な一日が訪れるのですね。乙女たちが美しくあろうとするその心意気は、それ自体が何よりも強い輝きを放つものですもの。きっと、素晴らしい発見と、心ときめく瞬間が待っていることでしょう」

リュウカ「(窓の外に広がる、少しばかり雲の多い銀座の空を見つめ、ふっと小さく息を吐く。その瞳には、一瞬だけ、何かを慈しむような優しい光が宿る)…週の始まりは、時に少しだけ心が重たく感じるもの。けれど、そんな時こそ、日常に潜む小さな魔法が、私たちの心をふわりと軽くしてくれるのかもしれませんわね」


**【会員制茶屋「太夫」日本本店・バックヤード休憩室 – 月曜日の開店準備中】**


(バックヤードには、開店準備のために集まってきたメイドたちが、週末の出来事を小声で報告し合ったり、今日の仕事の段取りを確認したりと、和やかながらもどこか週明け特有の気怠さが漂う空気が流れている。サキも、週末のスイとの出来事を胸の内で反芻し、ほんのり頬を染めながら、テキパキと準備を進めている)


ユナ「サキさん、おはようございますの。週末は、スイ様とどちらかへお出かけになられたのですか…? なんだか、いつもに増して、お顔がキラキラと輝いていらっしゃるように見受けられますわ♡ まるで、恋する乙女のオーラですの!」

ユナ「(サキの顔を優しく覗き込み、慈愛に満ちた微笑みを向ける。彼女の繊細な猫耳が、興味深そうにぴこぴこと可愛らしく動いている)」


サキ「ゆ、ユナさん! お、おはようございます! えへへ…まぁ、その、ちょっとだけ…ね? でもでもっ、今日は月曜日ですし、気持ちを切り替えて、ビシッと頑張らないと!」

サキ「(照れ隠しに、わざと大きな声で言い、自分のロッカーからアイロンのかかったぴかぴかのミニドレスを取り出す。その手つきは、しかし、どこか幸せな余韻で浮かれているようだ)」


(その時、サキは隣のロッカーで入念にメイク直しをしているハナの姿に気づく。ハナは、いつもより時間をかけて、そしてどこか自信に満ちた得意げな表情で鏡の中の自分を見つめている。その肌は、まるで内側から発光しているかのように艶やかで、目元には繊細ながらも存在感のある多色ラメがキラキラと上品に輝いていた)


サキ「(あれ……? ハナ先輩、今日のメイク、なんだかすごく綺麗……! 肌が、内側から発光してるみたいにツヤッツヤだし、目元も、なんていうか…繊細な星屑が散りばめられたみたいにキラキラしてる……! もしかして、週末に『絶対ゲットする!』って意気込んでた、あの幻の限定コスメ、もう手に入れたのかな……!?)」

サキ「(思わず、羨望の眼差しでハナの顔をじっと見つめてしまう。自分の今日のメイクと見比べて、ほんの少しだけ、ため息が出そうになる)」


ハナ「ん? なぁにサキたん、そんな熱い視線送っちゃって。あたしの顔に、何か面白そうなゴシップでも付いてるぅ~?」

ハナ「(サキの視線に気づき、からかうように悪戯っぽくウィンクする。その目元の繊細なラメが、バックヤードの柔らかな照明を受けて、さらに上品な輝きを増した)」


サキ「あ、いえっ! あのっ、ハナ先輩、今日のメイク、本当にすごく素敵だなって思って……! 特に、その、お肌の濡れたようなツヤ感と、目元のさりげないのに華やかなキラキラが……もう、芸術的です!」

サキ「(思わず、心の声がそのまま言葉になって飛び出す。自分の今日のメイクも悪くないはずなのに、ハナ先輩の完璧な仕上がりを見ると、もっともっと可愛く、もっともっとキラキラしたいという欲求が、胸の奥でむくむくと湧き上がってくるのを感じる)」


ハナ「おっ、サキたん、さっすが美意識高い系女子はお目が高いね~♡ よくぞ気づいてくれました! 実はこれ、昨日血眼になってゲットしたばっかりの、幻の限定品なの! 『うるツヤ発光シルク肌プライマー』と、『銀河の涙シングルシャドウ』なんだ~!」

ハナ「(待ってましたとばかりに得意げな笑みを浮かべ、自分の愛用ポーチから小さなパールホワイトのチューブと、宝石のようなカッティングが施された単色アイシャドウを大切そうに取り出し、サキに見せる。チューブからは、ほんのり甘く爽やかなホワイトピーチの香りが漂ってきた)」


ハナ「このプライマー、マジで神なの! 塗った瞬間から肌がパーンって明るくなって、内側からじゅわっと発光してるみたいな、生っぽいツヤが出るの! しかも、全然ヨレないし、マスクにも付きにくいし! で、このシャドウはね、見て見てこの輝き! この多色ラメの繊細なキラキラ感、ヤバくない!? 角度によって、ピンクに見えたりゴールドに見えたり、時にはブルーっぽくも見えるの! まさに、塗るオーロラ、纏う宝石って感じじゃない!?」

ハナ「(目をキラキラと輝かせながら、身振り手振りを交えて熱く語る。その姿は、まるで最新コスメを紹介する人気美容系動画クリエイターのようだ)」


ユナ「まあ! ハナ様、本当にまるで宝石箱をそっと開いたかのような、夢のように美しい輝きですわね……! わたくしも、そのような魔法のような化粧品、一度でいいから使ってみたいものですわ……うっとり」

ユナ「(うっとりとした表情で、ハナの持つコスメに熱い視線を送る。その瞳は、純粋な好奇心と憧憬でいっぱいに潤んでいる)」


サキ「すごいです、ハナ先輩……! 私も、そんな風に、肌も目元もキラキラ輝いてみたいです……! でも、幻の限定品ってことは、もうどこにも売ってないんですよね……? ああ、やっぱり無理なのかなぁ……」

サキ「(憧れの眼差しから一転、少ししょんぼりとした表情になる。自分も、もっともっと可愛くなって、スイ先輩をドキッとさせたいという気持ちが、心の奥で小さな炎のように揺らめいている)」


ハナ「ん~、確かに一瞬で完売した幻のアイテムだけどぉ……でもでもっ! 今日は特別! このキラキラハッピーオーラ全開のハナ様が、可愛い後輩のサキたんに、ちょっとだけ『お裾分け魔法』をかけてあげちゃおっかな?♡」

ハナ「(ニヤリといたずらっぽく笑い、サキの顎にそっと手を添える。その目は、まるで面白い実験を思いついた子供のように、好奇心でキラキラと輝いている)」


サキ「えっ!? ま、魔法……ですかっ!? ほ、本当ですか、ハナ先輩!?」

サキ「(ハナの突然の、そして魅力的な申し出に、驚きと期待で胸が一気に高鳴る。ハナ先輩の華奢な指先から、何か素敵なことが起こりそうな、甘い予感がした)」


ハナ「そそ♡ 名付けて、『ハナ様直伝☆月曜日のどんより気分も一発KO!シンデレラ☆キラキラお裾分けメイクアップ!』ってとこかな! んふふ♡ ちょっとだけなら、お試しさせてあげるよん♡ サキたんなら、このキラキラ、絶対に似合うと思うし、今日の『太夫』でもっと輝けるはずだから!」

ハナ「(楽しそうに鼻歌を歌いながら、サキの頬に、自分の使っている『うるツヤ発光シルク肌プライマー』をちょんちょんと数カ所に乗せ、スポンジで優しく叩き込むように丁寧に伸ばしていく。そして、例の『銀河の涙シングルシャドウ』から、サキのイエベ春の肌色に絶妙にマッチしそうな、温かみのあるシャンパンゴールド系の繊細なラメを少量だけ薬指に取り、サキの目尻と下まぶたの黒目の下に、そっと置くように乗せた)」


ハナ「はい、できた~! どうどう? サキたん、ゆっくり鏡見てごらん! めっちゃくちゃ可愛く変身してない!? 自分でもビックリするでしょ~!?」

ハナ「(自分の仕事に満足したように、うんうんと頷きながらサキに手鏡を渡す。その表情は自信に満ち溢れている)」


サキ「(恐る恐る、渡された手鏡を覗き込む。そこに映っていたのは――いつもより格段に肌が明るく、内側から発光しているかのように艶やかで、目元がまるで星屑を散りばめたように繊細なラメでキラキラと上品に輝いている、見慣れない自分がいた。まるで、顔全体に透明なヴェールを一枚かけたように、透明感が格段にアップしている!)」

サキ「わ……わぁ……! すごい……! これ、本当に私ですか……!? ハナ先輩、私、なんだか別人みたいに綺麗に見えます……! 肌が、つるんと剥きたてのゆで卵みたいにツヤツヤで、目も、キラキラしてて……! これが、ハナ先輩の魔法なんですね……!」

サキ「(鏡の中の自分にしばし見惚れ、感動で声がわずかに震える。月曜日の朝の、心の奥に少しだけあった重たい気分が、一瞬にして羽が生えたように軽くなっていくのを感じた)」


ユナ「まあ! サキさん、本当に本当に素敵ですわ! いつもの太陽のような可愛らしさに、さらに洗練された華やかさと、透き通るような透明感が加わって、まるで春の陽光を一身に浴びて輝く、満開の桜の花のようですわ……! 美しいです!」

ユナ「(両手を胸の前でそっと組み、心からの感嘆の声を上げる。その瞳は、サキの変身ぶりに感動して、少し潤んでいるように見えた)」


(そこへ、開店準備の最終確認を終えたスイが、スレンダーな肢体をしなやかに動かしながら、バックヤードに戻ってきた。サキの、いつもとは明らかに違う華やかでキラキラとした雰囲気に、すぐに気づいたようだ)


スイ「……ん? サキちゃん、今日のあんた、なんか雰囲気違うニャン? ……いつもより、なんていうか……全体的にキラキラしてて……すごく、可愛いじゃニャいか♡」

スイ「(サキの顔を興味深そうにじっと見つめ、その変化に目を細める。その声には、素直な驚きと、そして隠しきれない称賛の色が滲んでいた。スイの切れ長の瞳が、サキのキラキラと輝く目元に、吸い寄せられるように注がれる)」


サキ「ひゃっ! ス、スイ先輩! お、おはようございます! あ、あの、これは、その……ハナ先輩にちょっとだけ、新しいコスメを試させてもらって……えへへ」

サキ「(スイの突然の登場と、ストレートな褒め言葉に、顔をカッと赤くする。スイ先輩に見つめられると、心臓がドキドキと早鐘を打ち始め、ハナ先輩に施してもらったキラキラ魔法が、スイ先輩の視線を受けてさらに輝きを増すような、そんな不思議な感覚に陥った)」


ハナ「(ニヤニヤしながら、腕を組んでスイに)そうでしょ~? スイ先輩! うちの秘蔵っ子のサキたん、元の素材が国宝級にいいから、このカリスマ美容部員ハナ様がちょちょっと魔法をかけてあげるだけで、こーんなにダイヤモンドみたいに可愛くなっちゃうんだから! これで今日の『太夫』も、サキたんのキラキラスマイルでお客様もメロメロ、間違いなしだねっ!」

ハナ「(自分のメイク術とサキの可愛さが認められたようで、非常にご機嫌に胸を張る)」


スイ「(ハナの軽口には特に反応を示さず、サキのキラキラした目元をもう一度じっと見つめる。そして、ふっと口元を緩めた)……ふぅん。そのキラキラ、なかなかいい色してるじゃニャいか。サキちゃんによく似合ってる。……今日のあんたは、いつもより、ちょっとだけ“無敵”に見えるニャ♡ 自信持って、お客様を魅了してこい」

スイ「(サキの頭を、労うように優しくポンポンと撫でる。その瞳には、いつもの悪戯っぽい光と、そしてサキへの深い愛情と信頼が宿っていた)」


サキ「む、無敵……ですか!? そ、そんな……! でも、スイ先輩にそう言ってもらえると、なんだか、本当に何でもできそうな、勇気が湧いてきます……! えへへ……ありがとうございます、スイ先輩、ハナ先輩!」

サキ「(スイの温かい言葉と、頭に残る優しい手の感触に、胸がいっぱいになる。月曜日の朝が、こんなにもキラキラとした、前向きな気持ちで始められるなんて、ほんの少し前までは思ってもみなかった。これも、ハナ先輩の「魔法」と、ミャウリ様の「バフ」のおかげかもしれない)」


(――週明けの月曜日。「太夫」のバックヤードでは、ハナの小さな親切心と、新作コスメのキラキラとした魔法が、サキの心を明るく照らし出した。スイ先輩からの「無敵」という言葉は、サキにとって何よりも心強いお守り。この小さな「キラキラ」が、今日一日、そしてこれからのサキに、どんな素敵な出来事を運んでくるのだろうか――それは、まだ始まったばかりの、新しい一週間の、甘くて優しい秘密)


(休憩室の窓辺、柔らかな日差しが差し込む特等席で、聖獣ミャウリが、満足げに大きなあくびを一つ。「ふむ、ハナの奴、なかなか良い目利きと腕をしおったわい。サキのキラキラオーラ、吾輩の特製バフ効果も相まって、今日は一段と眩しいのぅ。よしよし、この調子なら、今週も『太夫』は麗しき乙女たちの笑顔で満ち溢れ、吾輩の元にも美味しいオヤツがたんまりと献上されるに違いニャい! さて、まずは朝ごはんの最高級オーガニックカリカリを、リュウカに要求するとするかニャ! 月曜日から美味しいものを食べねば、一週間は始まらんからのぅ!」と、しっかりと自分の食欲も満たし、新たな一週間に備えようとしているのだった――)

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