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5.絶望と希望②

「色々あって怪我は治った」

「治った? 上級ポーションでも治らないような傷だったのに?」

 上級ポーションは回復の見込みがある者のみに効果がある最上級のポーションだが、回復の見込みがない者に使った場合それはそこら辺の水と同じでただの飲み物にしかならない。

「俺だって詳しいことは知らん! わかってるのはエルが無事だったこととスタンピードの脅威はなくなったってことだけだ」

 俺に起こった不思議現象について父さんは何も知らないらしい。

「マリー様、城にお戻りください!」

 家の外で誰かが必死で叫んでいる。母さんは元姫様なのでいつ追手がきてもおかしくないけど、マリーさんに城に戻れって言ってくる人がいるのはどういうことなんだろう?

「旦那も息子もいるって言ってるのにしつこいわね」

「俺が蹴散らしてこようか?」

「駄目よ。ディーが行くと余計話がややこしくなるから。二人でディーの城に行きましょう?」

「いいのか? あの城は辛気臭くて嫌なんじゃなかったのか?」

「あいつらがいないところに行きたいの。ほら、早く連れてって」

「愛しい妻の頼みとあらば」

 ディーがマリーさんの腰に腕をまわしたかと思うと二人の姿が一瞬で消えてしまった。

「はははっ。さすがだな。絶対敵に回したくない男だ」

「今のは誰なの? えっ、マリーさんの旦那さん!? ご挨拶したかったわ」

 笑う父さんと次にいつ会えるのかしらとニコニコと笑う母さん。

 結局何が起きたのかはわからずじまいだが、平和な日常が一番だと思った俺だった。



 後日、史上最年少の十八歳で騎士団長になったルーカスから

「約束破ったんだから今から俺の言うことには『はい』って答えてね。絶対『ハイ」って言ってよ。それ以外は駄目だからね」

 と、かなり念押しされた上で『俺の世界を君に。ずっと好きだ。愛してる。結婚して欲しい』プロポーズをされた。

 嬉しかったが約束破った罰で『はい』というのは違うだろうと、とびきりの笑顔でニッコリと笑うとルーの口にキスをする。

「え、え、エル!?」

 赤くなって慌てふためくルーカスが可愛らしい。

「これが俺の答えだ」

 してやったりの顔をしてルーカスを見つめると、ぎゅーっとルーカスに抱きしめられた俺だった。



                                                    END


 


~お知らせ~

これにて受け視点の話が完結です(同人誌で67ページくらい)。

書き下ろしの攻め視点を追加して120ページくらいの本になりました。

受け視点、攻め視点、どっちの視点も好きなので毎回こんな感じで受け視点が終わったら攻め視点の話(逆もあり)を書いてます。

読んで下さった方が少しでも楽しんでいただけていたら幸いです。最後までお読み下さりありがとうございました☆


※同人誌は同じタイトル『転生したらモブだったので田舎で平穏に暮らしていたら幼馴染みの様子がおかしいです』で攻め視点を書き下ろして発行済みです。

 攻め視点を含めて全てのネタバレで完結なので、攻め視点を気になって下さって方はコミコミスタジオ様で通販してますのでよければご利用ください☆

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