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0.捨てる人がいれば拾う人もいる

受溺愛ド執着攻×平凡異世界転生(前世の記憶あり)モブ

(全年齢)



<登場人物>

エルリオ(エル/受)

異世界転生した平凡なモブ。


ルーカス(攻)

幼児の頃にエルに『るー』と呼ばれてから幼馴染みのエルが大好きで、エルの為なら何でも成し遂げようとする努力家。

(※剣と魔法、魔王とか聖女とかがいる世界観です)


以上が大丈夫そうな方はこのまま本文をお読みください☆




 前世の記憶というか、この世界ではない世界のことをたどたどしい単語で話していたら『おかしなことを言う子。気味が悪い』と言われて捨てられた。

 今の親は、遠くの山に捨てられて倒れた俺を助けてくれた縁もゆかりもない夫婦だ。どうしてここにいるのか聞かれた時もうまく話せる年齢じゃなかった俺は、誰か人間がいたことに安堵して泣きじゃくった。

 そして一言聞かれた『パパとママは?』という言葉に一生懸命首を横に振った。それを見た女性は『じゃあうちの子にならない?』と言って微笑み、男性は俺を軽々と抱き上げて肩車へと移動させた。


(見るからに平民ではなさそうな姿の二人なのに、身元を調べようともせずにそんなことを言うなんて、俺がもし暗殺者や刺客だったり犯罪者の子供だったらどうするんだろうか)

 その時は内心そう思ったものの、まだまともに歩くこともままならない子供の体力では、肩車をされてその高さに驚いたりはしゃいでるうちにそのままスヤスヤと眠ってしまったらしい。


 それからはその家の子として育てられた。近所に住んでいる子供は俺より三歳年下の子供が一人でその子の母親と二人で暮らしているので、働きに出ている間はうちに預けられて俺とその子は必然的に一緒にいることが多くなった。

 最初は兄ちゃんと発音できなくて『にーちぇ』と呼ばれていた。男の子にも関わらず愛らしい顔とクルクルとよく変わる表情が可愛くて、恐らくお互いの両親よりも一緒にいたかもしれない

 俺の新しく親になってくれた両親は、元騎士団の団長と今は亡き隣国のお姫様だったらしい。

 隣国が存命中に遠征したその時の騎士団長だった父が一目惚れして二人で駆け落ちしてこの国にやってきたそうだ。

 そしてそのタイミングの少し後に隣国でクーデターが起きて母の国はなくなったみたいだ。

 というのは直接両親から聞いた話ではなく、隣の家の母親がこっそりと教えてくれたのだ。

 騎士団長という身分に何の未練もなかった父はあっさりと仕事を辞めてこの村で母とのんびり暮らしているらしい。


(お姫様と敵国の騎士の駆け落ちとか絵本の物語みたいだ)

 子供の俺ですらそう思ったくらいなのだから、よくこの村の人たちがそれを受け入れたなと思う。

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