屋上の秘密
寮に帰ってみんなと情報交換をしたの。寮は普通だけど学園の屋上は似たような感じだったんだって。
「とりあえず、もう遅いし寝ない?」
「そうだな。星音、明日も一緒に行動」
「明日は僕と一緒」
「星音、勉強見てやるから」
「いつも僕が見てるから見なくて良い」
「……同じ構造だったんだから三々で良くない?星音もそう思うでしょ?」
「うん」
喧嘩するくらいなら三人で行けば良いって思う。
「勉強は?」
「月零のも見ねぇとだから今度ここで勉強会開くのはどうだ?」
「そんなに頭良くなくても参加して良いの?」
「そう思うんなら参加して勉強しろ。今度のテスト赤点で補修は回避しろよ」
「なんで赤点補修常習犯って知ってるの?」
「同じクラスだから」
そういえばそうだった。同じクラスだと知っている可能性高いんだよね。良く教室で「また補習ー」とか空姫ちゃんに言ってたから。
「あっ、消灯時間」
消灯時間になって電気が消えたから解散になった。
******
今日は学園は休みなの。だから、ゆっくり調べられるんだって。
今日は蝶華くんと月華くんと一緒に本校舎の屋上を調べているの。
「変わったものなんて、きゃぅ!」
なんか良くわからない虫?に噛まれた。
「……蝶華、寮に帰って話がある」
「うん。星音、寮帰るよ」
「えっ、う、うん」
なんか月華くんと蝶華くんに強制的に寮へ帰された。
なんなんだろう。
******
「星音、今日一日月華と三人で部屋から出ないよ」
「うん」
「月零になんか買ってきてって頼んどいた」
「なんかあるの?」
説明してくれないからなにも分かんないよ。詳しくじゃなくても良いから説明が欲しい。
「占い」
「あれってなんて書いてあったの?」
「虫に噛まれて、我らの世界へ誘われる。夜、その部屋は我らの世界となるだろう」
「どういう意味?」
「知らね。けど、夜に何か起こるかもしれねぇから」
「月華、夕食は寮長に頼むよ」
「月零に連絡しとく」
前の時はまだ良かったけど、今回ってホラーまっしぐらっぽそう。いやなんだけど。でも、一人じゃないだけましだって思った方が良いのかな。
蝶華くんと月華くんはどう思ってるんだろう。ずっとこの部活をやってきているから慣れてるのかな?
「今回は持ち出しオッケーなのかな」
「だったらまた荒稼ぎできるな。一万くらいを目標にするか」
「えー、今回はレア物で十万はいきたいよ」
えっと、楽しそう。危険な場所かもしれないのになんでこんなに楽しそうなんだろう。
慣れ、なのかな?
「星音は便利魔法具持ってる?」
「うん。充電切れそうだけど」
「月華は?」
「俺は半分くらい」
「充電器余ってるから貸すよ」
「ありがと」
「ありがと」
「今日は早いけどそろそろお風呂入っておこうよ。月華は服とか持ってきてるんだよね」
「ああ。そういや、星音と蝶華の分も」
「僕の?ああ、サイズ変えて欲しいって頼んでたんだった。ありがと」
紺色の服。お風呂の後で着ればいいのかな。
「星音、先に入っていいよ。服はこれ着て」
「うん」
「今度から学園外の時は必ず、学園内でも着てもらう事があるから」
******
「……」
お風呂から出て着替えてるんだけど、着方が分からない。なんかいっぱいある。
えっと、まずはこの白い服から着ればいいのかな。
それで先にスカートを履いて、上から紺色のこの服着れば良いかな。
……普通に着れた。別に難しくもなかった。
あとは靴下を履いて……この服すごく涼しい。長袖で暑そうな生地なのに暑くない。
「お待たせ」
「白で頼んで良かったね」
「だな」
「えっ?なんの事?」
「靴下」
「黒か白かで悩んでたから」
黒の方が大人っぽくて良い気がするけど、これもこれで良いかも。
蝶華くん達も喜んでいるし。
「僕らも入ろ」
「ああ」
蝶華くん達が入っている間にお勉強でもしていよっと。
って思ったけど、分かんないからお絵描きしていようかな。