第4話
まずは事情聴取からかな。教室に戻ってみよう。途中、何人かがトイレにいたり、校庭で遊んでたりしたけど…まあ、授業ないからいっか。先生たちが怒ってないならいいよね。今の時期、体育は体育館だし。
ガラガラと勢いよく扉を開けて蒼井さんを探す。…あ、いた。目が合うと勢いよくこちらへと飛び出してきた。
「坂宮さん。最初は私?」
「うん。蒼井さんの原因は恋愛…だったんだよね。何があったか、詳しく私に話してくれない?」
そう言うと、何故か眉を潜めてこちらを睨む蒼井さん。なにかしてしまったかな?なんて今までの発言を思い浮かべてみるけど、全く思いつかない。
はあ、とため息をついて私をじろりと見る。
「気付いてないんだね。私、かなと付き合ってるの。あんた、私のかなを取ろうとしてるでしょ?」
「…え?」
思考が一瞬止まって、勢いよく動き出す。かなってあれだよね。高宮香菜。バレー部の...私の友達。蒼井さんと仲いいなって思ってたけど、まさか付き合っているとは。で、蒼井さんからしたら私がかなのことを取ろうとしてるって見えてるの?どうしよ、そんなつもりじゃないんだけど。よくわかんない。どうしたらいいんだろう。何を、えっと、本当に。
狼狽えながらも弁解をする。
「私はかなのこと友達としてしか見た事ないよ...」
「嘘つき!!今日もかなに抱きつかれてたし、だって、だって、だって...!!」
大声をだし、私の肩を掴む。涙に揺れる瞳は吸い込まれるように美しく、怖いほどに迫力がある。
「私には香菜しかいないの...」
そう嘆く彼女を前に、脳が真っ白になる。
「はる。なにやってるの?」